仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第293話 営業のプロジェクトの前に行う3つの質問と、推進における考え方とは
コロナ禍の時、営業のプロジェクトレベルの相談で次の3つの項目が良く聞かれました。
「営業のDXが注目されていますが、我が社が優先すべき営業のデジタル化は何になるでしょうか、営業管理システムでしょうか、それとも、マーケティングオートメーションでしょうか」
「コロナ禍で、組織の在り方として、ディール組織が注目されていますが、我が社も縦割りではなく、フラット型の組織を目指した方がよいでしょうか」
「営業の業務の細分化として、インサイドセールスの部門を立ち上げようとしているのですが、立ち上げ時に注意すべき点はどのようなものがあるでしょうか」
経営幹部の方が営業チームを次のステージに上げようとしている時に、悩まれる項目です。
そう、チーム効率を高めるためにどのような新しい取り組みをすれば良いのかということです。
このコラム記事を読み続けている方であれば、気づかれると思いますが、上記の質問をしていれば、取り組みの上手くいく確率は50%以下になります。
「えっ」と思われるかもしれませんが、それが真実です。
では、上記の質問で問題になっているのは何でしょうか。
答えは、「目的が明確になっている」かです。
ここ、大事なところなので、もう一度、繰り返します。
「目的が明確になっているか」
目的が明確になっていて、上記の質問であれば、問題はありません。
でも、目的が不明確な状態で、上記の質問をしていれば、取り組みの堂々巡りが予想されます。
なぜなら、上記の質問ででてきたワードで、営業管理システム、マーケティングオートメーション、ディール組織、インサイドセールスは、すべて取組項目に近い内容だからです。
これは、大事な考え方になるのですが、取組項目は目的があってはじめて機能します。
目的が無い取組項目は、機能しないということです。
よって、流行りのワードの取組項目に振り回されていては、本末転倒であるということです。
これを防ぐために、当社のクライアントでは、新しいプロジェクトレベルの取組項目を実施する前に、次の3つの質問を自問自答していただいています。
1,「なぜ、その取組項目を実行するのですか」→目的を明確にします。(なぜを2回以上繰り返して目的を明確にすることもあります)
2,「その目的を達成するために、その取組項目は最優先になりますか、あるいは違う取り組みの候補はありますか」→目的と取組項目が連携していて、最優先の取組項目なのかを明確にします。案外、違う取組みの方が成果を出しやすいという発見もあります。違う取組項目の代案はコンサルタント等が提示します。こらは、初めの取組項目が最優先なのかを見極めるためです。
3,「その取組項目を実行して、どのような効果が期待できますか、もし、効果が期待できないとしたら、その阻害要因は何ですか」→その取組項目が本当にやるべきかの最終見極めをしていただきます。案外、阻害要因が見えていなかったりします。阻害要因の例もコンサルタント等が提示します。これは、その阻害要因に気付いていたのか、気づいていなかったのかの確認です。
実例を挙げます。ある会社で、考え方を浸透させるための研修を思案されていました。
考え方の浸透の研修は取組項目です。よって、目的の確認が必要になります。
目的は、社員に規律ある行動をとって欲しいということでした。(この目的に正解・不正解はありません。その会社が決めたことの目的は何でも良いからです)
ただ、阻害要因を見ていくと、その考え方を学んでもそれをすぐに実行して、体感できる場が少ないことが分かりました。
そう、研修で良く見られる、その場で理解して終わりです。
「分かったつもり」の「つもり」で終わり、気が付けば、学んだことも3日もすれば、すっかり忘れ去られています。
このことから、考え方の研修をする前に、考え方を実践する場の仕組みづくりが課題であったという発見がありました。
分かりやすく言えば、考え方を実践する仕組みが無い状態で、考え方の研修をしようとしていたので、単なるお勉強会で終わることが予兆されていたということです。
この事例は、考え方の研修の取組みですが、営業管理システム、マーケティングオートメーション、ディール組織、インサイドセールスも同じようなことが起こっていると当社では感じています。
