仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第392話 経営者が実践すべきコントロールできる要素を最大限活かし、組織文化を強化して売上を伸ばす具体策
はじめに
多くの中小企業の経営者の皆さんは、コンサルタント導入によって大きな成果を期待されることでしょう。
しかし、実際には期待通りの成果が得られず、「結局、コンサルタントを雇ってもあまり変わらなかった」と感じるケースも少なくありません。
その原因の大半は、コンサルタントに依存しすぎたり、自社の課題に対する取り組みが不十分だったりすることにあります。
コンサルタントをうまく活用して組織の成長につなげるためには、経営者自身の“考え方”が大きく影響すると言えます。
「原因と結果の法則」を正しく理解する
まず押さえておきたいのは、「原因と結果の法則」です。
たとえば、営業の仕組みを作るという“原因”があれば、売上アップという“結果”が自然に生まれる…と考えがちになります。
しかし、実際はそんなに単純ではありません。
原因から結果が生まれるまでには、試行錯誤を重ねる“推進力”が必要で、その中には「コントロールできること」と「コントロールできないこと」が存在するからです。
●コントロールできること:自社の努力や工夫で変えられるもの
●コントロールできないこと:自分たちの力ではどうにもならない外部要因
たとえばゴルフで考えてみてください。
高額なゴルフクラブを買い、専属コーチをつけて練習(コントロールできること)を徹底しても、当日のゴルフ場で予測不可能な強風が吹いたら(コントロールできないこと)、想定どおりのスコアを残せないことがあります。
だからといって、「どうせ結果がわからないから何もしない」では何も始まりません。
むしろ「結果がわからないからこそ、まずはどんな原因を作るかを考え、そしてコントロールできることを地道に続ける」という姿勢が重要になります。
これは企業文化として根付かせるべき考え方でもあります。
「人事を尽くして天命を待つ」という言葉がありますが、
コントロールできることをやり尽くした会社は「天命(コントロールできないこと)」を素直に受け入れられます。
一方、中途半端な会社は外部要因(天命)に振り回されてしまいがちで、うまくいかない理由を他者に転嫁する傾向が強くなるのです。
「場づくり」の大切さ
コントロールできることをやり切るためには、「考えて行動する場づくり」が欠かせません。
これは、設定した原因をどう実現するかという試行錯誤のアイデアや具体的な取り組み項目を生み出すための“雰囲気作り”とも言えます。
「ああしよう、こうしよう」とポジティブな議論が自然と沸き起こる環境が理想です。
逆に、「やっても無理だよ」「取りあえず形だけやったふりしておこう」といった声が出るような社内では、いくら優れたコンサルタントや営業管理システムを導入しても成果につながらないでしょう。
こうした状態だと、どれだけ素晴らしい仕組みやノウハウがあっても、その“場”が活かされず形だけで終わってしまうのです。
コンサルタントへの過度な期待は禁物
「社員が能動的に動かないから、コンサルタントに任せてしまえば社員が自立するようになる」と期待するのは危険です。
確かに、コンサルタントが経営者に代わって社員へ厳しいアドバイスをしてくれると、一時的には社長の気分が晴れるかもしれません。
しかし、社員の立場からすれば「コンサルタントの言っている内容は理解できるけれど、自分たちの現状を本当にわかっているの?」と感じ、「とりあえず形だけやったふりをするか」と考える可能性が高くなります。
こうして“やったふり”の状態でプロジェクトが進んだ結果、一時的に少し数字が動いても、プロジェクトが終わればすぐに元の状態に戻ってしまうことも多いでしょう。
それで経営者は新たなコンサルタントを探し、また同じことの繰り返し……という堂々巡りに陥るのです。
「コントロールできること」を自社で作る意志
最も大切なのは、「コントロールできることを自分たちで作る」という強い意志です。
ここを他人任せにしたり、形だけ取り繕ったりすると、何をやってもうまくいかない“空回り”の状態に陥ります。
さらに、中途半端なまま新しいことを始めても同じ失敗が繰り返され、「何をやってもどうせ上手くいかない」という組織文化が定着してしまうのです。
