仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第301話 営業の考え方を定着させるために、やって欲しいこと
「考え方は大事ですよね、我が社でもリーダー以上には、考え方をしっかり持って仕事に取り組むように指示しています」
他界されましたが、稲盛さんが提唱した成果の方程式にも考え方が含まれているので、考え方が大事であるという経営者が多いように感じています。
参考までに稲盛さんが提唱した成果の方程式を以下に記します。
成果=考え方×熱意×能力
で、ここからが本題です。
考え方が大事であるということを認識している会社に対して、当社は、次の質問をしています。
「では、教えて欲しいのですが、貴社で大事にしている考え方はどのようなものでしょうか、それを知った上で、今後の取組みの提案をしたいからです」
と、伝えると、以下のような答えが返ってきます。
「考え方とは捉え方のことを言っています、捉え方という表現は難しいので、目的に置き換えて、目的意識を持つように指示しています」
「考え方とは、ズバリ、経営理念のことですよ、社員に経営理念を意識してもらうために、クレドを作成して、朝礼で唱和するようにしています」
「考え方とは、方向性のことですよ、拠点でいえば、拠点方針になりますね、リーダーであれば、目的地の旗振りを示すことになりますかね」
考え方の回答に正解・不正解はありません。その会社が定義した言葉が正解だからです。
ただ、この質問をして回答されたことに対して、当社では、2つの問題点を認識しています。
この問題点を解消しない限り、「考え方は大事である」という言葉はスローガンで終わることが目に見えているからです。
今回のコラム記事では、この2つの問題点について見ていきます。
一つ目は、リーダー以上の方が、考え方は何かを言語化できて、共通認識できているかです。
そう、共通認識です。
「考え方は大事である」という言葉は知っていても、それが、会社として、分かっているになっているかということです。
「知っている」が「分かっている」になっている状態です。
先ほども述べましたが、「知っている」が「分かっている」になるためには、共通認識できる「見える化」が必要になります。
「見える化」が難しければ、言語化でも良いので、まずは、「考え方は大事である」ことについて、共通認識ができているかを確認してみてください。
リーダー以上で、ここがバラバラの認識になっていれば、「考え方は大事である」は、聞こえの良い言葉だけのスローガンで終わる可能性が大です。
ふたつ目に入る前に、当社が挙げている考え方の言語化の例を紹介します。
しつこいですが、この考え方が正解・不正解を述べているのではなく、考え方を整理する際の着眼点になれば良いと感じ、公開することにしました。
ちなみに、当社主催のセミナーではここまで落とし込んだものは公開していませんでした。対話を通じないと誤解を生じる恐れがあるためです。よって、その点を理解していただきながら、確認していただければ幸いです。
当社では、考え方を以下の3つに分類しています。(これは、あくまでも当社が勝手に決めた基準です)
3つの詳細説明は省きますが、この3つの中では、2番目の言葉の定義を言語化することを勧めています。
では、言葉の定義をする前に、カテゴリーを3つに分けています。
そのカテゴリーが以下の図です。
成果と定着の効果が分かるようにしています。
この3つの中で、お勧めしているのが、営業マネジメントと営業活動の考え方の言語化です。
成果が高い、在り方は、あまり着手していません。(ベンチャー企業は在り方から入る場合もあります)
なぜなら、在り方は経営理念に近いカテゴリーだからです。ただ、誤解しないで欲しいのですが、経営理念の浸透が駄目であると言っているのではありません。
経営理念が浸透して、それが定着すれば最強です。そう、浸透と定着ができていればです。
ここからは、独り言です。
ある会社では、リーダー以上の役職に対して、経営理念の浸透を図るために、クレドを活用しておられました。
そこで、当社が、その会社のリーダー全員に紙を渡して、「1分以内に経営理念を書き出してください」と伝えました。
結果、10人中、正確に経営理念を書けた人は2人でした。ひどい人は、全く書けていません。中には、スマホで自社ウェブページを見てカンニングしている人もいました。
誤解のないように伝えますが、経営理念は覚えるものではありません。芯になっていなければいけないものです。軸ではなく、芯です。
芯には覚悟がいります。ここを本気で理解していないと、経営理念の浸透と定着には時間がかかります。そして、社会貢献という公の視座も必要になりますので、クレドを作ったら解決するという、一筋縄ではいくものではありません。
