仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第241話 増販計画を新年度の2ヶ月前に作成する本当の意味とは
「年間の増販計画を作る目的は、前もって売りを読むことだけではないですよね」
当社のコンサルティングを受けているクライアントの経営者が、238話(2月24日)のコラムを読まれて発せられた言葉です。
この言葉をいただいた時に、「どのようにするのか」ではなく、「なぜするのか」という目的思考に変わっていたことに、嬉しさを感じていました。
多くの会社では、「なぜするのか」という目的思考が経営幹部の方に乏しく、「何をすれば良いのか」という流行りの手法論ばかりに注目して、中途半端な推進を繰り返しているからです。
この中途半端が成果を生み出せない最大の理由になっていたりします。
話が脱線しそうなので、本題に戻します。
誤解のないようにお伝えすれば、増販計画の作成の目的は、企業ごとに異なっていて良いと当社では考えています。
ただ、当社が増販計画の作成で大事にしている目的と、この経営者が発せられた目的が一致していたので、コラムで公開することにしました。
実は、この目的は、コラム文章にすると当社のコンサルティングを経験していない方には理解ができないと考えていたので、封印していました。
ただ、出来ている会社からすれば当たり前のことになるのですが、増販計画と連動して、これから述べる目的と連動してできている会社は少なかったように感じています。
なぜなら、増販計画でさえ、単なる数値目標の設定だけで終わっている会社が多かったからです。
では、当社が増販計画を作成する際に大事にしている目的を述べます。
目的は、「戦略立案も同時に行う」です。
ここ大事なので、もう一度、繰り返します。
「戦略立案も同時に行う」です。
そう、増販計画を立案しながら、「戦略立案も同時に行う」ということです。
「戦略立案も同時に行う」という言葉だけだと、曖昧な表現で終わるので、もう少し深掘りしていきます。
本気で、増販計画の立案をしていると色々なことが見えてきます。
増販計画を単なる数値計画だけで終わっている会社は、この色々なことが見えてきません。
実は、この色々なことが見えてくるか見えてこないかが、成果が出るか出ないかの別れ道のひとつであると感じています。
これが、「前もって売りを読む」という言葉の真意です。
「前もって売りを読む」というのは、年間の増販計画を立てる時に、色々なことが見えるか見えないかの差であるということです。
なんとなく、言わんとすることは理解できるでしょうか。
ひとつ簡単な具体例を紹介します。
年間の増販計画を立案している時に見えてくるのが、製品戦略です。
詳細は、割愛しますが、今後の増販に向けて、製品のバージョンアップを行うのか、新製品をどのタイミングで投入するのか、提供価値の見直しを行うのか等です。
製品戦略において、売上アップで一番簡単な方法は、提供価値の見直しです。既存製品で売上を上げることができるからです。
ただ、プロダクトライフサイクルの衰退期の製品であれば、提供価値をいくら見直しても効果は出ません。
スマホの時代に、ポケベルを一生懸命に売ろうとしているようなものだからです。(超ニッチに絞れば需要はあるかもしれませんが、売上の規模はしれています)
製品戦略が終われば、次は、業界攻略戦略とエリア攻略戦略です。
どの業界のどの顧客規模でどれだけのシェアを獲得していくかということです。拠点経営している会社は、エリア戦略も行います。
当然、エリア戦略を行う会社は、拠点毎に製品戦略と業界攻略戦略が異なる場合もあります。
この結果、拠点ごとに拠点方針と戦略が必要になってきます。
詳細は守秘義務があるので語れませんが、ある会社は、業界を変えるだけで売上を倍増されました。
当然、業界を変えるので、今までのアプローチのコネはありません。
でも、やった方法はシンプルです。
銀行の紹介のコネのルートを使って、その業界の実績事例を作って、後は、商社も活用して横展開を行なっただけです。
当然、自社で営業開拓を初め行ったので、その営業ノウハウや営業ツールを商社に渡していたので、上手くいきました。
多分、自社で顧客開拓をせずに、商社に製品説明をして、製品カタログだけ渡していれば上手くいっていなかったでしょう。(商社活用は同行営業を入り口に組み立てるのがポイントです)
