仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第412話 「計測可能な目標設定」✕「こだわりの意志決定」で実現!中小企業を強くする属人的営業からの脱却
はじめに
本日は、「営業の成約達人」を生み出す仕組みをテーマに、中小企業が持続的な成長を実現するための“軸づくり”と“仕組みづくり”について、少し深掘りしてお伝えしていきたいと思います。
経営者や管理者の皆さまが「なるほど、こういう視点があったのか」と気づきを得られるような流れでまとめてみました。
ぜひ、ご自身の会社の状況に照らし合わせながら読んでみてください。
営業年度方針の立案:計測可能な改善を
まず、多くの経営者の方からよくいただく質問の一つに「営業の年度方針はどのように立案すれば良いのか?」というものがあります。
その問いに対する基本的な答えは、「何でも良い」というシンプルな原則ですが、もう少し踏み込んで、より効果的な方針を立てるためのポイントを2つご紹介します。
1)「計測できるものは改善できる」という考え方
実際の経営現場では、「なんとなくの目標」や「数字が伴わない目標設定」に終始してしまうことが少なくありません。
ですが、数値目標など計測が可能な指標を設定し、定期的に進捗をチェックしてこそ、組織として具体的な改善ができます。
たとえば、売上目標、新規顧客獲得数、顧客単価など、シンプルな要素ほど動かしやすく、継続的にフォローもしやすいでしょう。
2)狭義の営業戦略に該当する項目を優先的に立案
狭義の営業戦略とは、年間目標を達成するための「誰に」「何を」「どのように」をまとめたシナリオのことです。
特に重要なのは、「誰に」と「何を」の部分。ここが曖昧だと、営業活動にぶれが生じやすくなります。
【参考例1:顧客ランクAの新規開拓】
顧客ランクAの占める割合を現状の10%から15%にアップさせるといった目標を立てるなら、主力製品の優位性がより発揮できる特定業界に照準を合わせるのがおすすめです。
具体的には、新規顧客10社の獲得を狙うために、見積もり依頼30社、アプローチリスト90社を設定するなど、逆算で取り組むと効果的です。
【参考例2:顧客単価の向上】
顧客ランクA・Bにおける1社あたりの平均取引単価を30%アップさせるために、現在2品目しか取り扱っていない顧客に対して4品目の取り扱いを促す施策も有効です。
その際、キャンペーン企画や重点的な販促活動を展開し、顧客との接触回数を増やすことで認知を深める、といったプロセスを作りこむと、より成果が得やすくなります。
年間拠点経営における4つの着眼点:目標必達の設計図
年間拠点経営を考えるうえで欠かせないのが、次の4つの着眼点です。
1) 目標必達のための設計図づくり
2) 進捗確認
3) 成功事例の横展開
4) 事実データの重視
この中でも特に重要なのが「目標必達のための設計図づくり」。これは、「仕掛ける仕事」の仕組みを社内にきちんと根づかせることを意味します。
たとえば、「当社にとっての“仕掛ける仕事”とはどのようなプロセスか?」「どんなお客様にアプローチし、その際にどんなデータをどう活用するか?」といった観点を明確にしていくことが大切です。
実際の取り組みとしては、アプローチ顧客リストや顧客情報、競合情報、行動管理情報などの“事実データ”をもとに仮説を構築し、「では、次にどのようなアクションを取ればよいか?」をチームで検討します。
そのうえで進捗をこまめにチェックし、成功事例を横展開していくことで、組織全体のレベルアップが期待できます。
参考までに、目標必達のための設計図づくりの概念図を以下に記しておきます。
属人的営業からの脱却:経営の軸と仕組み
「属人的営業を脱却するには“誰でも成約達人”の仕組み構築が近道でしょうか?」という質問は多いのですが、当社では「NO」と答えています。
なぜなら、まず大事なのは「経営者自身の軸を持つこと」だからです。
この“軸”があれば、どのような選択をしてもブレにくく、組織全体に一貫性が生まれます。
たとえば環境変化に対応できる体制を築くことを軸とするなら、「考えて行動できる人材」の育成に力を入れるべきでしょう。
その仕組みとして「誰でも成約達人」のような体系化された営業プロセスを活用するのは有効な選択肢の一つです。
さらに、経営者が軸を持つことで企業風土も形作られます。
「自らの人生において後悔しない選択をする」という視点を大事にすれば、迷いが生じた際も、他責に陥らずに軸を調整しながら前に進めます。
また、コンサルタントを活用するのも一つの手ですが、「自分たちで取り組むよりも短期間で成果を出せるかどうか」という“時間価値”を重視するのがポイントです。
ノウハウを一から学ぶより、時間を買う感覚で外部の助けを借りることが、経営者にとっては大きなメリットになり得ます。
「意思を立てる」ことの重要性:成長の原動力
拠点経営において、営業戦略の立案はもちろん重要ですが、それよりも「意思を立てる」ことが鍵を握る場合が多々あります。
ここで言う「意思を立てる」とは、「いつまでに、何を、どのように実現するのか」を明確にし、それをチーム全体で共有することです。
しかし、経営者がどんなに素晴らしい戦略を描いても、現場の担当者が「やろう!」と本気で思わなければ成果は出ません。
いわゆる「やらされ感」が強い状態では、どれだけ洗練された戦略も絵に描いた餅になりがちです。
そうならないためにも、自立型人材を育成し、一人ひとりが自分事として受け止められる“意思”を持つことが不可欠です。
具体的には、次の3つの要素を考慮して意思を立てることが推奨されます。
1) 考え方(仕事をする上で大事にしている信条)
2) 営業戦略
3) 営業戦術
これらを自分のこだわりとして捉えられるかどうかが、チームの成長にも直結します。
こだわりがあれば、振り返り=改善も自然に行われ、やがて企業全体が底上げされるのです。
「目標数値を掲げて、訪問リストをポンと渡すだけ」というやり方では、真のコミットメントは得にくいでしょう。
「こだわり」と「関わり」を同時に機能させることこそが、スローガンにとどまらない実践力につながります。
まとめ:軸づくりと仕組みづくりで中小企業を強くする
以上のように、中小企業が持続的に成長していくためには、まず経営者自身の“軸”を明確にし、それを具現化する“仕組み”を作り上げることが欠かせません。
計測可能な目標設定や、目標必達のための設計図づくり、そして「いつまでに、何を、どのように実現するのか」という明確な意思をチーム全体で共有することがポイントです。
これらを実践していく過程で、社員一人ひとりが主体的に考え、行動し、結果として「営業の成約達人」が自然と育っていく組織へと変革していくことでしょう。
変化の激しい時代において、ブレない軸を持ちながらも柔軟に仕組みを更新する企業こそが、今後ますます求められていくはずです。
本記事が、皆さまの会社が一段高いステージへ飛躍するためのヒントや気づきとなれば幸いです。
まずはできるところから、少しずつ取り組んでみてはいかがでしょうか。
そこから生まれる小さな成功体験が、やがては全社の大きな成長とつながっていくはずです。ぜひ、自社の新たな可能性を切り拓いてみましょう。
