仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第236話 提案営業の成約率の要(かなめ)、顧客の悩み・願望の捉え方とは
「提案営業で成約率を高めるために、主力製品における顧客の悩みと願望の見える化したものを作れば良いのでしょうか」
先週のコラム(第235話)を読まれた方からの質問です。
当社の答えとしては、半分イエスで、半分ノーになります。
「えっ、言っている意味がわかりません、乾経営では、顧客の悩みと願望を見える化した提供価値シートを推奨しているのに、なぜ、半分ノーなのですか」という声が聞こえてきそうですね。
今回のコラムは少し難しい内容になりますが、これが理解できると、若手営業担当者は確実に成果をだすことができます。(成果保証付きです)
それだけ確信がある内容です。
ただ、これは、正解・不正解を述べているのではなく、このような着眼点があるという感じで聞いていただければ嬉しいです。
まずは、顧客の悩み・願望の見える化したシートを作成した時に陥る落とし穴の2つについて話します。(顧客の悩み・願望の見える化シートの表現が分かりにくい方は、営業ツールの提案資料の作成の落とし穴に置き換えていただいても大丈夫です)
それでは、一つ目の落とし穴です。
以前のコラム(233話)にも掲載した図を記します。
何か気付かれることはあるでしょうか。
顧客の悩み・願望を見える化したシートは、上記の図でいえば、営業戦術の見える化に該当します。
233話のコラムにも記載しましたが、シートを「見える化」しただけであれば、20点レベルです。このシートの活用が鍵になります。
この活用が、トレーニング(訓練)とフィードバック(振り返り)です。
シートを使って、トレーニングとフィードバックの場ができていれば、60点のレベルになります。
そう、場づくりです。シートは作って終わりではなく、トレーニングとフィードバックが必要であるということです。
違う視点でいえば、営業活動マニュアル、マネジメントシート、営業管理システムのアウトプットツール等も同じことが言えます。
これらも、「見える化」だけで終わっていれば、20点レベルということです。
特に高額な営業管理システムを導入して20点レベルでは、無駄金を垂れ流していることになります。
見える化をしても、トレーニングとフィードバックが機能していない。
案外、ここが盲点になっていたりします。
次に2つ目です。ここからが、本題です。
顧客の悩み・願望の見える化をして、トレーニングとフィードバックが機能すると、あることに気付きます。
そう、あることです・・・。
これは、個別コンサルでしか話をしていない内容ですが、緊急事態宣言が継続されていますので、何らかのヒントになって欲しいという思いで公開します。
このことに気づくと、若手営業担当者は営業をゲーム感覚で取り組むようになります。
そのあることとは、顧客の願望には、期間軸があるということです。
ここ大事なので、もう一度、繰り返します。
「顧客の願望には期間軸がある」です。
この期間軸を図にまとめましたので、以下に記します。
何となく、言わんとすることは伝わるでしょうか。
キーマンによって、願望の期間軸は変わるということです。
当社では、悩みを現在、願望を未来と定義しています。
願望の未来は、キーマンによって期間軸が違うということです。
経営幹部であれば、1年以上の願望を設定すれば響きやすくなります。部門担当者では、1ヶ月以内の願望が響きやすかったりします。
具体事例を公開したいのですが、守秘義務等もありますので、上記の図では、ダイエットを例に期間軸の願望の違いを記しています。
ニュアンスを理解していただければ嬉しいです。
このことを理解して、トレーニングとフィードバックが機能する場作りができているとさらにあることに気づきます。
その気づきとは、キーマンによって期間軸は違うということです。
「えっ、言っている意味が・・・」という声が聞こえてきそうですね。
具体的には、経営幹部は全員が1年以上の願望ではないということです。
ある会社の役員(専務取締役)のキーマンの方の期間軸は1ヶ月でした。年配の叩き上げの方で、常に1ヶ月の目標達成だけを追っかけてきた方なので、視点は1ヶ月のスパンでしか見ることができないようになっていました。
このような方に、年間の期間軸の願望を伝えても、深いレベルでは共感を得ることはできません。
年間よりも、1ヶ月の期間軸の願望を伝えたほうが共感を得ます。
何となく伝わっているでしょうか。
これが分かってくると、もうひとつ面白いことが分かってきます。
それは、人によって、願望が悩みになっているということです。
前回のコラム(235話)で、提案営業のキラーフレーズを紹介しました。
「○○(願望)したいけど、○○(悩み)できない」です。この○○に入る言葉の質問を投げかけて、キーマン自ら喋っていただくことがポイントでした。(決して、営業担当者が喋るのではなく、顧客のキーマンに喋っていただかないと成約率はアップしません)
今回のコラムは、願望に期間軸があることを伝えましたが、場づくりのフィードバックが機能していれば、顧客のキーマンによっては、上記のキラーフレが、両方悩みになっていたりします。
具体的には、「○○(悩み)したいけど、○○(悩み)できな」です。
具体事例を公開したいのですが、守秘義務に該当しますので、前回のコラム(235話)のダイエットの例で言うと次の通りになります。
「飲み会の暴飲暴食を何とかしたいけど、それができないので、運動をしないといけないが、運動時間もとることができない、なんか簡単なダイエットはないかな、サプリだけでは効果がないと思うし・・・」
ニュアンスだけ理解していただければ嬉しいです。
最強のキラーフレーズは、「○○(願望)したいけど、○○(悩み)できない」です。
ただ、顧客によっては、願望の期間軸も異なり、願望が悩みになっていたりすることがあると言うことです。