もうひとつ事例を追加します。
製品戦略、業界戦略、エリア戦略が終われば、人材育成戦略になります。
どれだけの能力を持った人材をどのような方法で育成するのかです。
基本は、外部の教育機関を使うのではなく、社内教育で行います。(外部はうまく使わないと教育はその場のやったつもりで終わるからです)
ある会社では、利益率の高い主力製品を通じて、中規模以上の顧客開拓の戦略が設定されました。
しかし、ある拠点の拠点長の人材育成戦略は、第2新卒の中途採用に力を入れていました。
中規模以上の顧客開拓をするには、ある一定の営業経験値が必要になることから、第2新卒の中途採用では戦力にはなりません。
まだ、1年である程度の戦力になる教育プログラムがあれば良いのですが、現実は1年で70%の方が辞めていました、3年では90%の方が辞めていました。
詳細を聞くと、その拠点長は、第2新卒の教育プログラムは持っているようで持っておらず、訪問する顧客リストだけを手渡して、後は結果の管理だけの叱咤激励を行なっていました。
いっこうに契約率がアップしない第2新卒を見て、経営者に対して、もっと元気のある活きの良い人材を採用して欲しいと懇願されていました。(断られてもへこたれない、ハートの強い人材が良い人材であると思っていたからです)
第2新卒の方も、初めはやる気はあるので、新規開拓は真面目にされていました。
ただ、業界の経験値が乏しいのと、教育プログラムがあるようでなかったため、現実は、小規模の顧客に利益率が低い売りやすい製品のみの販売で終わっていました。
顧客開拓戦略の中規模以上の顧客開拓とはかけ離れた行動になっていました。
また、これは、後で分かったことですが、その拠点長が第2新卒の中途採用にこだわっていたのは、若手であれば自分のいうことを素直に聞いてくれるからというだけでした。
戦略を推進するための採用ではなく、自分の言うことを聞いてくれる人材の採用になっていました。(違う言葉で表現すると、訪問リストを渡すだけの曖昧な指導でも何も言わない人材です)
戦略と全く異なった行動です。
これは補足になりますが、人材育成戦略が終われば、年間の販売促進の施策になります。当社のコンサルティングにおいては、増販増客の施策づくりに該当します。
当社のコンサルページには、年間の増販計画の次に増販増客の施策と簡略して書いていますが、現実は、年間の増販計画を作っていく際に、様々な戦略も同時に立案しています。(どのような戦略を立案するのかは企業ごとに異なります)
この戦略の立案が3ヵ年の長期視点から見れば、結構、肝になってきたりします。
そして、戦略ができてくれば、これを会社方針(拠点があるところは、拠点方針)に言語化を行い、それを実践できる仕組みの見直しを行います。
このことから、年度始めの2ヶ月前には増販計画の立案に取り組んでいただくようにしています。(4月が年度始めの会社は2月です)
そうすると、年度始めには戦略が上辺の数値だけのものではなく、具体的なものになり行動とリンクしやすくなるからです。
そう、当社のコラムにも何度も登場した考え方の、「明確さは力なり」です。
もし、あなたの会社がこの4月から新年度を迎えるのであれば、どのような戦略を立案しているでしょうか。
その戦略は、言語化してシナリオとして語ることはできるでしょうか。
また、戦略は仕組みとして運用できる形になっているでしょうか。
単なる数値目標だけを設定し、気合と根性だけの精神論では、好景気ではない今は乗り切れないように感じています。
追伸)製品戦略等の戦略を構築する時に必須になってくるのが、顧客情報管理と行動管理の情報になります。
これらの情報を活用しての製品戦略等の戦略を構築しているかいないかで大きな差になります。
特に顧客情報管理が機能していない製品戦略の新商品開発は単なる空回りで終わってしまう危険性が高いからです。
それと、最後の補足ですが、コロナ渦の戦略として、競争戦略よりも共創戦略にシフトしているように肌感覚で感じています。
年間の増販計画を本気で作られている会社は、競争戦略よりも共創戦略にシフトする方が早道だと気付かれているようです。
このコラムでは、共創戦略については、語りませんが、ひとつの着眼点として持っていただければ幸いです。
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