仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第247話 営業の「仕掛ける仕事」が増えそうで増えない理由とは
「前回のコラムで、仕掛ける仕事は2割が理想と書かれていましたが、仕掛ける仕事は、新規開拓のことと捉えれば良いでしょうか」
前回のコラムを読まれた方からの質問です。
当社では、「仕掛ける仕事」を次のように定義しています。
需要がまだ見込めていない顧客から需要を創出する活動です。
そう、需要創出活動です。違う言葉で表現すると、需要を生み出すための種まき活動になります。
よって、当社のクライアントには、営業会議等で、今月の種まき活動はどのようなことをチャレンジしたかを確認させていただいています。
需要創出活動の「仕掛ける仕事」の実践度合いの確認になります。
よって、需要創出活動になりますので、新規開拓に限定はしていません。既存顧客にも需要創出活動があるからです。
このことから、当社では、増販・増客という切り口で、営業の仕組みを構築していただいています。
それと、仕掛ける仕事の2割という数字に拘りはありません。業種・業界・社風・創業年数等によって、割合は変わるからです。
BtoCの通販業界では、「仕掛ける仕事」の割合は8割以上であったりするからです。これは、ビジネスモデルの中身によって変わるからです。
まずは、自社が「仕掛ける仕事」が年間を通じて、何割になっているかを確認することをお勧めします。
年間が難しければ、単月でも構いません。単月といっても、ピンとこない場合は、一般の営業スタッフの1日の行動を日報で確認をしてみてください。
そうすると、「仕掛ける仕事」と「こなす仕事」の割合が、なんとなく理解できるかと思います。
まずは、現状確認です。現状が分からなければ、「仕掛ける仕事」を増やそうとしても、何を増やせば良いのか狙いが定まらず、結局は、あやふやなスローガンの言葉だけで終わってしまうからです。
ここまで大丈夫でしょうか。
今日のコラムも少しマニアックな内容を公開します。
その内容は、「仕掛ける仕事」を増やそうとしても、増えない2パターンの例です。
違う言葉に置き換えると、この2パターンの組織文化ができていれば、「色々なことに新しくチャレンジするぞ」と掛け声をかけても、スローガンで終わるからです。
そして、この2パターンは、当社が関わったクライアントの経験則に基づいて導き出したものです。
よって、机上論ではなく、このような例があるという視点で聞いていただければ嬉しいです。
もし、コラム読者の会社でもこのような傾向があれば、改善は可能になりますので、何らかのヒントになれば幸いです。
「仕掛ける仕事」を増やそうとしても、増えない2パターンの例を以下の図にまとめました。
なんとなく、言わんとすることは理解できるでしょうか。
ひとつ目は、全体の受注量が減っているのに、「こなす仕事」と「仕掛ける仕事」の割合が変わっていないということです。
こなす仕事の段取りが悪くなっているだけで、1社当たりの「こなす仕事」の時間が増えているだけです。
受注量が減れば、「仕掛ける仕事」は増えるはずですが、考えて行動することが面倒なため、従来の「こなす仕事」の時間をゆっくりするようになっているケースです。
でも、このことには気が付かず、表面的には忙しそうにしています。
ふたつ目は、「仕掛ける仕事」の代わりに、トラブル対応で時間を埋めているということです。
「仕掛ける仕事」ではなく、「トラブル対応」が重要な仕事であると認識をして、「トラブル対応」をしていれば、「仕掛ける仕事」をしなくても良いと勘違いをしているケースです。
では、このようなパターンにハマっていればどうすれば良いのでしょうか。
当社の答えは、「仕掛ける仕事」を実行できる仕組みを作るということです。
そう、仕組みです。
仕組みのない会社は、瞬間風速を吹かせるために、飴と鞭を使うか、経営者の大号令で瞬間的にひとつにまとめるということを行なっているように感じています。
ただ、これは悪いとは言いませんが、効果は瞬間風速になります。しかも、飴と鞭は、慣れが生じることから、最後は強烈な飴と鞭を使っても麻痺状態になって、組織は硬直化したままになっていたりします。
