仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第361話 営業戦略と組織の自走化(営業の自立型人材の育成について)
本コラムでは、過去のコラム(第133話)「営業方針やビジョン等の価値観だけを共有しても社員が動かない理由とは」の概要と、記事内のQ&Aを以下にまとめました。
コラム記事133話→リンクはこちらをクリック
【コラム記事の概要】
この記事は、乾経営コンサルティングが提供する営業に関するコラムです。従業員数が増加すると、ビジョン共有だけでは社員が行動に移さず、具体的な成果につながらないという問題を取り上げています。解決策として、営業戦略と営業戦術の同時推進に加え、「見える化」による具体的な行動レベルへの落とし込みを提案し、「誰でも成約の達人ツール」を開発した経緯を説明しています。また、曖昧な目標設定ではなく、具体的な作戦会議の重要性を強調するとともに、自立型人材の育成が必要であることを説いています。最終的には、組織が自走し、外部専門家を必要としない体制を実現することを目指している点が示されています。
【コラム記事のQ&A】
【Q1】営業における考え方の定着と、営業戦略・戦術の同時推進は、どちらを優先すべきですか?
【A1】絶対的な正解はありません。企業文化や組織の状況によっては、まずは「営業における考え方(マインドセット)」を定着させるところから始める場合もあれば、先に営業戦略・戦術の同時推進に取り組む場合もあります。
ただし、経験則から見ると、まずは営業戦略・戦術を具体的に「見える化」し(具体的な形に落とし込み)、その推進過程で考え方を浸透させる方法がより効果的です。組織規模が小さいうちは、考え方の軸を共有するだけでも上手くいくことがありますが、組織が大きくなるほど、具体的な戦略・戦術を同時に推進していく必要性が高まります。
なお、どちらを先に行うかは、企業の業績目標や従業員のスキルレベル、組織文化などさまざまな要因にも左右されるため、自社の状況によって柔軟に判断するとよいでしょう。
【Q2】組織が大きくなると、営業における考え方の共有だけでは上手くいかなくなるのはなぜですか?
【A2】組織規模が大きくなると、営業会議や日常のコミュニケーションで言葉のやり取りが曖昧になり、「分かったつもり」で終わってしまうケースが増えるためです。営業の考え方(マインドセット)の軸を持っている社員同士であれば、スローガンのような曖昧な指示でも具体的な行動に落とし込むことができます。しかし、経験の浅い社員や考え方の軸を持っていない社員にとっては、曖昧な言葉だけでは次に何をすればよいかが分かりません。その結果、指示を出す側と受ける側の間に認識のずれが生じ、ストレスや停滞を引き起こすのです。
【Q3】営業会議が「スローガン会議」になってしまう原因は何ですか?
【A3】主な原因は、以下の2点に整理できます。
1. 営業の考え方の軸を持っている人の発言が、口頭だけで終わってしまい、具体的な行動レベルまで落とし込まれていないこと
多くの場合、「もっと頑張ろう」「お客様第一で!」といった曖昧な言葉で終わり、実際に誰が何をどのようにすべきかまでが共有されません。
2. 営業の考え方の軸を持っていない人の経験不足
曖昧な表現しか示されていないため、その意味や具体的な行動をイメージできず「分かったつもり」に陥り、実際には何も動き出せない状態になります。
このように、考え方の軸がある人とない人との間にギャップがあると、会議がただのスローガンの応酬で終わり、行動変革が起こりにくくなるのです。
【Q4】「見える化」とは、具体的にどのようなことを指しますか?
【A4】「見える化」とは、営業戦略や戦術を具体的な行動レベルに細分化し、誰が見ても理解できる形にすることを指します。例えば、以下のような取り組みがあります。
・具体的な行動ステップ(やるべきタスク)を明記したマニュアルやツールの作成
・目標達成に向けた進捗状況を可視化するダッシュボードやKPI管理ツールの活用
これらによって、経験の浅い社員でも「今、何をすればよいのか」が短時間で分かるようになり、最速で成功体験を積み上げることが可能になります。
【Q5】「見える化」によって、どのような効果が期待できますか?
【A5】「見える化」によって期待できる主な効果は、以下のとおりです。
1. 行動の明確化
社員一人ひとりの具体的なタスクや目標が明確になり、「分かったつもり」や曖昧な指示が減ります。
2. 社員の成長促進
何をすべきかが明確になるため、成功体験を積むスピードが上がり、自信を得て主体的に行動するようになります。
3. 営業の仕組み化
具体的な取組内容が可視化されることで、組織としての営業活動がシステム化され、曖昧な表現や抽象的な指示でも成果を出しやすくなります。
4. 考え方の軸を持つ仲間の増加
ツールや仕組みを通じて共通の考え方が学びやすくなるため、組織全体で「営業の考え方の軸」を持つ社員が増え、組織全体の成長につながります。
【Q6】「見える化」ツールとして、どのようなものが活用できますか?
【A6】本文中では「誰でも成約の達人ツール」が例として紹介されていますが、ほかにもさまざまなツールや方法があります。重要なのは、「自社の実情に合わせてカスタマイズし、社員が使いやすいものを選ぶこと」です。具体的には、次のようなツールの活用が考えられます。
・SFA(営業支援システム)
・CRM(顧客管理システム)
・タスク管理ツールやプロジェクト管理ツール
・社内ポータルサイトや共有フォルダの活用
どのツールを選ぶにしても、最終的に「使いこなせるかどうか」が大切です。運用開始後も、適宜アップデートや教育を行うことで組織全体に定着させましょう。
【Q7】組織が「自走」するとは、どのような状態を指しますか?
【A7】組織が「自走」するとは、外部の専門家やコンサルタントの助けがなくても、組織内で課題を発見し、解決策を考え、実行に移せる状態のことです。これは、自立型人材の育成や、営業戦略・戦術の「見える化」を地道に行うことで実現できます。一度「自走」できるようになれば、多少の変化や困難があっても、組織内でスピーディーに対応策を立案し、持続的な成長を続けられるようになります。
【Q8】飲み会や研修は、組織課題の解決に効果がないのですか?
【A8】飲み会や研修は、一時的なストレス発散や新しい気づきを得る機会としては有効です。しかし、営業組織が抱える根本的な問題は「具体的な行動レベルに落とし込めていないこと」と「経験不足」による、曖昧な認識や行動の停滞にあります。したがって、これらの課題を解消するには、「考え方の軸」をしっかりと共有し、具体的な行動ステップを作り込む仕組みを構築する必要があります。飲み会や研修だけでは、それらを恒常的にサポートする仕組みまではつくられないため、どうしても根本解決に結びつかないのです。
<まとめ>
営業における考え方(マインドセット)の定着と、具体的な戦略・戦術を同時に推進することは、組織の成長にとって非常に重要なポイントです。特に組織が拡大していくと、曖昧な指示や「分かったつもり」で終わるコミュニケーションが増え、成果に直結しないケースが多くなります。「見える化」を行うことで曖昧さを排除し、誰もが具体的なアクションに落とし込める体制を整備することが大切です。あわせて、自立型人材の育成を進めることによって、組織全体が「自走」できるようになります。飲み会や単発の研修だけではなく、日常的な仕組みづくりと実践の積み重ねこそが、最終的に組織課題の根本解決につながる鍵と言えるでしょう。
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