「営業の成約達人」を生み出す仕組みの作り方

代表 乾切抜き 仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第417話 短期と長期の視点をバランスよく取り入れ、営業マニュアルの凡事徹底で売上アップを実現する方法

はじめに

「売上アップに一番良い取り組み方法は何なのだろう?」と、日頃から思い悩んでいらっしゃいませんか。

企業にとって売上向上は、成長と存続の要(かなめ)ともいえる最重要課題の一つです。

しかし、いざ「どんな方法が効果的なのか」を探ろうとしても、情報が多すぎるうえに、自社に合う方法の見極めは決して簡単ではありません。

そんななか、多くの経営者の方々からいただく質問が「短期的に売上を伸ばすために意識してやることとは? そして、長期的に売上を伸ばすために意識してやることとは?」です。

ところが、その質問に対する答えとしてしばしば耳にするのが、「短期と長期を連動させるということは、考えたことがない」という声があります。

実は、売上を継続的に伸ばそうとするのであれば、“短期的視点”と“長期的視点”の両方をバランス良く持つことが重要なのです。

本記事では、中小企業が売上を絶やさず伸ばしていくうえで欠かせない、短期的視点と長期的視点の具体的な考え方、および実践のポイントについて解説します。

もし、現在のやり方に行き詰まりを感じているようであれば、ぜひ参考にしてみてください。

短期的視点と長期的視点がなぜ必要なのか

売上向上には、目先の売上を確保する“短期的視点”と、組織全体を育てて将来的な成果を生む“長期的視点”の両方が大切です。

どちらかに偏りすぎると、一時的な売上増はあっても、その後の変化に対応できずに失速してしまったり、外部のコンサルタントに頼りきりになってしまったりするリスクがあります。

短期的視点では、現在の行動を目標達成に近づけるための営業活動を仕掛け、それを習慣に落とし込むことがポイントです。

一方、長期的視点では、自ら考え、行動できる“自立型人材”を育成し、組織としての地力(ちりき)を高めていくことが求められます。

短期的視点:営業の仕掛けと習慣化

短期的な視点においては、「営業の仕掛け」と「習慣化」がキーワードになります。

たとえば、新規顧客の開拓施策や既存顧客への追加提案をどのように行うか、具体的かつ実行可能な形で設計し、それを毎週あるいは毎日の業務のなかに組み込んでいきます。

1. 増販増客の施策シート 

どの顧客にいつ何を提案するかなど、具体的なアクションを整理したものです。施策シートがあれば、それぞれのアクションを「誰が、いつまでに、どのように実行するか」を明確にできます。

2. フィードバックシステム 

実行した施策に対して、結果の振り返りを行う仕組みです。どの程度効果があったのか、次にどのように改善すべきかなど、定期的なフィードバックを繰り返すことで、行動が自然と習慣になっていきます。

短期的視点を持たずに営業活動を続けると、場当たり的な対応ばかりになりがちです。

最新の営業手法に手を出してはすぐにやめる、ということを繰り返してしまう恐れもあります。

そうならないためにも、「仕掛けから習慣へ」という流れを意識して取り組みましょう。

長期的視点:自立型人材の育成

長期的な視点で欠かせないのは、“自立型人材”の育成です。自立型人材とは、指示待ちではなく、自ら考え、判断し、動いていける人材のことを言います。

たとえば、市場環境が変わった場合でも、自ら新しいアプローチを模索し、社内で積極的に意見交換をしながら行動に移す力を持っています。

このような人材が増えると、組織全体が変化に強くなり、イノベーションも起こりやすくなります。

しかし、研修などを行って知識を得たとしても、実務で行動に移せないケースが多いのも現実です。

いわゆる「分かったつもり」でも、経営幹部や管理者の軸がしっかりしていないと、実践に結びつかないまま終わることが少なくありません。

だからこそ、経営者や管理者は、知識を行動につなげられる環境を整えながら、日常業務のなかで“考えさせ、やらせ、振り返りをさせる”機会を意図的につくっていく必要があります。

