「営業の成約達人」を生み出す仕組みの作り方

代表 乾切抜き 仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第292話 2代目経営者に持っておいて欲しい、2つの能力(視座と期間軸)

 

前々回のコラム記事(290話)で、右腕人材に求める3つの能力の切り口を書きました。

 

この記事を見た方は、このような切り口での人材育成の必要性を感じ取られた方もいるかもしれません。

 

ただ、2代目経営者においては、この3つの能力の切り口の人材育成よりも押さえて欲しい2つの能力があります。

 

当社が今までお付き合いしてきた経営者で凄いと感じた方は、この2つの能力が突出していました。

 

よって、今回のコラム記事は、従業員を10名以上抱えている2代目経営者の方向けに、この2つの能力について話をしていきます。

 

これは、正解・不正解を述べているのではなく、あくまでも当社が今までお付き合いしてきた経営者を見ての経験則になりますので、ひとつの着眼点として参考になれば幸いです。

 

では、本題に入る前に、右腕人材に求める3つの能力をまとめた図をもう一度、以下に記します。

この図を確認したうえで、ひとつ目の能力になります。

 

ひとつめは、全体の意見の視座を受け入れる能力です。

 

この話をすると、多くの方が「言っている意味が分かりません、言いたいことは何ですか」という質問をいただきます。

 

ここは、大事な能力になりますので、もう少し掘り下げて、説明します。

 

以下の図を見てください。視座によって、ものの見方が異なるという図です。

ここで、大事なことは、視座の重要性ではなく、同じ物でも、見る視座によって見え方は異なり、その異なって見えているものの意見を、頭ごなしに否定をせずに、まずは受け入れるということです。

 

ここ大事なところなので、もう一度、繰り返します。

 

「異なって見えているものの意見を、頭ごなしに否定をせずに、まずは受け入れる」です。

 

事例を挙げて説明していきます。

 

当社の経験則ですが、右腕人材に求める3つの能力の内、2代目経営者が持っている能力で一番多かったのが、3か年の戦略構築力です。

 

そして、番頭格の年配の取締役(主に専務取締役)の能力で一番多かったのは、営業現場問題解決力でした。

 

営業現場の最前線で人間力を武器に戦ってきた人です。

 

実は、2代目経営者と番頭格の年配の取締役は、表面上は仲が良さそうにふるまっていますが、現実は、互いのことをどこかで受け入れずに、自分が正しいことを周囲に漏らしています。

 

そして、この漏らす先がコンサルタントで、その後、コンサルタントがその会社の営業推進に関わると、大抵、上手くいきません。

 

なぜなら、番頭格の年配の取締役がプロジェクトの推進を邪魔する役割に回るからです。

 

上記の視座の図で言えば、会社を成長させたいという同じ想いは持っているが、見ている視座によって、見え方が変わり、意見だけがぶつかり合い、互いを信頼していない状態です。

 

本当は、円柱の図なのに、四角であると言い張り、丸だと言い張り、互いに譲らず、最後は、「あいつは、ものごとを分かっていない、現場をよく知らないのだ」と互いにけん制をして、雰囲気が悪くなっています。

 

部門間で例えると、営業部と技術部でもこのようなことが起こっています。

 

営業:「技術部がもっと、性能のスペックが良いものを開発しないと、今の製品では売れないよ」

 

技術:「性能のスペックの要求の前に、営業が顧客ニーズを具体的に拾い上げてこないと、技術開発をしようにも先に進めないよ」

 

両部門とも本来は、素晴らしい製品を顧客に届けたいという思いは同じなのですが、視座が違うことから意見がぶつかって、最後はお決まりの個人攻撃で雰囲気が悪くなっています。

 

でも、ここで、互いの視座の違いを理解している人が間に入り、第3の意見を述べると上手く回りだしたりします。

 

ただ、この第3の意見を述べる方が、まずは、相手の意見を受け入れているかが大事になってきます。

 

長文になっていますが、もう少しだけお付き合いください。

 

ここ、結構重要なところなので・・・。

 

相手の意見を受け入れずに、第3の意見を述べて、それで意思決定をすると、今後、活発な意見交換はなくなっていきます。

 

というのは、意見を頭ごなしに聞かないと、その人は、次からは意見を言わなくなるからです。

 

「どうせ言っても無理だし、頭ごなしに否定されて怒られるだけだから、黙っていた方が賢い・・・」

 

これを防ぐには、まずは、相手の話を聞いて、その人が見ている視座を理解しようとする姿勢が大事であるということです。

 

そう、視座を理解しようとする姿勢です。

 

「なるほど、営業現場から見れば、そこが課題になっているのだね、で、なぜ、それが課題だと思うのかね、あなたの意見をきかせてくれないか」という感じです。

 

ポイントは、〇〇の視点から見ればという枕詞が必ずあります。

 

優秀な2代目経営者は、人を頭ごなしに否定するのではなく、相手の視座を理解することを怠っていません。

 

視座を理解すると、横軸に縦軸が加わり、ものごとが連動します。

 

