「営業の成約達人」を生み出す仕組みの作り方

代表 乾切抜き 仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第294話 営業企画部が作成した提案ツールが営業現場で使われない理由

「営業部が営業活動に専念しやすいように、営業企画部を立ち上げたのですが、上手く連携ができていません」

 

「第3者から見て、我が社のどこに課題があるか見てもらえませんか」

 

営業スタッフを採用して、次のステージに進もうとされている会社がぶち当たる壁のひとつとして、営業企画部を立ち上がたが上手くいかないという悩みがあります。

 

一般的に営業企画部の立ち上げの目的で多いのは、次の内容です。

 

営業スタッフが営業活動で多忙のため、営業ツールの作成や、営業施策の立案及びフォロー等を営業企画部が実施することで営業効率を高めることを狙いにしています。

 

しかし、実際は、営業効率が高まるどころか、営業企画部と営業部が対立して、組織の不協和音が起こり、営業効率が悪くなっていたりします。

 

ひどい会社になると、営業企画部とは名ばかりで、営業部の御用聞きか雑用をする部門になっていたりします。

 

今回のコラム記事は、なぜ、そのようなことが起こるのか事例を挙げながら話を進めていきます。

 

もし、営業企画部を立ち上げて、上手く機能していなければ、ひとつの着眼点として参考になれば幸いです。

 

以下は、営業企画部と営業部の会話の一例です。

 

営業企画部が営業部の営業推進に役立つ営業ツールを作った後の会話です。

 

営業企画:「〇〇製品の提案ツールを作成して、クラウドの〇〇フォルダーに入れていますので、是非、今回の販売キャンペーンに活用してください」

 

営業部:「提案ツールを作ってくれたのはありがたいけど、営業現場では使えそうにもないよ・・・、具体事例のピントが少しずれているからね」

 

営業企画:「だから、提案ツールを作る前に、具体事例の詳細を聞いているのに、任せると言って、手伝ってくれなかったじゃないですか」

 

営業部:「そこまで言わなくても、営業企画なら分かっていると思っていたからね」

 

営業企画:「では、具体事例をどのように変えれば良いのか、教えていただけますか」

 

営業部:「それぐらいは、営業企画部で考えてよ、こっちは顧客対応で終日追われ忙しく、それどころではないからね」

 

経営者は、営業部が日常業務に追われ、潜在見込み客のアプローチができていないことから、提案ツールを他の部署が作れば、そこは改善されると思い、営業企画部を立ち上げられました。

 

でも、上記の会話を料理の例えで言うと、忙しくて料理ができないから、料理を作ったのに、今一つ美味しくないと言われている状態と同じです。

 

そして、料理の味の何を変えればと質問しても、それぐらい自分で考えてと言われて、作る方は、「本当はあなたが作る料理で、私が代わりに作っているのに、その態度は何なのよ」といら立ちを隠せずにいる状態です。

 

「乾さん、こんな事例の会社は、今どきは存在しないでしょう」と言われるかもしれませんが、当社では、間接部門と直接部門でこのような光景をよく見かけます。

 

では、どうすれば良いのか・・・。

 

営業企画部と営業部の例で言えば、3つの切り口があります。まずは、この3つの切り口を図にまとめましたので、以下に記します。

これは、仕掛ける営業で押さえて欲しい、3つの切り口です。(個別コンサルで伝えている3つの切り口です)

 

営業部は、日々のこなす仕事で忙殺されていたりします。でも、経営者は、会社の将来を見越して、こなす仕事も大事であるが、潜在見込み客を開拓するために、仕掛ける仕事も同時に推進して欲しいと考えています。

 

でも、仕掛ける仕事を推進する時にネックになってくるのが、上記の図で言えば、コンテンツ力になります。

 

コンテンツ力とは、当社の言葉に置きかえると、顧客に提案の時に「投げるボール」と言っています。(新人がイメージしやすいように表現を変えています)

 

このボールの種類を何球持っているかということです。少し話は逸れ、20年前になりますが、ある商社の営業担当者が持っていた「投げるボール」は2種類だけでした。

 

キーワードで表現すると、「低価格訴求」と「キャンペーン」です。コンテンツ力とは程遠い内容です。でも、上司には、競合との価格競争が厳しいので、受注は難しいという報告をされて上司を納得させていました。

 

まあ、2種類の投げるボールしか持っていないので、当たり前と言えば、当たり前の反応です。しかも、その内の1球は低価格訴求のボールなので・・・。

 

本題に戻ります。

 

ここからは、当社の経験則になるのですが、営業部門は、コンテンツ力を営業ツールに落とし込むことを嫌がります。そう、紙に落とし込む作業です。

 