その一方で、「コントロールできることは自力で作り出し、それを徹底まで持っていく」と決めている会社は、必要なノウハウを外部から“購入”する考え方を持っています。
コンサルタントの持つ知見や手法を買うのではなく、自分たちのトライ&エラーにかかる時間を短縮するために投資するのです。
この発想の転換があるかどうかが、コンサルタントを“便利なツール”以上の存在として使いこなせるかどうかを左右します。
40点主義でもやり切る
「自分たちで作る意志」を行動に移す際、100点の完璧さを追い求めるより、まずは“40点主義”でも粘り強くやり切ることが重要です。
やり切ることで初めて次の「課題」や「改善点」がリアルに見えてきます。その積み重ねが、会社や組織を着実に成長させ、さらなるチャレンジ精神をはぐくむのです。
チャレンジ精神を育む組織文化
「チャレンジ精神を持つ組織文化」をつくり上げた会社は最強です。
何に取り組むかよりも、どんな“コントロールできること”にチャレンジしているかが重要になります。
そのためにも、前述の「考えて行動する場づくり」が欠かせません。
新しいアイデアに挑戦できる“場”があれば、たとえ結果が思うように出なくても、次のチャレンジへと自然に意欲が湧いてきます。
仕事を楽しむことイコール“楽をする”ことではありません。
チャレンジには多少の苦労がつきものですが、チャレンジを繰り返す組織はその経験を糧にさらに成長していきます。
大きなチャレンジでなくても構いません。日々の小さな工夫を積み重ねることが、結果として強い組織風土を作り上げるのです。
コンサルタント選定のポイント
では、コンサルタントを選定する際には何を重視すればいいのでしょうか。
ポイントは以下の二つに絞られます。
1) 営業の仕組み構築を実施する“目的”が明確になっているか
●目先の売上アップや社員の管理だけが目的であれば、コンサルタントとの方向性がかみ合わない場合があります。
まずは自社の目的とコンサルタントの方針が近い形で合致するかどうかを確認しましょう。
2) 自分たちが営業の仕組みを構築し、運用するという“腹決め”ができているか
●コンサルタントに全てを丸投げせず、自社が主役であるという意識を強く持つことが求められます。
この二点を理解したうえでコンサルタントを活用できる会社は、コンサルタントを“先生”ではなく“時間短縮のアドバイザー”として見ます。
クライアントとコンサルタントは対等であるべきで、「頭をフル活用して知恵を出し合う相互扶助の関係」が、理想的なコンサルタント活用の姿と言えるのです。
「場の力」を引き出す
最後に、「場の力」を理解することも重要です。
これは自社の頭脳とコンサルタントの知恵を掛け合わせ、相乗効果を生み出す働きのことです。
プロジェクトに主体的に取り組む姿勢が双方にあれば、対話や議論から得られるアイデアは飛躍的に増えます。
逆に、どちらか一方が依存しているような状態では、場の力は十分に発揮されません。
この場の力をしっかりと理解している経営者は、コンサルタントに頼らなくても社内で似たような“場”を作り上げる工夫を始めています。
そこではチーム全員が試行錯誤を楽しみ、多様な視点から課題に向き合うことで、目に見える成果と組織の活性化を同時に達成しているのです。
まとめ
コンサルタントを上手に活用するためには、経営者自身が「原因と結果の法則」をしっかり理解し、“コントロールできること”を探求し、やり切る覚悟を持つことが不可欠です。
そして、その覚悟を実現するための「考えて行動する場づくり」は、組織のカルチャーそのものと密接に関わっています。
コンサルタントは、あくまでも時間短縮や発想の拡張を助けてくれる存在。
ゴールは依存することではなく、互いに知恵を持ち寄る“パートナー”として組織をさらに成長させることです。
どうでしょうか。経営者や管理者の皆さんにとって、自社の課題に対する向き合い方やコンサルタントとの付き合い方について、新たに気づくきっかけになれば幸いです。
もし「コンサルタントを導入したのに成果が出ない」という声が社内で聞こえてきたら、今回のポイントを振り返り、自社の“コントロールできること”を見直してみるとよいでしょう。そこには、次の成長の種が必ずあります。