難しいかもしれませんが、それを図でまとめてみました。

補足説明は文章が長くなるので、この図で言わんとすることを理解いただければ幸いです。

 

そして、横軸だけではなく、縦軸を上手く通す2代目経営者には、必要な情報がタイムリーに届いています。

 

そして、相手の視座を理解しようとせず、自分の得意分野を押し通す、横軸だけの経営者は、必要な情報が届きにくい状態を自ら作り出しています。

 

一見、ワンマンで有無を言わせない力強さを感じさせますが、世間一般的には、「裸の王様」と言われています。

 

このような状態では、優秀な部下や必要情報を届ける外部ブレーン等、気が付けば、その2代目経営者から去っていたりします。

 

そして、2代目経営者の周りには、太鼓持ちと言われるイエスマンが集まっています。2代目経営者のやりたいことを本気で理解しているイエスマンであれば良いのですが、当社の経験則で言えばご機嫌取りが上手い太鼓持ちの方が多いように感じています。

 

このことから、優秀な2代目経営者は、この相手の視座を理解して、意見を引き出して、最終意思決定する能力に長けています。

 

自分が不得意な分野は、得意な人から上手く聞き出すことに長けているということです。よって、判断に偏りがなく、総合的な判断が素晴らしいということです。

 

長文になっていますが、ふたつ目の能力です。

 

「決めて、実行させている」ということです。

 

意見を聞き出して、最後に実行することを宣言するだけでは、2代目経営者の役割は不十分です。

 

年度方針を打ち出して、その後は、放ったらかしの状態と同じだからです。

 

社長の大事な仕事は、「決めて、実行させる」ことです。

 

決めるということは、意志を発動するということです。

 

この意志が強いほど、ものごとの実現性は高まります。(当然、試行錯誤はあります)

 

意志が強ければ、それは、こだわりになります。

 

こだわりがあれば、四半期ごとの振り返りは当たり前のように行われます。

 

こだわりがあっても、振り返りがなければ、発動した意志は弱いので、実現のスピードは遅くなります。ひどい場合は、発動した意志が忘れられて日々の業務に忙殺されています。

 

そして、経営者になれば、この意志の期間軸も大事になります。

 

明日、何をするのか予定をいれる。あるいは、今月のスケジュールを決めるというレベルではありません。

 

最低でも、この1年間で達成する項目とそれを実現するための取組みを決めるということです。(単なる数値目標の羅列だけはNGです)

 

これが、年度方針になっているはずです。3月末決算の会社では、9月に半期を迎えます。

 

意志の発動の実現力はどうなっているでしょうか。

 

最後にまとめます。

 

当社が素晴らしいと感じている2代目経営者は、2つの能力が突出しています。

 

ひとつ目は、相手の視座を理解しようとする姿勢と、それを取りまとめて、最終判断をするという能力です。決して、自分の偏りだけで決めていないということです。

 

自分の偏りだけでは、「裸の王様」になることを理解しているので、仲間の力を有効活用することに長けておられます。

 

違う言葉に置きかえると、人を使うのが上手いということです。

 

「裸の王様」になれば、自分の周りにいたブレーン(社内・社外)は、気が付けば離れていっています。

 

ふたつ目は、社長の仕事は「決めて実行させる」を本気で腹落ちしている人です。

 

シンプルに言えば、社長の仕事は「決める」です。

 

この「決める」に意志力(胆力)を持っている方は、試行錯誤を繰り返されますが、やり遂げられます。

 

この経営者の姿勢を見ている部下が、経営者に付いていこうと決める瞬間です。

 

そう、経営者が何を言っているのかではなく、経営者が取り組んでいる姿勢です。

 

経営者は、大変な仕事です。でも、多くの人に喜びや責任感を与える重要な役割を持っています。

 

これが、出来る人は、この世の中で一握りのかたです。

 

あなたは、その一握りの方です。色々な人をあなたの手腕で、導いてあげてください。

 

補足)念のための補足ですが、相手の視座の理解は、社員全員のことを言っているのではありません。

 

期間軸で言えば、1年以上の視座を持っている方が対象になります。(単月の視座は含まれません)1年以下の視座の方は、営業リーダーにその方の対応をしていただきます。

 

つまり、部門間だと、この部署を1年後どのようにしたいかということです。

 

営業の拠点長であれば、1年後、拠点として何を重点に取り組み、そのシナリオをどのように描いているか等です。(単なる目標数値だけの設定は含まれません。あくまでもシナリオを描くことが出来ているかです)

 

もし、1年以上の視座を持っている人材がいなければ、経営者がすべてのことをやらなければいけません。

 

結果、経営者は現場から離れることができず、常に一番忙しい人になります。

 

これに気付いた方が、仕組みを通じて、社員に体験をさせ、その体験を通じて成長させることに意識が向くようになります。

 

そして、経営者は視座の一番高い、3か年の戦略にフォーカスして、マネジメントと営業現場推進は、他の方に任せるようになっています。

 

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