作ろうと思えば、作れるかもしれませんが、そこに時間を割けないというのと、ツール作成のコンテンツを作るという発想が乏しいからです。

 

顧客から言われて初めて作りますが、そうでない場合は、こなす仕事がメインなので、人間力と価格訴求で何とかやり過ごそうとしています。

 

そして、価格訴求がメインになれば、商社等が顧客の場合、営業担当者が商社から個人にバックマージン((飲み代やゴルフ代)をもらっていたりします。

 

会社にではなく、個人にマージンが支払われます。(令和の時代の今ではもうないと思いますが・・・)営業担当者からすれば、残業代も出ないので、それぐらいはいいだろうという感覚です。本末転倒です。

 

では、営業企画部と営業部の連携が上手くいっている会社の例を挙げます。

 

上手くいっている会社は、上記の図の人間力、価格訴求、コンテンツ力の3つのバランスを理解しています。

 

まずは、この理解があるかどうかです。

 

人間力と価格訴求の2つだけでも何とかなった時代は、平成で終わりです。

 

令和の時代においては、コンテンツ力を持っている会社が仕掛ける営業を制すというのが一般常識になっていることを理解されています。

 

ただ、こなす仕事だけしかやらないという会社は、コンテンツ力は必要ないかもしれません。

 

当社では、コンテンツ力をさらに分解して、次の3つにしています。

顧客の悩み・願望、提供価値、価値の具体事例の3つです。(業種によっては、違う切り口にする場合もあります。あくまでも基本の型です)

 

そして、次に、顧客の悩み・願望と提供価値の見える化をします。

ここまでの、基本の型を営業企画部が主導で、営業部の力を借りながら作成します。

 

そう、まずは、基本の土台を作成することが重要になるからです。

 

基本の土台があって、はじめて応用ができるからです。ここ大事なところなので、もう一度、繰り返します。

 

基本の土台があって、はじめて応用ができる。

 

基本の土台が無い状態で、経営幹部が営業スタッフに反応率が高い営業ツールを今すぐに作成しろと言っても、営業スタッフは忙しいことを言い訳にして、そこから逃げることを繰り返しています。

 

基本の土台がある会社は、コンテンツ力を分解した3つ目の、価値の具体事例は、営業スタッフがその個別の会社に合った事例に変えて作成しなおしています。(基本の土台に+αをする感じです)

 

そう、営業企画部にこの営業ツールは使えないと言うのではなく、営業部が追加で味付けをして営業ツールを完成させているという感じです。

 

何となく、伝わっているでしょうか。

 

ポイントは、営業企画部と営業部が、仕掛ける営業にはコンテンツ力が必要であるということを相互理解しています。違う言葉に置きかえると、共通の目的です。

 

この共通の目的を達成するために、役割分担ができているということです。

 

これができている会社は、展示会のやり方も変わっています。今までの展示会は、新規顧客の開拓がメインでしたが、今は、コンテンツ力の素材を集めるリサーチの場に変わっています。

 

なぜなら、このコンテンツ力が将来の企業の生命線になってくるからです。

 

もし、あなたの会社で営業企画部があれば、営業部との共通の目的を理解しているでしょうか。(別にコンテンツ力以外でも大丈夫です)

 

そして、共通の目的を達成するための役割分担は明確になり、連携はできているでしょうか。

 

共通の目的のない、役割分担は、互いの足を引っ張るだけの個人攻撃になる可能性があります。あるいは、互いの主義主張を述べて自己顕示欲を高めて終わっているかです。

 

追伸1)コンテンツ力を理解された会社様は商社に対しての営業方法も変わってきます。今までは、自社製品の価値の説明をしていましたが、商社が見込み客を発見しやすい営業ツールを渡すようになったからです。

 

商品説明から販売促進支援に在り方が変わったからです。この 在り方が変わったのも、上記の図の提供価値の見える化に取り組んだからです。

 

具体的に話すと守秘義務違反になるので、ここまでにしておきますが、そんなに難しいことではありません。やるべきことはシンプルです。

 

追伸2)誤解のないように伝えますが、人間力と価格訴求が駄目だと言っているのではありません。あくまでも現状のバランスがどうなっていて、どれを伸ばすのかが分かっていれば問題はないということです。

 

そう、現状認識です。

 

現状認識ができて、価格訴求を伸ばすという戦略を経営幹部が意思決定をしていれば、価格訴求を重要項目にしても問題はありません。

 

意思決定に正解・不正解はないからです。ただ、現状認識をしていない意思決定は、判断ミスをする可能性が高いことを付け加えておきます。

 

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