ぶっちゃけの話をすると、願望の未来軸がない人は、現在の悩み軸しかないということです。(将来のことは考えていなくて、今のとこしか考えていないタイプの人です。今の現状だけを何とかしたいタイプの人と言えばわかりやすいでしょうか)
そう、未来軸がない人には、現在の悩み軸しかないということです。よって、願望の話をしても響かないということです。
結論を言えば、願望や悩みは、人によって、変わるということです。(これが分かると担当者とキーマンによって提案の訴求ポイントが変わることも理解できるようになります)
ただ、人によって変わるからと言って、思い付きで悩みと願望を想定していては、営業がいつまでたってもトップセールス頼みの属人化になります。(トップセールスの方は、嗅覚でこれを見分けることができます)
よって、当社では、基本の土台として、営業の戦略と戦術を「見える化」して、情報を共有化し、場づくりにより、さらに進化していただくようにしています。
そう、属人化の脱却には、基本の土台による情報の共有化は避けて通れないからです。
このことから、当社では、この土台として、顧客の悩み・願望の見える化シートを提供価値シートと名付けて、クライアントに運用していただくようにしています。
そうすると、場作りができている会社では、次のようなやりとりがミーティングの中で起こります。
「A社の部長の願望の期間軸は1ヶ月だから、○○の願望の事例を訴求すると食いつきがいいと思うよ」
「B社の担当者は、願望があるようでないので、悩みだけの訴求で充分だよ」
これが分かってくると、表の欲求と裏の欲求も分かってきます。
裏の欲求の例を挙げると、「C社の部長は、会社の利益よりも自分の出世欲の方が強いから、この製品を使うことで、社内の自己評価が上がることを伝えると反応が上がるよ・・・」というような感じです。
本当は、ここをもう少し掘り下げたいのですが、少し生々しくなるので、裏の欲求が結構大事であることも押さえておいてください。
そして、少し余談ですが、トップセールスの方は、接待を通じて、キーマンの裏欲求のリサーチを懸命にしています。これは、お酒が入った席だと、裏欲求を引き出しやすいからです。
このような場づくりができてくると、若手営業担当者は、営業がゲーム感覚になります。
具体的には、A社には、願望のリサーチをしてから、新しい営業ツールの武器を作って反応を見てみよう等です。
営業ツールがゲームでいえば、相手を攻略するアイテムに相当するからです。このアイテムが強力なものを持てば、攻略の率は高まります。
また、これがわかりだすと、若手営業担当者の訪問量が飛躍的にアップします。
なぜなら、顧客によって願望や悩みが違うことと、キーマンによっては、裏欲求の方が強かったりするからです。
多くの顧客に会って、どれだけリサーチできたかが勝負の分かれ目になるので、訪問量は欠かせないことを身にしみて分かってくるようになります。
通り一辺倒のマニュアルの営業トークでは通用しないからです。
さて、今回のコラムも長文になりましたので、最後にもうひとつだけ、大事なことを伝えさせてください。
それは、顧客の悩みと願望のリサーチをしていくと、競合も同じような悩みと願望の訴求をしているので、最後は製品のブランド力や価格訴求力になるように感じてしまうところです。
過去のコラムにも掲載した図を以下に記します。
上記の図で言いたいことは、仮に顧客の悩みと願望が競合と同じであっても、価値の具体事例が競合と違えば差別化になるということを肝に命じて欲しいということです。。
ここ大事なので、もう一度、繰り返します。
「価値の具体事例が競合と違えば差別化になる」です。
なぜ、この当たり前のようなことを書いているのか・・・。
それは、当社の経験則になるのですが、この具体事例を本気で考えて営業ツールに落とし込んでいる会社が少ないように感じているからです。
この具体事例が営業戦術の最大の武器になるからです。
この最大の武器を複数持っている若手営業担当者が、営業はリサーチという考え方を持ち、顧客に対して好奇心を持てば営業成績は確実に飛躍していきます。
これは、当社の経験則です。
今回のコラムも長文になりましたので、最後にまとめます。
顧客の悩みと願望を「見える化」しただけでは、20点レベルであるということです。トレーニングとフィードバックがセットになってはじめて営業担当者の提案営業は、機能します。
願望には期間軸があるということです。よって、質問によって、顧客ごとの願望を明確にする必要があります。顧客によっては、願望ではなく、悩みだけの場合もあるということです。
このことから顧客の理解の重要性を知っていただければ幸いです。(7つの習慣の「理解してから理解される」です)
あなたの会社では、最低限として、基本の土台となる、主力製品の顧客の悩みと願望が「見える化」したものはあるでしょうか。
追伸)最後に、もうひとつ大事なことを伝えるのを忘れていました。本当に最後です。それは、顧客の悩みと願望の見える化した提供価値シートを作る目的です。
そう、目的です。
目的がしっかりしていなければ、ツールは機能しないからです。
当社が推奨している目的はシンプルです。
「好奇心」です。
顧客の悩みと願望の見える化した提供価値シートは、営業担当者が顧客に好奇心を持つようになるために作りました。
よって、「好奇心」の目的を達成するものであれば、提供価値シート作成のこだわりはありません。
何でも良いと思っています。
これも、当社の経験則になりますが、若手営業担当者が飛躍するきっかけは、顧客に「好奇心」を持つことだと当社は考えています。
そうすると、表の欲求や裏の欲求等、色々なものが見えてきます。
くれぐれも、顧客に焦点が当たるのではなく、いかに自分がうまく喋るのかに焦点が当たっている限り、営業トークのロールプレイングの研修をしても空回りするだけということも肝に命じておいてください。
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