「営業の成約達人」を生み出す仕組みの作り方

代表 乾切抜き 仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第391話 営業会議を見える化し、社員が主体的に仕掛ける仕事を推進する方法

はじめに

中小企業の経営者にとって、売上向上や社員の成長は、皆様にとって常に意識されるテーマかと思います。

今回ご紹介するのは、“営業会議”を単なる報告会で終わらせるのではなく、社員一人ひとりが主体的に考え、行動する「考える場」へと変革させるステップです。

この取り組みを通じて、会社全体の成長につながるヒントを得ていただければ幸いです。

「見える化」で共通認識を醸成する

「考える場づくり」の第一歩は、上司と部下が共通の土台を持つ“見える化”です。

ここでは、特に「行動履歴の見える化」に注力することをおすすめします。

実際に情報を共有し、誰がどのようなアプローチを取ったのかを把握することで、会議での議論がより具体的かつ建設的になるのです。

見える化で共有すべき主な情報

1)顧客情報 

●顕在顧客・潜在顧客を見分けるための情報(製品の使用年数、抱えている悩みや相談事、社内シェアなど) 

2)行動履歴 

●いつ“種まき”(初回アプローチ)を行ったのか 

●見積もりを提出したことがあるか 

●WEB、DM、訪問など、どのような手段でアプローチを行ったか 

たとえば顧客リストを作成する際、「会社名、住所、電話番号、担当者」しか載っていないリストに加え、どんな行動を取ったのか詳細に記載しておくと、議論の深みが一気に増します。

また「見える化」が薄い会社だと、顧客名だけを見ながら営業計画を立てがちですが、きちんと事実情報を共有することで「次のアプローチをどうするのか」「既存顧客と潜在顧客、それぞれにどう対応すれば売上が上がるのか」といった戦略を練りやすくなります。

PDCAサイクルを回すための「考える場づくり」

多くの企業では、Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)というPDCAサイクルの重要性が叫ばれています。

しかし、PDCAサイクルをきちんと機能させるためには、前段階となる「事実を共有化した見える化」と「考える場づくり」が不可欠です。

とくにPlan(計画)を立てる前に、現状をしっかり把握し、自分たちの行動や顧客の状況を客観的に捉えるプロセスを省くと、計画が“絵に描いた餅”で終わってしまう危険があります。

実際、営業会議でPDCAサイクルを回せていないと、「忙しさに追われていつの間にか次の会議が来てしまう」「計画を立てても実行に移せず時間だけが過ぎてしまう」という声を耳にすることも少なくありません。

そこで重要になるのが、「見える化」と「考える場づくり」をしっかり行い、社員全員で“今どこにいて、どこに向かうのか”を共有することです。

事実を正確に把握しているかどうかで、その後の計画の質が大きく変わります。

「仕掛ける仕事」を仕組み化する

営業会議を「考える場」に進化させるためには、“仕掛ける仕事”に取り組む仕組みを整えることが大切です。

多くの場合、既にあるのは受動的な“こなす仕事”の仕組みばかりで、新規開拓や潜在需要を掘り起こす“仕掛ける仕事”がうまく回っていないケースが見受けられます。

1)こなす仕事 

顧客からの問い合わせに対応し、注文を受けるといった受動的な仕事。 

2)仕掛ける仕事 

潜在需要を顕在需要に変えていく能動的な仕事。増販や増客のための活動がこれにあたります。

「考える場づくり」の中では、この仕掛ける仕事を単発で終わらせないことが重要です。

なぜなら、新規開拓や潜在顧客へのアプローチは一度で結果が出るわけではなく、継続的に取り組んでいく必要があるからです。

そのため、“仕掛ける仕事”を全社的に推進するための仕組み化を真剣に検討してください。

小さな成功を積み重ねることで社員のモチベーションが上がり、成果につながりやすくなります。

マネジメント方法の違いを理解する

“受動的な営業”と“能動的な営業”では、プロセスもマネジメントの手法も大きく異なります。

多くの企業が導入している営業管理システムは“案件管理”に特化しており、基本的には顧客からの問い合わせや既存の案件に対応する受動的スタイルを想定した仕組みになっています。

しかし、いざ営業会議で「新しい顧客を開拓しよう」「潜在顧客を掘り起こそう」と盛り上がっても、仕組みそのものが“受動型営業”に合わせて作られていると、議論は噛み合いません。

経営者や管理者の方は、この点をしっかり理解したうえで、「能動的な営業活動」をサポートできるマネジメントツールやシステムを用意する必要があります。

たとえば、受動型営業では“現在進行中の案件”に焦点を当てがちですが、能動型営業では“これから掘り起こすべき見込み客”や“長期的に育成していく顧客群”に焦点が移ります。

ですから、「見える化」や情報の入力項目も違って当然です。

同じ案件管理の画面内だけで済まそうとすると、現状や目的がうまく共有できず、結果として新規開拓プランが立てられないまま終わってしまうのです。

「考える場」を機能させるためのツール

「考える場づくり」を実現するには、社員を一方的に管理・監視するのではなく、“自ら考えて動きたくなる”状態を作り出すためのマネジメントツールを導入することをおすすめします。

特に、営業管理システムを使っている会社は、その機能が“スタッフのやる気を引き出し、考えるきっかけを生む”ものであるか再点検してみてください。

注意が必要なのは、単に「ここができていない」「ダメだ」と指摘するだけのツールになっていないか、という点です。

もし「顧客情報管理と行動管理」が適切にできていないままデータを入力している場合、実態を反映しない“嘘のデータ”が蓄積されることにもなりかねません。

そうした曖昧なデータを基にすると、せっかくの営業分析も机上の空論となり、社員同士の意見交換が形骸化してしまいます。

まとめ ─「考える場」で会社の未来を描く

「営業会議を社員の成長と企業の発展につながる“考える場”にしたい」とお考えの経営者や管理者の方は、まず以下の2点を意識してみてください。

1)上司と部下が共通認識を持てる「見える化」 
2)「こなす仕事」だけでなく「仕掛ける仕事」も仕組みとして機能しているか

“見える化”で事実を共有し、そこからPDCAサイクルを回す土台をしっかり整える。

そして“仕掛ける仕事”の重要性を全社で確認しながら、組織ぐるみで新しい顧客開拓や市場の拡大に取り組む。

こうした流れを習慣化していくことで、社員一人ひとりの視点が変わり、チーム全体の考える力が高まります。

読者の皆様の会社において、この取り組みが実を結び、企業としての自走力を大きく高めるきっかけとなれば幸いです。

ぜひ、次回の営業会議から実践してみてください。

日々の忙しさに追われがちな経営者・管理者の方々こそ、パッとひと息ついて、「今、うちの会社は何を見えていないのだろう?」「次の一手を社員と一緒に考えるにはどうすればいいだろう?」と振り返ってみると、新たな可能性が見えてくるはずです。

 

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