「営業の成約達人」を生み出す仕組みの作り方

代表 乾切抜き 仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第383話 新年度の決意表明が“組織力”を変貌させる。「何を定着させるか」が未来を切り拓く鍵になる

はじめに

中小企業の経営者におかれましては、新年度のスタートにおいて、今期はどのような決意表明をするか、お考えになっていますでしょうか。

経営コンサルタントとして多くの経営者の方々とお話ししていると、年始及び新年度の決意表明について「どんなテーマを掲げればよいか」「どうすれば組織に浸透させられるか」といったご質問をよくいただきます。

そこで本稿では、単なる新年(新年度)行事としての挨拶に終わらせず、組織全体を動かすための「本当に力のある決意表明」をするためには何が必要か、経営幹部の皆様にぜひ意識していただきたいポイントを掘り下げて解説していきます。

決意表明の現状と課題

決意表明の成否を分けるのは、「何を言うか」よりも「何を定着させるか」にあるといわれています。

しかし多くの経営者や経営幹部は、“発表内容”ばかりにフォーカスしがち。結果として以下のような問題が起こりやすくなります。

1,決意表明の内容を覚えていない 

●ある調査によると、3割以上の経営者が「今年の新春の決意表明を覚えていない」と回答しています(うろ覚えを含めると5割)。これは、決意表明が形骸化している可能性を示唆しています。

2.組織に何も定着していない 

●6割以上の経営者は、決意表明で宣言した内容が組織に定着したかどうか「明確に答えられない」という結果が出ています(「できていない」という回答を含めると7割)。この状態が原因で、毎年似たような決意表明を何度も繰り返すことになるのです。

3,具体策がない 

●決意表明には、どのような行動を取るかといった具体的な計画が欠かせません。行動の裏づけがないまま“気合い”だけを掲げても、社員の行動変容につながらず、いわゆる「絵に描いた餅」で終わってしまいます。

4,個別目標達成シートも同様 

●企業によっては、個別目標達成シートを使って面談やフォローを行っています。ただ、このシートも「何を定着させたいのか」という視点が欠けると、作業だけが先行し、成果が伴わなくなる傾向があります。

「何を定着させるか」に焦点を当てる

では、どうすれば「単なる口先の決意」に終わらせず、組織を動かす原動力とできるのでしょうか。

そのカギは、まさに「何を組織に定着させたいのか」を明確にすることです。

「何を言うか」ではなく、「何を定着させるか」にフォーカスすることで、宣言内容が現場の具体的行動につながり、成果へと結びついていきます。

【「何を定着させるか」を明確にするためのステップ】
1. 今年の決意表明を振り返る 

●まず、現在の決意表明の内容を正確に振り返りましょう。もし覚えていないようであれば、少々危機感を持つ必要があります。 

2. 組織に定着したことを評価する 

●決意表明に基づいてどのような行動が実践され、何が定着したのかを冷静に振り返りましょう。 

3. 今期の決意表明のテーマを決める 

●昨年の反省を踏まえ、今期こそ組織に根付かせたいテーマを決定します。 

4. 具体的な行動計画を立てる 

●テーマ定着のために数値目標・責任者・期限を明確にし、具体的な行動計画を策定します。 

5. 進捗を定期的に確認する 

●行動計画の進み具合を定期的に把握し、状況に応じて修正を加えていきます。

能動型営業への転換事例

たとえば、ある企業では新春の決意表明に「受動型営業から能動型営業への転換」を掲げました。

複数の営業拠点がある同社では、経営者の示した方針を受けて各拠点のリーダーが具体策を立案し、能動型営業を実践するようになりました。

その結果、能動型営業に積極的に取り組んだ拠点は前年を上回る売上を記録し、逆に従来の営業スタイルを続けた拠点は前年割れという大きな差が生まれました。

このように、経営者の決意表明と現場の具体的行動をしっかり連動させると、目に見える成果が出るケースが少なくありません。

組織力向上のための取り組み

ここで押さえておきたいのは、組織力向上において「何に取り組んだか」よりも「何が定着したのか」が非常に重要だということです。

新しいツールや手法に飛びつくあまり、実際には形だけの導入で終わるケースもよく見かけます。

そうした例を振り返ると、結局は「忙しくて何も身についていなかった」という事態になりがちです。

したがって、決意表明で掲げたテーマが組織文化に溶け込むかどうかを、経営者も幹部も常に意識しなければなりません。

景気減速への備え

さまざまな情報源から、2020年以降の景気減速が予測されています。

そのため、「兜の緒を締める」ように、社内体制を早めに強化する準備が必要でしょう。

特に、自立型人材の育成や現場運営の効率アップなどは、景気が後退気味になったときでも業績を支える大きな柱となります。

「今のうちに何をどのように定着させるか」を明確にしておけば、多少の経営環境の変化にも動じない強い組織を築くことができます。

経営幹部に求められること

経営幹部の立場では、経営者の決意表明を「聞くだけ」で終わらせてはいけません。

自身の言葉で解釈し、現場に合わせて具体策を練り、メンバーに落とし込む役割を担っているからです。

また、決意表明で掲げた目標の達成に向けて、率先垂範や部下への指導・育成も必要になります。

【経営幹部が意識すべきポイント】
1,決意表明の意図を正確に理解する 

●経営者が決意表明に込めた思いや狙いをくみ取り、ブレなく行動に移すことが重要です。

2,現場の状況を把握する 

●現場が抱えている課題やボトルネックを正確に把握し、決意表明の内容をどう具体化できるかを考えましょう。

3,具体的な行動計画を策定する 

●拠点や部署ごとの状況を踏まえ、現実的かつチャレンジングな計画に落とし込むことが大切です。

4,部下への指導・育成 

●組織全体を同じ方向に導くために、メンバーが目標を理解し、実践できるようにサポートします。

5,進捗管理 

●計画の進み具合や成果を定期的に確認し、必要に応じて修正しながらゴールに近づけていきます。

おわりに

新春(新年度)の決意表明は、ただのセレモニーではなく、組織全体が同じ目標に向かって進んでいくスタートダッシュの合図です。

「何を定着させるか」という視点を中心に、具体的な行動計画を立て、着実に実行に移すことで、決意表明は強力な経営ツールとして機能します。

昨年度の決意表明をしっかり振り返り、次のステップに活かすことで、組織はさらに飛躍できるはずです。

中小企業の経営者や幹部の皆様が、この新たな一年を有意義にスタートし、力強い発展を遂げられますよう、心よりお祈り申し上げます。

 

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