仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第308話 営業マニュアル(営業の仕組み)を作る前に実施して欲しいこと
「営業の仕組みを見直して、営業マニュアルを作成したけど、ほとんどマニュアルを見ることはない」
「だから、営業マニュアルを作っても無意味だよ」
「だって、誰も見ないのだから」(パソコンのフォルダーにデータとして保存されているだけ)
これは、当社の営業の成約達人の仕組みを導入後、営業マニュアルに落とし込む際によく聞かされる、他愛もない愚痴のひとつです。
ISO9001や外部(コンサルタント含む)から営業マニュアルの必要性を説かれ、何らかのマニュアルを導入した会社からこの愚痴はよく聞きます。
まれに、ISO9001のマニュアルが実際の仕事とは違う、ダブルスタンダードになっていて、審査の時だけ誤魔化すようになっていたりもします。
営業においては、営業管理システムがそのケースに該当する会社もあります。
営業管理システムの管理ツールの仕事の取組みをしていないのに、必要以上にデータの入力ばかりしていて、社員の不満だけが高まっているケース等です。
仮にこのようなことが起こっている場合、営業マニュアル(営業の仕組み)を機能させるには、3つのステップを理解する必要があると当社では感じています。
ただ、これは、当社の経験則から感じていることなので、絶対ではありません。
なので、ひとつの着眼点として活用できそうであれば、使ってみてください。
案外、ステップ2とステップ3が盲点になっています。この2つだけできれば、営業マニュアルは生き返ります。だまされたと思って取り組みをお勧めします。
ステップ1は、目的の明確化です。これは、王道なので、大丈夫かと思いますが、念のためチェックしてみてください。
ここは、営業マニュアルというよりも、営業の仕組み構築の目的に置き換えて言語化してみてください。なぜなら、営業の仕組みの中身を言語化したものが営業マニュアルになるからです。
そして、しつこいですが、営業の仕組みは手段になります。手段には目的が必要です。営業の仕組み(もしくは営業管理システム)の導入が目的になっていれば、その時点で営業の仕組みの取組みは失敗になります。
このステップ1も大事なところなので、当社の例で少し補足説明をしていきます。
当社の営業の成約達人の仕組みも手段になります。よって、この中身に正解・不正解は求めません。
営業の成約達人の仕組みの目的(コンセプト)を言語化したものを以下の図に記します。
目的は、「考えて行動する人材育成の場づくり」になります。
これが実現できれば、環境変化に対応できる体制の構築が可能になるからです。
目的を営業の売上アップにしていないのは、売上アップだけであれば、営業の仕組みよりも、営業戦術に特化すれば売上アップは可能だからです。
そして、営業戦略と営業戦術の同時推進が実現すれば、更に売上アップが見込めます。
ただ、これは、短期視点になります。即効性はありますが、長期的視点になれば疑問符がでてくるからです。
この疑問符が「やらされ感」です。特に経営幹部主導の「やらされ感」満載のプロジェクトがその典型例です。
「やらされ感」満載は、初動の瞬間は良いのですが、時間が経過して気が付けば、元の状態に戻っていることが多いからです。
そして、最後は、飴と鞭の根性論でまた違った行動をとらせようとして、営業スタッフは仕事に対して疲れ切っている状態になっていたりします。
これを避けるために、考えて行動する人材の育成の場づくりを営業の仕組み構築の目的に当社はしています。(ここに正解・不正解はありません)
これが実現できれば、副産物のひとつとして、売上アップも実現ができるからです。
ただ、これは当社の実力不足になるのですが、売上アップだけを目的にしていた時は、短期的視点の瞬間風速で終わることが多かったのも事実です。
なぜなら、クライアントの営業スタッフは主体的ではなく、「やらされ感」満載になっている状態で取り組んでいたからです。(これは、あくまでも当社の実力不足により招いた結果です)
復唱になりますが、ステップ1は営業マニュアル(営業の仕組み)の目的を明確化にしているかです。
次に、ステップ2は新しい仕組みを導入する前の営業の仕組みを言語化もしくは図式化したものが、あるかということです。
ここ大事なところなので、もう一度、繰り返します。
新しい仕組みを導入する前の営業の仕組みを言語化もしくは図式化したものが、あるかということです
営業マニュアルを作る時の多くの会社様は、あるべき姿の完成形をマニュアル化にしています。
当社も昔は、クライアントが時間を割けない時、当社が代わりに営業マニュアルの完成形を文章化の手伝いをしていた時もありました。
でも、これが実は、大失敗であったことを今では反省しています。
まずは、新しい仕組みを導入する前の営業の仕組みを言語化もしくは図式化したものがあるかということです
これがステップ2です。
このステップ2があって、次のステップ3に勧めます。
違う言葉に置きかえると、ステップ2がないとステップ3に進めないということです。
多くの会社では、ステップ2を飛ばして、いきなり、あるべき姿の完成形の営業の仕組みを営業マニュアルにしているように感じています。
実は、これが大きな落とし穴になっています。
話が脱線しそうなので、ステップ3を説明します。
新しい仕組みを導入する前の営業の仕組みを言語化したものと、新しい営業の仕組みの概要図(全体の体系図)をにらめっこします。
ここでの注意点は、あるべき営業の仕組みをすぐに営業マニュアルに落とし込んではいけないとうことです。
具体的には、当社が推奨している営業マニュアルの基本の型の目次に沿って、営業マニュアルを作ってはいけないということです。