このことから、当社では、在り方よりも、営業マネジメントと営業活動の考え方を先に導入することを勧めています。(仕事に直結しているので考え方が軸になりやすいからです)
ちなみに、営業マネジメントと営業活動の考え方が軸になると、在り方の芯の部分が腹落ちするようになります。(軸と芯の違いについての説明は省きます)
しつこいですが、在り方が分かっている、知っているレベルでは、芯にはならないということです。
少し、話が脱線しすぎましたので、本題に戻します。
営業マネジメントと営業活動の考え方で言語化して欲しい項目の例を以下の図にまとめました。
この図までは、セミナーで公開していました。
長文ですが、今回はもう一歩踏み込みます。
営業マネジメントの項目を言語化した例です。
この図を公開すると、ある勘違いが起こります。この言語化したものを自分の会社でも活用すれば成果がでるのではないかという勘違いです。
確かに、「明確さは力なり」のひとつだけを営業マネジメントで浸透させ成果を出した会社も多くあります。
ただ、ここで押さえて欲しいのは、言語化した文章ではありません。上記図の赤字の項目の箇所になります。
そう、赤字の項目を何にするのかです。例として5つを挙げていますが、この5つが正解ではありません。(補足ですが、この項目を7つ以上にすると混乱が起きます。考え方を軸にすることが目的なので、まずは、5つ以下を推奨しています)
言いたいことは、自社の営業マネジメントで共通認識として、言葉の定義をしておきたい項目は何かを決めるということです。
この表現だけだと分かりにくいので、例として5つを図にまとめただけです。
そして、この項目は会社ごとに変わります。会社として共通認識しておきたい言語です。案外、ここが共通認識できていなくて、会議等でコミュニケーションギャップを起こしていたりします。
ちなみに、営業活動の考え方も図にしました。
しつこいですが、言語化した文章を見るのではありません。参考程度にしておいてください。
一番大事なのは、赤字の項目を何にするかです。分かりやすいように図にしているだけです。
ここまでが、考え方を「知っている」から「分かっている」の共通認識にするための作業です。
これだけの作業をすっ飛ばして、「考え方は大事である」という言葉遊びのスローガンを掲げているだけでは何も変わらないということを理解していただければ幸いです。
二つ目は、考え方が「分かっている」になれば「できている」にする必要があります。
「できている」とは、考え方が軸になっている状態です。
そう、軸です。
軸になるために必要な3つの手順があります。
この手順を図にまとめました。
ステップ1が一つ目で話した、言語化です。
ステップ2が体験になります。この体験が仕組みです。
今回紹介した考え方を体験する仕組みが以下の図になります。
これが考え方と仕組みの連動です。
考え方だけでも駄目だし、仕組みだけでも駄目なのは、理解できるでしょうか。
考え方と仕組みは連動して、考え方が軸になるということです。
あなたの会社では、考え方は、何を言語化していますか。そして、その言語化したものは、体験(仕組み)を通じて軸になっているでしょうか。
追伸1)ここからは、独り言です。営業リーダーが10人いて、10人とも共通認識した考え方が軸になるということは稀です。(当社の経験則上)
ただ、10人中3人、あるいは2人でも良いので、軸になる人ができあがり、その人が会議等で発言の影響力を持ちだすと、組織風土に変化が起こります。
よって、経営幹部は、この3人もしくは2人を会議の発言の場で影響力を持つように仕掛ける必要があります。
この3人もしくは2人が、会議で発言せずに寡黙になっていれば組織風土の変化に時間がかかります。なぜなら、考え方の横展開が進まないからです。
よって、この3人もしくは2人を誰にするのかの人選も経営幹部の大きな仕事かもしれません。
勤続年数及び営業成績だけで判断していれば、考え方の浸透による組織風土の変化のスピードは落ちるかもしれません。
考え方の浸透による組織風土の変化のスピードが速い会社は、この人選も素晴らしいと感じています。(これも当社の経験則での話です)
追伸2)考え方が浸透してくると、会議の雰囲気も変わってきます。「明確さは力なりやぞ」の掛け声で、その後は何をすべきか暗黙の了解で皆まで言わずに終わります。そして、考え方が浸透してくると、営業手法に正解・不正解を求めなくなってきます。
そう、どのような組織風土を作るかで勝負が決まるということが分かってくるからです。
でも、組織風土を変えるために居心地のよいスローガンだけを発していては何も変わらないということも認識する必要があります。
最近よく見る例は、「やり方よりも在り方が重要」という言葉だけ発信して、行動は何も変わっていない光景をよく見かけます。(研修の勉強会だけ一生懸命にして、知っていいるつもりのつもりで終わっているパターンです)
