仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第260話 営業企画部が営業のデータ分析をしても成果が出ない理由
会社組織が大きくなると営業を支援する間接部門の組織が作られます。その代表例が営業企画というセクションになります。
中小企業では営業企画という組織は無くても、営業リーダー以上の幹部ミーティングが営業企画に該当するといっても良いでしょう。
最近では当たり前になりつつありますが、営業企画の仕事として、営業部門の売上をアップさせるために、営業管理システム等のデータ分析を通じて、営業の課題抽出や対策の立案を行っています。
そう、営業管理システム等を通じてのデータ分析です。
ただ、当社が3年前ぐらいから感じているのですが、このデータ分析で成果を出している会社とそうでない会社には、ある共通点があります。
この共通点を解決しない限り、データ分析は無意味なように感じています。
厳しい表現で言えば、高額な営業管理システムを導入しようが、間接部門の営業企画部を作ろうが無意味であるということです。
よって、今回のコラムは、営業におけるデータ分析が上手くいっていない会社の共通点について話します。
詳細を語れば膨大な文章量になるので、まずは、次に紹介する2つの共通点を押さえてほしいと考えています。
ひとつ目は、データ分析をする基データが事実のデータになっているかということです。
話が少し脱線しますが、前回のコラム(259話)で掲載した図を見た、ある経営幹部の方は、データ分析をする上で大事なポイントをこの図からズバリ見抜かれました。(鋭いと思いましたので、コラム記事に掲載します)
確認のため、もう一度、前回のコラム(259話)に掲載した図を以下に記します。
さて、コラム読者のあなたは、データ分析をする上での重要ポイントに気づかれましたでしょうか。
答えは、図の左下に書いてある、「事実を観る」です。
データは、事実に基づいたものであってこそ、分析する価値があるということです。
「何か、当たり前のことを難しく言っていますね」という声が聞こえてきそうですね。
従業員規模が大きくなった会社ほど、この「事実を観る」が出来ていそうで出来ていないと当社は感じています。逆に、営業スタッフが3名未満の会社であれば「事実を観る」は出来ています。(これは、あくまでも当社の経験則から導き出したものです)
回りくどい言い方は嫌なので、ぶっちゃけの本音で語ります。
データ分析する基のデータが嘘のデータになっているということです。
そう、嘘のデータです。
実例をあげます。
A社では、訪問件数のデータを重要視していました。月間の訪問件数が少ない若手の営業スタッフは、目標を達成していても怒られていました。
営業の手抜きをしていると見られていたからです。結果、若手の営業スタッフは、未訪問の顧客、あるいは、挨拶だけして帰る無目的の訪問件数が増えるようになっていました。
未訪問の顧客とは、営業日報に記載しているが、実際は訪問していない顧客です。営業日報の訪問時間は大抵5分ぐらいの挨拶か窓口挨拶等の嘘のことが書かれています。(ひどい方は、ひとつの訪問先で雑談ばかりして、時間をつぶして3社の訪問をしたことを日報に書いていました)
また、訪問目的がなく、無目的の訪問は、営業スタッフではなく、郵便配達員の方でもできるので、営業経費だけがかかる無駄な訪問です。
前回のコラムでは、見積提出枚数が、本来、必要でないところに出されている事例も書きました。
このように、本来の営業活動とかけ離れたことをしているデータを基にデータ分析をしても無意味であるということです。
でも、このことに気が付かずに、「〇〇君は、訪問件数が多いので頑張って営業活動をしているな」、「〇〇君は、見積もり件数が多いので、種まき活動はがんばっているな」等、お茶を濁した評価を平気で行っています。
さらにひどい会社になると、「〇〇君は今月も目標達成で我が社の営業のホープだ」と売り上げの結果だけで評価している会社もありました。
この会社では売り上げの結果だけで評価されるので、ベテランになればなるほど、優良顧客を自分の担当に囲い込んでいました。
結果、目標を達成しているのではなく、優良顧客を自分の担当に囲い込むのが上手いだけでした。
でも、実態は、目標達成している〇〇君を見習って、訪問件数と見積提出枚数を負けないように頑張ろうと、叱咤激励をしていました。
目標達成している〇〇君は、優良顧客を担当しているだけなので、無目的の訪問を増やすことで訪問件数を増やし、仲の良い商社担当に、とりあえずの相見積もりだけを出させてもらうことをお願いしていました。
本末転倒です。
なぜ、このようなことが起こるのか・・・。
怒られないようにするためです。
そう、怒られないです。
目標達成していれば怒られない、訪問件数を達成していれば怒られない、見積もり提出枚数を達成していれば怒られないという感じです。
これは、企業文化の問題と言っても良いでしょう。企業目的がどこかに行ってしまい、気が付けばこのような組織になっているということです。
これを放置していると、上司は部下から見透かされて、こなす仕事を適当にしていれば大丈夫で、売上が悪くなればコロナ等の外部環境のせいにしていれば良いという暗黙の雰囲気が出来上がった組織になっていたりします。
長文になりましたが、ひとつ目は、企業文化による嘘のデータが入力されているので、分析をいくらしても無駄であるということです。
次にふたつ目です。
コラム記事が長文になっているので、結論だけを書きます。
狭義の営業戦略がない状態での、営業のデータ分析は無意味ということです。(狭義とは1年以内のことです)
実例をあげます。
新規開拓のアプローチ件数の目標を立案しているが、本来狙うべき業界が全く狙えておらず、アプローチがしやすい小規模の顧客の訪問件数しか増えていない。
見積提出枚数は増えているが、種まき営業をしていないので、価格競争に陥りやすい相見積もりの状態での見積もりしか増えていない。(そのうち客ではなく、今すぐ客だけの見積もりがふえている)
オンライン営業の実施件数は増えているが、独自の価値の提案ツールができていないので、2回目の面談につながっていない。結果、1回目の初回面談だけに力をいれるようになっている。
これは、営業方針・営業戦略がなく、社員を野放しにしている状態の時に、起こる現象です。
厳しい表現になりますが、営業方針・営業戦略がなく、社員を野放しにしている状態で、データ分析をしても無意味であるということです。
社員を野放しにしている状態を自由な組織とは言いません。社員数が増えれば、必ず、リーダーの旗振りは必要になります。
この旗振りが、営業方針・営業戦略になります。
まとめます。
データ分析をしても上手くいかない会社の共通点は2つです。
企業目的を忘れ、怒られることを避けるという組織文化が根付き、嘘のデータを入力している会社。
営業方針・営業戦略がなく、社員を野放しにしている会社。
この2つに陥っていれば、いくら高額な営業管理システムを導入してデータ分析をしても、そのデータ分析は無意味なので、成果につながることはないでしょう。
あなたの会社は、この2つの共通点に陥っていないでしょうか。
追伸)営業方針・営業戦略があり、事実のデータが入力されている会社に、営業管理システムが導入されると、営業の生産性は飛躍的に伸びることは断言できます。よって、営業スタッフが増えれば、営業管理システム等の導入によるデータ分析は不可避であると感じています。ただ、導入以前の問題が見られることが気になっています。(独り言です)
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