仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第384話 中小企業が営業トークで成約率を倍増!ギャップ認識を活用した売上向上の新戦略
はじめに
多くの中小企業経営者にとって、売上向上は常に最優先の課題といっても過言ではありません。
しかし、いざ営業活動を振り返ってみると、「営業担当者のスキルにバラつきがある」「思うように成約に繋がらない」「そもそも営業戦略がしっくりこない」といった悩みが浮かび上がるケースも少なくないのではないでしょうか。
そこで本記事では、営業担当者のスキルを底上げし、最終的には成約率を倍増させるための具体的な方法を解説していきます。
中小企業が抱えがちな営業の課題を整理し、どのように改善すれば良いのか。
経営者や管理者の方々が、「なるほど、うちにも当てはまるかもしれない」と思えるようなヒントを散りばめています。
営業トークのシナリオにおける仮説構築の重要性
まず営業活動で確実に成果を出すためには、営業トークのシナリオが欠かせません。
特に新人営業担当者がいる場合は、「聞く技術」「提案力」「質問技術」「仮説構築力」という4つのステップを段階的に身につけられるようにすることが大切です。
この中でも、最も重要なステップが以下の図に示した「ステップ3:質問技術と仮説構築力」です。
ここでは、顧客に「えっ」と言わせるシーンを意識してみてください。
この「えっ」は、顧客の中に眠るギャップ認識を引き出す合図でもあります。
ギャップ認識とは、顧客が「現状」と「あるべき姿」の間にある差を自覚することです。
もし顧客にギャップ認識がなければ、問題解決への行動を起こすモチベーションは生まれません。
実は多くの企業が、最初から「あるべき姿」を提示して終わりにしてしまうのですが、それだけでは顧客はピンとこないものです。
大切なのは、顧客自身に「自分の現状」を言葉にさせ、そこから「あれ、実はこんな課題があるかもしれない」という気づきを得てもらうことなのです。
たとえば、「現在の設備では、1回あたりの段取りにどのくらい時間がかかっていますか?」
「(顧客の回答を受けて)なるほど、ありがとうございます。実は、貴社と同じ規模の加工会社で、以前は30分かかっていた段取りが、今では5分で終わるようになった事例があるんですよ」
「えっ、5分ですか? そんなに短縮できるんですか?」
このように具体的な数字や事例を交えながら質問していくと、相手は自然と「自分の現状は30分もかかっている。でも世の中には5分でできる企業もあるらしい…」と気づき、「あるべき姿」との差を意識するようになります。
質問技術と仮説構築力の具体的なステップ
ギャップ認識を高めるためには、以下の手順をしっかり押さえておきましょう。
1) 顧客の悩みや願望を連想させる質問をする
2) 顧客に自ら現状を語らせる
3) 顧客と同じ業種で成功している事例を紹介し、あるべき姿を提示する
4) 現状とあるべき姿のギャップを認識させる
この流れをスムーズに進めるには、やはり事前準備が不可欠です。
顧客の業種や規模、抱えている課題などをあらかじめリサーチし、仮説を立てておくことで、有効な質問を投げかけることができます。
たとえば、「この規模の会社だと、〇〇に悩むケースが多いのでは?」といった仮説を用意しておくだけでも、ヒアリングの質が大きく向上します。
経営者や管理者としても、事前に「顧客へのアウトライン」を設定してから商談に臨むことで、ムダなく商談を進めることができるはずです。
「見える化」によるノウハウの蓄積と共有
一方、せっかく優れた技術やノウハウを持っていても、それが特定の営業担当者にしか伝わらない属人的な状態だと、組織全体の成長は頭打ちになってしまいます。
そこで重要になるのが、営業ノウハウの「見える化」です。
これは、各担当者の経験値や知識を共有し、誰でも再現できるように形式知化しておくことを意味します。
具体的には、
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提供価値シートの作成
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質問集の作成
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成功事例集の作成
といった取り組みが挙げられます。たとえば「提供価値シート」には、自社製品・サービスがどんな悩みに応えられるのか、あるいはそれが顧客にとってどんなメリットを生み出すのかを一覧にまとめます。
これらをチーム全員で共有しておけば、新人でも一定レベルの成果が期待できるというわけです。
価値をズバリ訴求する「3ステップ営業トーク」
続いては、顧客に価値を理解してもらい、行動を促すための営業トークについてです。
ここでは「3ステップ営業トーク」というシンプルな手法をご紹介します。
【ステップ1】価値をズバリ訴求する
たとえば「メタボ予備軍の方に、効果を発揮する5分間の簡単体操がありますが、興味はありますか?」というように、まずは一言で訴求する価値を明確に伝えます。
最初にギャップ認識をうながすためにも、この「ズバリ感」は大切です。
【ステップ2】価値を提供する
実際にどんなメリットがあるのかを、数字や実例を交えて提示します。短いながらも顧客に「えっ」と感じさせる情報を入れられるとなお良いでしょう。
【ステップ3】具体事例を見せる
顧客と近しい環境での成功体験や、具体的な導入シーンを示します。相手が「それならうちでもできそうだ」とイメージしやすくなるため、行動までの距離がグッと縮まります。
営業トークに頼りすぎない姿勢も大切
とはいえ、営業トークだけに頼りきるのは要注意です。
特に成熟期に差し掛かる製品やサービスでは、小手先のテクニックに走ってしまうと本質を見失いがちになります。
そこで常に意識したいのが、「自社製品・サービスは顧客にとってどんな価値があるのか?」という根本的な問いかけです。
もし自社の強みがわかりにくい場合は、改めて社内で洗い出しをしてみると良いでしょう。
自社では当たり前にできていることが、顧客にとっては大きなメリットになることも珍しくありません。
「他社が持っていない独自性」を見つけ出し、それをいかにアピールするかが成約率アップへの近道です。
まとめ
営業の成約率を向上させるカギは、一つひとつの要素をバラバラに見るのではなく、「営業トークのシナリオ」「仮説構築力」「ノウハウの見える化」「価値のズバリ訴求」といった要素を総合的に組み合わせていくことです。
経営者や管理者としては、まずは自社の営業スタイルを見直し、「新人でも安心して成果を出せる仕組み」を整えるところから取り組んでみてください。
本記事の内容を参考にしながら、自社に合った営業戦略をカスタマイズし、次の商談や打ち合わせに生かしていただければ幸いです。
売上向上へ向けたヒントが少しでも得られれば嬉しく思います。
ぜひ「うちの会社でも実践できるかも?」という視点で、今日から取り組んでみてはいかがでしょうか。
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