仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第406話 戦略と戦術を同時進行して、チーム戦闘力を大幅アップ!中小企業が成果を掴むための営業成功ガイド
はじめに
「営業戦略」と「営業戦術」という言葉を耳にすると、皆さんはどのように感じられるでしょうか。
重要性はよく分かっていても、「具体的に何から取り組めば良いのか分からない」「言葉だけが先行していて、実際の現場に落とし込めていない」という悩みを抱えている経営者の方も少なくないのではないでしょうか。
この記事では、中小企業が営業で成果を出すために、戦略と戦術をどのように捉え、どのような順番で取り組むべきかについて、事例を交えながら分かりやすく解説します。
経営者や管理者に向けて、日々の業務を見直すヒントになれば幸いです。
営業戦略・戦術の同時推進とは?
まずは、「営業戦略」と「営業戦術」の違い、そしてそれらを同時に推進する意味を、全社的に共通認識として持つことが大切です。
1)営業戦略:
年間売上目標を達成するためのシナリオ作り、いわば「仕掛け作り」です。
どの市場で、どのような顧客層に、どんな価値を提供するのかを明確にします。
2)営業戦術:
戦略(シナリオ)を実現するための具体的手段、いわゆる「取り組み」です。
営業トークの内容や進め方、営業ツールの導入など、現場で行う活動そのものと考えてください。
この戦略と戦術は、まさに車の両輪のような関係です。仮に戦略がなければ、いくら戦術を強化しても単発的な成果しか得られず、逆に戦術が伴わなければ、どれだけ優れた戦略を描いても「絵に描いた餅」に終わってしまいます。
多くの企業が陥る間違い
多くの企業では、比較的取り組みやすい「戦術」から着手しがちです。
例えば、営業トークを細かく調整したり、魅力的な動画やパンフレットなどの営業ツールを刷新したりするケースがよく見られます。
もちろん、これらの取り組み自体が無意味というわけではありません。
しかし、明確な戦略がないまま、細かな戦術だけを強化しても、期待する成果には結びつきにくいのが実情です。
たとえるなら、目的地を決めずに高性能な車だけを用意しても、どこにもたどり着けないのと同じことです。
方向性が定まっていない状態で、いくら優れた武器(営業ツール)や作戦(営業トーク)を使っても成果は出にくいでしょう。
また、戦略や担当者の基礎力が定まっていない段階で、チームとしての戦闘力を高めようと管理システムを導入してしまうと、「形だけの管理」に陥りがちです。
「本末転倒」とはいえ、現場にはありがちな話なので、あらためて注意したいところです。
成果を出すための正しい順番
では、実際にはどのような順番で取り組むのが効果的なのでしょうか。
山岳地帯で道路を作るプロジェクトを例に考える方法を紹介していきます。
厳しい地形の中で道路を建設するには、地形の把握から重機の活用、進捗管理などを一貫して考える必要があるのと同様に、営業においても上位の概念から下位の概念へと段階的に進めることが重要です。
1) 方向性を決める(営業戦略)
●年度方針や営業戦略を策定し、「自社はどのような会社でありたいか」を言語化して、経営幹部で共通認識を持ちます。
●ここでは責任者の視座(視座・視点・視野)が特に重要です。高い視座を持つことで、会社全体の方向性を正しく示すことができます。
2) チーム戦闘力を高める(営業マネジメント)
●営業マネジメント力を高め、組織としての営業力を底上げします。
営業の進捗管理やフィードバックの仕組みを整え、属人的な営業からの脱却を目指します。
3) 個人の戦闘力を高める(営業担当者の育成)
●営業担当者一人ひとりの基礎力や思考力を育成します。
具体的には、「農耕型(仕掛ける)と狩猟型(こなす)」の両方をミックスさせ、状況に応じて柔軟に動ける人材を育てることがポイントです。
4) 武器を強化する(営業ツール・トーク)
●最後に、独自価値を高める営業ツールの導入や、効果的な営業トークの開発に着手します。
上位の要素がしっかり固まっているからこそ、具体的な取り組みが「ただの手段」ではなく「成果の出る手段」になっていきます。
このように、大切なのは「上位概念から下位概念へ」という一貫した流れを持たせることです。
「自社は何を大切にし、どのような価値を提供したいのか」という軸を定め、そこから逆算して戦略や戦術を構築していくことで、より確実に成果を目指せるようになります。
スローガンだけの経営からの脱却
「営業戦略」という言葉に自信を持って定義できるでしょうか。
もし、「何となく言葉として使っているだけ」という状況であれば、戦略はおそらく実行されていません。
また、仮に経営幹部全員が言語化できたとしても、その内容がバラバラであれば、それは属人的な営業から抜け出せていない証拠です。
だからこそ、営業戦略と営業戦術を「見える化」して、部下と共有することが重要です。
「分かっている」つもりでも、「実際にはできていない」ことは珍しくありません。
具体的な目標値や指標、実施項目を可視化することで、社内全体の理解を深め、行動をそろえることができるのです。
中小企業ならではの強みを活かす
中小企業は大企業に比べて、意思決定のスピードが速く、柔軟な対応が可能です。
これは大きな強みであり、競合が多い市場であっても、すばやく差別化を図る原動力となります。
「自社はどのような会社でありたいか」という根源的な問いに真剣に向き合い、そこから導き出した独自の戦略・戦術を着実に実行すれば、大きな成果に結びつくはずです。
現場の声を素早く拾い上げ、それを経営陣と共有できるのも中小企業ならではの利点です。
小回りの利く組織だからこそ、戦略面で舵取りを誤らずに進めていけば、一歩ずつ着実に成長への道を切り開いていけるでしょう。
まとめ
中小企業が営業で成果を出すために押さえておきたいポイントを、最後に整理しておきましょう。
●営業戦略と営業戦術の同時推進を理解する
●「自社は何を大切にし、どのような価値を提供したいのか」という軸を明確に定める
●上位概念(方向性や組織体制)から下位概念(個人の育成やツール導入)へ、一貫性をもって段階的に取り組む
●戦略・戦術を「見える化」して、全社で共有する
●中小企業ならではのスピード感と柔軟性を最大限に活かす
どんなに優れたビジョンがあっても、行動に落とし込まれなければ成果には直結しません。
逆に、行動だけが先行しても、どこに向かっているのかが曖昧であれば堂々巡りになります。
だからこそ、営業戦略と営業戦術の両輪を、しっかりと噛み合わせながら進んでいきましょう。
この記事が、皆様の会社が「スローガンだけでは終わらない、本質的な成長」を遂げるための一助になれば幸いです。
日々の業務を見直すきっかけとして、ぜひ社内で意見交換をしてみてください。
新たな視点や気づきが、次のステップを切り開く大きなヒントになるはずです。