短期的視点と長期的視点の両立が生む、持続的な売上向上

ここまでご紹介した短期的視点と長期的視点の取り組みは、どちらか一歩に偏ると本来の効果を得にくくなります。

たとえば、短期的視点ばかりでは、確かに目標は達成しやすいものの、組織全体の対応力や人材力が育ちにくく、外部のサポートがなければ成果を維持できない状況になるかもしれません。

また、長期的視点のみを重視して教育にばかり注力すると、足元の売上が伸び悩んでしまう恐れもあるでしょう。

そこで、短期的な成果を上げつつ、同時に長期的な成長の基盤を整えていくことが肝心です。

営業現場での行動と教育の仕組みを連動させていけば、組織全体が着実に成長し、結果として持続的な売上向上が望めるようになります。

年間営業目標の振り返りで重要な“凡事徹底”

もう一つ意識したいのが、年間営業目標の振り返り時に「単に売上数値を見るだけで終わっていないか」という点です。

売上数字の良し悪しだけでなく、営業マニュアル(営業の仕組み)がどの程度実践できているかを評価することが欠かせません。

【凡事徹底の具体例 】
●「分かっている」ことが「出来ている」になっているかをチェックする 
●「出来ている」項目はさらにレベルアップを目指して取り組む

営業マニュアルは一度作れば終わりではなく、ISO9000の品質マニュアルのように絶えず更新とレベルアップを続けるものです。

最新のマーケティングノウハウを導入するのも良いですが、まずは基本をしっかりやり遂げる“凡事徹底”が、組織全体を強くすると理解しておきましょう。

この“凡事徹底”が当たり前のようにできる会社は、新しいチャレンジに対しても「やり切る」力があります。

逆に、凡事徹底ができていない会社は、いろいろな施策を試しては途中で諦め、ノウハウが蓄積されないまま一年を終えてしまいがちです。

 ノウハウ蓄積と属人化の防止

「やり切った」という経験がなければ、営業ノウハウは属人的になりやすく、組織としての資産が残りません。

そうならないためには、営業活動の仕組みを整備し、マニュアルに落とし込んで見える化し、定期的に振り返る仕組みを持つことが大切です。

たとえば、半期や1年後に「どの項目が理想通りにできているか」「どの項目はまだ不十分か」を明確にし、それぞれ改善策を話し合う機会を設けましょう。

経営者や管理者は、その振り返りの場で「自分たちのノウハウがどれだけ溜まっているか」を必ず確認するようにし、足りない部分を補うための施策を検討します。

ここを徹底すれば、「分かっている」つもりが「実際はできていない」という状態を防ぐことができ、組織全体の営業力を底上げできます。

まとめ

中小企業が売上を向上させるためには、短期的視点と長期的視点をバランス良く取り入れる必要があります。

まずは営業の仕掛けを行い、行動を習慣化して即効性のある成果を上げることです。

そして、同時に自立型人材を育成し、組織の底力を鍛えていくことが大切です。

【 改めて押さえたいポイント 】
●短期的視点:営業の仕掛けと行動習慣化 
●長期的視点:自立型人材の育成 

さらに、年間営業目標の振り返りを行う際には、営業マニュアル(営業の仕組み)の実践度合いを評価し、“凡事徹底”を心がけることが、持続的な売上アップへの近道と言えます。

新しい手法やノウハウを追いかけることも大事ですが、基本を常にやり切る力を組織に根付かせることで、どんな環境の変化にも対応できる強いチームをつくりあげることができるでしょう。

本記事が、中小企業の経営者や管理者の皆様にとって、売上向上のヒントや気づきを得るきっかけになれば幸いです。

短期と長期、両方の視点を見据えながら、新たな取り組みにチャレンジしてみてください。必ずや次のステージへの道が開けることでしょう。

 

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