挙げ句の果ては、外部のしごき教室の研修に参加させてなんとかしようとしています。
仕組みは、瞬間風速ではなく、継続して実行できるものになります。
よって、社員数が増えれば、どのような仕組みを構築するかで成果が変わってくると言っても過言ではありません。
このことから、当社では、仕組みを作るときに、「仕掛ける仕事」をどのように継続させるかという着眼点も持ちながら仕組み構築をしています。
具体的な例で言えば、年間の増販・増客の施策や農耕型(種まき→育成→刈り取り)の営業等です。(文章量の都合上、2つだけをピックアップしています)
コラム読者のあなたの会社では、「仕掛ける仕事」は何に該当するでしょうか。
少し話は脱線しますが、大事なことなので補足をしておきます。
例えば、農耕型の営業の施策というと分かったような感じがします。
念のため、以下の図をみてください。
仕掛ける仕事は、能動的営業の「そのうち客」になります。
こなす仕事は、受動的営業の「今すぐ客」になります。
ここまで大丈夫でしょうか。
詳細は、省きますが、「そのうち客」と「今すぐ客」では、マネジメントのチェックポイントが異なります。(営業プロセスが異なるからです)
営業マネージャーが、既存の優良顧客だけの「今すぐ客」しか対応していなければ、「そのうち客」のマネジメントはできないということです。
なぜなら、マネジメントの手法が違うからです。でも、実態は掛け声だけの号令を発しています。
具体的には、アプローチリストを手渡して、見積もり獲得件数の数の管理だけのマネジメントをしています。
見積もり獲得件数が少ないと、根性論の叱咤激励か、飲み会等のモチベーションアップに明け暮れて、上司の威厳をなんとか保っています。
これが、仕組みがあるかないかの差になります。
仕組みがない状態=マネジメントがない状態です。
この状況で、「仕掛ける仕事」の号令を発しても、スローガンだけで終わるのは目に見えています。
また、これは当たり前すぎてコラムには敢えて、書いていないのですが、「仕掛ける仕事」は、考えれば色々なパターンが出てきます。
具体的には、営業スタッフ以外の方にも協力をお願いするパターン等です。
製造メーカでは、5年前には当たり前になってしまいましたが、修理・サービス等のメンテナンス担当は、セールスエンジニアという名称に変わっています。(昔の宅配便のコマーシャルであった、セールスドライバーです)
ただ、当社が定義しているセールスエンジニアは、販売目標の数値責任を持っているというものではありません。
セールススタッフの援助職という定義です。文面が長くなりましたので、結論だけ言えば、顧客情報収集や種まき営業の前振り等をメンテナンス後に行うということです。
拠点経営されている会社であれば、理解できると思いますが、修理だけのサービススタッフか、セールススタッフの援助職ができるセールスエンジニアかで拠点の売上が大きく変わるということです。
このことから、製造メーカでは、5年前から営業職よりもメンテナンス職の方が花形の職種に変わりつつあります。
中堅企業であれば、メンテナンス職の責任者には、職人タイプではなく、マネジメントができる優秀な方を配属するようになっています。
脱線ついでに、もうひとつ。
事務職の方も援助職で活躍することができます。
結論だけ言えば、「インサイドセールス」です。顧客情報収集をもとに見込み客の優先順位を判断し、セールススタッフに引き渡すという役割です。(増販・増客の間接営業の役割です)
「インサイドセールス」というと、難しく聞こえますが、日本の昔からやっている手法で言えば、「全員営業」です。
特にこのコロナ禍であれば、「全員営業」、「セールスエンジニア」の「仕掛ける仕事」が仕組み化できている会社は、良い成績のように感じています。
これは、手法の勝利ではなく、会社がひとつの方向性にまとまっている勝利と言っても良いでしょう。
また、違う言葉で表現すると、会社がひとつの方向性にまとまりやすくするのが仕組みになります。
今日のコラムも取り留めない話になりましたが、あなたの会社では、「仕掛ける仕事」が定着する仕組みは持っているでしょうか。
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