ある会社では、目的を明確にすることで、ディール組織は取組み以前の問題で、もし、実行していれば、聞こえの良いスローガン経営で終わっていました。
これが、多くの会社で見られる取組項目の罠です。素晴らしい成功事例を聞かされて、上記の3つの質問をせずに、その取組項目が魔法の杖のように感じて、現実逃避をされています。
そう、現実逃避です。(現実逃避を違うことにすり替えているだけです)
お恥ずかしながら、当社でも、取組項目の罠にはまっていることがあります。これは、頭では分かっているが、客観視できておらず、目先の成果にこだわりすぎて盲目になっている時に起こっていました。
この記事は、自戒の念を込めて書いています。
長文ですが、もう少しだけ深堀しますのでお付き合いください。
取組項目が決まれば、実践になります。
実践で気を付けて欲しいのは、「中途半端」です。
違う言葉で表現すると、「やっている振り」、「やらされ感」、「やっているつもり」、「まじめにやっている振り」等です。
この「中途半端」を防ぐために必要になってくるのは、取組項目の推進責任者の考え方の軸になります。
そう、推進責任者の方がどのような考え方の軸を持っているかということです。
ちなみに、この考え方は、企業ごとに異なります。社風が異なるからです。
具体例を挙げると守秘義務違反になりますので、当社の例を挙げますので、何らかのヒントにしていただければ幸いです。
当社では、取組項目の推進においては、次の3つの考え方を大事にしています。
この考え方は、当社の独自のものではありません。20代で100億の資産を築かれた方の6つの考え方から3つを拝借して少し加工しています。
1、決意
「99%の決意は達成しない、100%の決意は達成する」→決めるのではなく、40点主義でも、こだわり、やり抜くという、決めて意志するということ。決めるで終わるのではなく、意志するということです。
2,責任感
99%の人はどうしても被害者意識を持ってしまう。「すべてのことは100%俺の責任だ」と考える→他責にして責任回避をしてしまうと、ものごとは進化しない。すべては自己責任に変わった瞬間にものごとは動き出す。
3,確信
確信があると 自分の気持ちがブレない→確信は、信念・在り方になるが、まずは仕事における信条の考え方の軸を言語化して、それを意識するようにする。
「このような考え方が軸になっていれば、コンサルティングの推進はスムーズに進みそうですね」という言葉をいただきますが、正直に申し上げればそうでもありません。
お恥ずかしながら、この3つの考え方は、まだ、当社にとっては、軸になってはいない状態です。正直に言えば50%ぐらいです。推進に夢中になっている時は忘れる時もあります。
「えっ、そんなもんですか」という声が聞こえてきそうですが、これが真実です。
当社自身も色々な施策等を実施していますが、上手くいっていることより上手くいっていないことの方が多いです。
多分、経営幹部の方であれば、これが真実であることを理解していただけると思います。(これがなければ、経営に関する悩みはゼロだからです)
でも、当社では、上手くいかない時にこそ、上記の3つの考え方に戻ります。
そしてこの考え方に戻ってから、次の対策を考えれば、また違った切り口の対策のアイデアが浮かぶからです。
考え方が、まだ軸になっていなくても、そこに立ち返る考え方が言語化できていれば、そこに戻ることができます。
ただ、考え方を言語化しても、立ち戻ることをしていなければ、考え方はスローガンで終わり、その場限りで終わっていしまいます。
このことから、当社の支援では、営業に関連する考え方を言語化して、それが体験できる仕組みとして、連動するように心掛けています。
今回のコラムは、営業のプロジェクトを実施する際は、3つの質問と考え方の言語化の重要性について話をしました。
何らかのヒントになれば幸いです。
追伸)「経営に対しての考え方を持つ上で、参考になる書籍はありますか」という質問も良くいただきます。
その時は、『経営のこころ』稲盛和夫さんの書籍を勧めています。すべてを鵜呑みにするのではなく、この中で共感できるものを参考にすることは良いと考えているからです。
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