文章にすると伝わりにくいかもしれませんが、敢えて、ここは文章で伝えることに挑戦します。ここを勘違いしてしまうと、どんなに素晴らしい営業マニュアルを作っても無意味になるからです。(経営計画書づくりにも共通することかもしれません)
参考までに当社が推奨している営業マニュアルの基本の型の目次を以下に記します。
まずは、これを鵜呑みにして、営業マニュアルを作成しないということです。これはあくまでも基本の型なので、これを参考にするということが大事だからです。そう、参考です。
では、文章でこのステップ3の重要ポイントを伝えていきます。
新しい仕組みを導入する前の営業の仕組みを言語化したものと、新しい営業の仕組みの概要図(全体の体系図)をにらめっこして、改善すべき項目と改革すべき項目は何なのかを洗い出しをしていきます。
これがステップ3です。
改善は、今やっていることを更にレベルアップすることです。改革は今やっていないことを新しく追加することです。
上記のマニュアルの目次の例で言えば、月間進捗管理のマネジメントツールを持っていれば、そのフォーマットをレベルアップして運用することは改善に該当します。(今あるものの改良です)
そして、年間増販増客の施策シートに取り組んだことがなく、新しい営業の仕組みに取り入れる場合は改革になります。
何となく、伝わっているでしょうか。
勘の良い方は理解できているように感じますが、改善すべき項目と改革すべき項目がどれだけあるのかを可視化することが重要であるということです。
新しい営業の仕組みの導入に失敗している会社は、この改善すべき項目と改革すべき項目が何項目あるのかを認識せずに、部下に〇〇を実施するようにとの指示だけをしています。そう、丸投げです。
そして、指示の中身を見ると、改革の項目が5項目以上あり、営業スタッフからは、現状業務だけでも手一杯なのに、こんなに新しい取り組みはできないと陰口をたたかれていたりします。
でも、この陰口が経営者にばれることを恐れて、取りあえずスタートダッシュの始めだけやったふりをします。そして、気が付けば、日常業務の忙殺を理由に改革はすべて中途半端に終わっていたりします。
当社が関わってきた経営幹部で仕事ができる方は、改善すべき項目と改革すべき項目の優先順位を決めて、どれを営業現場に降ろせば良いのかを上手くコントロールされています。
外部から教わった営業の仕組みや営業管理システムを決して部下に丸投げしていないということです。
改善すべき項目と改革すべき項目の優先順位を必ず決めています。
そう、決める(意志する)を行っています。決めているだけの状態は丸投げです。過去のコラム記事でも述べていますが、決める(意志する)と決めているだけの違いが成果の分かれ道になっているということです。
そして、決める(意志する)ことができれば、それを必ず目的とのすり合わせを行っておられます。
そして、目的に対して違和感がなければ、改善すべき項目と改革すべき項目を営業スタッフに伝えて、必ず目的も同時に伝えています。
そして、振り返りの進捗確認をして、自責の試行錯誤を必ず行っています。
自責の試行錯誤の詳細は前回コラム記事(307話)を参照してください。
そうすると、営業マニュアルが活用できている会社は、この1~3のステップが機能している会社であることが理解できるかと思います。
少し厳しい言葉になりますが、経営幹部の仕事のひとつに営業の仕組みの見直しがあります。
この見直しは、現状の営業の仕組みに対して、改善すべき項目と改革すべき項目を決める(意志する)ということです。
そう、決める(意志する)です。
現状の営業の仕組みに対して、改善すべき項目と改革すべき項目を決めるには、上記の1~3をまず取り組んだことがないと、決めることはできません。
これができるようになると、半期、もしくは年1回、営業の仕組みを言語化した営業マニュアルに目を通して、改善すべき項目、改革すべき項目、取組をやめる項目、取組を継続する項目の4つを決めることが経営幹部の仕事として浸透していくはずです。
そう、たった4つの意思決定です。この意志決定を半年に1回もしくは年に1回のどちらかで行います。これは、経営幹部にとっては最重要の仕事です。
でも、この4つの意思決定を経営幹部の仕事として認識していなければ、外部のコンサルタントの提案及び営業管理システムの導入を部下に丸投げして、結果、組織の混乱だけを招いていたりします。
自責の試行錯誤が根付いた組織だけが、営業マニュアルを活用できているように感じています。
自責の試行錯誤がなく、聞こえの良い言葉だけのスローガンだけの営業マニュアルには意志が入っていないので、パソコンのフォルダーにデータとして保存されているだけになっています。
きつい言葉になりますが、営業マニュアルを作って、活用ができていないということは、自責の試行錯誤がない組織になっているか、経営幹部が経営幹部の仕事(4つの決める)をせずに営業スタッフの作業の請負を仕事と勘違いをしているかのどちらかです。
もし、あなたの会社が営業マニュアルを作成していれば、それは、活用されていますか。これが分かれば、営業マニュアルの中身が問題ではないことは理解できるはずです。
追伸)今回紹介した4つの意思決定を経営幹部が実施していないのに、最新の営業手法やDX(デジタルトランスフォーメーション)を取り入れようとしても、中途半端を堂々巡りするだけになります。なぜなら、一番大事な決めるということをせずに、何をすれば良いのかに意識が言っているからです。
何をするのかも重要ですが、その前に経営幹部が決めるということが一番重要であるということです。この決める(意志する)も決めているだけの状態になっていれば、言葉のスローガンだけで終わっているということです。
しつこいですが、決めているだけの状態とは、4つの意思決定をしていないのに、何をするのかという流行りの施策を模索していることです。
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