「営業の成約達人」を生み出す仕組みの作り方

代表 乾切抜き 仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第235話 顧客視点の営業活動ができているようで、できていない会社の特徴とは

「顧客視点の営業活動を実践しよう」、営業事務所の壁等に貼られている標語です。

 

さて、ここで質問です。もし、あなたの会社で「顧客視点の営業活動の実践」が大事だと考えていれば、それをどのように実践しているか言語化することはできるでしょうか。(口頭の説明で大丈夫です)

 

経営幹部はもちろん、営業責任者(所長含む)にも確認してみてください。

 

もし、この時点で言語化が曖昧であれば、「顧客視点の営業活動の実践」は、単なる掛け声だけのスローガン経営になっています。

 

では、当社では、この「顧客視点の営業活動の実践」をどのように言語化しているのかを事例を交えて説明していきます。

 

ただ、これは当社の考え方になりますので、このような着眼点があるという視点で聞いていただければ幸いです。

 

この着眼点で、何らかの経営のヒントになればこのコラムも役立っているので、嬉しいです。

 

では、事例を交えながら当社の考え方を言語化していきます。

 

3年前にあるメーカーの会社から次のスポットコンサルの依頼を受けました。

 

相談者は、経営者からでした。その経営者は、次の相談を当社にされました。

 

「我が社では、顧客視点の営業活動の実践の取り組みをしており、営業部長にその進捗を聞くと、やっていると聞いているのですが、その結果が中々見えてきません」

 

「営業部長の言葉は信じたいのですが、第3者からみて、我が社が顧客視点の営業活動がどれだけ実践できているか客観的な視点で評価をいただけないでしょうか」

 

これ以外にも細かな相談はあったのですが、要点を絞れば上記の相談でした。

 

そこで、当社は、営業部長に、「顧客視点の営業活動の実践はどのようにされていますか」との質問をしました。

 

そう、言語化の確認です。

 

営業部長は、自信満々の表情で、次のように答えられました。

 

「当たり前のことを聞かないでください、営業担当者には、顧客の悩みと願望のヒアリングを事前にしっかりとして、その後にそれに合った提案をするようにさせています」

 

この答えを聞いて、顧客の悩みだけではなく、願望も追加されていることに素晴らしいと感じ、これなら実践も大丈夫であるように感じました。なぜなら、当社も顧客の欲求を悩みと願望の2つに分けていたからです。

 

念のため、若手営業担当者を3名ピックアップして、同行営業をさせていただきました。

 

若手営業担当者にしている理由は、営業責任者をかばうことなく、忖度のない、正直な意見を聞くことができるからです。

 

そして、若手営業担当者に次の質問をしました。

 

「営業部長から、顧客の悩みと願望のヒアリングを事前に行うと聞いているのですが、悩みと願望の違いは何ですか」

 

若手営業担当者は、初めてされる質問のように、目を白黒させながら、次のように答えられました。

 

「えっ、悩みと願望の違いですか・・・。難しいことを聞かないでください、悩みも願望も一緒ですよ、コンサルの先生は理屈っぽいですね」

 

若手なので、悪気があっての回答ではありません。正直な気持ちを吐露してくれたので、当社としては嬉しかったです。

 

そして、営業の現場も確認させていただきました。

 

そこで分かったことは、顧客の悩みと願望のヒアリングは一切行っておらず、カタログに記載してある、曖昧な言葉を羅列して、一生懸命に説明に終始していました。

 

そう、顧客視点ではなく、営業担当者視点での提案です。しかも、この提案も曖昧な言葉のオンパレードで聞いていて、何が言いたいのか分からない状態でした。

 

結果、顧客からは、お決まりの言葉で、「考えておくわ」との言葉をいただき、商談が終了していました。

 

当の営業担当者は、しゃべり切った満足感で、営業活動をやり切ったという表情をされていました。

 

このコラムを継続して読まれている方は、気づかれたと思いますが、「顧客視点の営業活動」という言葉を、若手営業担当者は知っていました。

 

ただ、顧客の悩みと願望を言語化できていなかったので、知っているが、分かっていない状態でした。

 

結果、営業活動の現場では、顧客視点の営業活動ができていませんでした。

 

そう、顧客視点の営業活動の言葉は「知っている」が、具体的なことは「分かっておらず」、実践の活動は「できていない」の典型例になっていました。

 

でも、営業部長は、顧客視点の営業活動ができているつもりになっていて、真の問題の把握ができていない状態でした。

 

さて、ここからが本題です。

 

今回のコラムは長文になりますが、これが理解できると若手営業担当者の成績を簡単に上げることができますのでもう少しお付き合いください。

 

本来は、個別コンサルで公開している内容ですが、緊急事態宣言が延長されたことから、なんとしても成果を出して欲しい思いがありますので、長文のコラムにお付き合いください。

 

そして、ここからは当社の考え方になりますので、考え方に合わないと感じた時点で読むのをやめていただいても大丈夫です。

 

まずは、提案営業における3つの視点の考え方です。

 

コラム文章にも出てきましたが、顧客の悩みと願望ですが、実は、もうひとつ知って欲しいことがあります。

 

それは、「現象」です。

 

そう、3つの視点とは、「現象」と「悩み」と「願望」です。

 

この違いを理解できて、営業現場において実践ができるようになると営業成績がアップします。

 

この違いを図にまとめましたので、以下に記します。

当たり前と言えば、当たり前になるのですが、顧客の口から、現象だけを引き出していれば、提案活動にはならないということです。

 

「そんなことは当たり前だろ」という声が聞こえてきそうですが、あなたの会社のホームページあるいは提案書、もしくは競合他社のホームページを少し確認してみてください。

 

こんなことに悩んでいませんかと書いてある文章に、現象のことを書いてあることをよく見かけます。(これは第3者だから客観視できるから見抜けます。自分視点になるとここが案外盲点です)

 

あるいは、意識して、悩みのことを書いているのか願望のことを書いているのかをチェックしてみてください。(案外、無意識で書いていることに気づかれます)

 

ある会社で演習として、主力製品における、顧客の悩みと願望をホワイトボードに書いていただきましたが、5割が現象の表現になっていました。

 

現象の言葉から、悩みを連想させるという意図があれば問題はないのですが、その意図がなければ、大問題であるということを認識してください。

 

そう、現象からは、提案活動にはつながらないからです。

 

ここ大丈夫でしょうか。

 

現象は、もう一歩、質問で踏み込んで悩みにして、顧客に喋っていただかないといけないからです。(釈迦に説法ですが、営業担当者が顧客の悩みを喋ってはいけません、悩みは顧客が喋って初めて認識されるからです)

 

ここまで大丈夫でしょうか。

 

悩みと願望が分かれば、このキラーフレーズを作ることができます。

 

「○○(願望)したいけど、○○(悩み)できない」ということはありませんかという、潜在化のニーズを聞き出す質問です。

 

もう少し掘り下げると次のような営業トークなります。

 

「御社では今期の部門方針で○○の取り組みを掲げておられましたが、○○を取り組む中で、○○の問題に直面される同業の取引先の声をよく聞きます。そんなことはありませんか。」(中略)

 

「でも、その取引先もあることをきっかけにして、その○○の問題を解決されているのですが、もし興味があればそのお話ができるのですが、いかがでしょうか」

 

実際の営業現場では、もう少しアレンジしますが、基本の型を示せばこんな感じです。

 

そして、この○○も思い付きで喋るのではなく、会社のノウハウとして見える化をしておく必要があります。

 

見える化をしておけば、常にバージョンアップして、自立型人材の育成が進めば、新しい価値が見つかるからです。

 

多くは語りませんが、未来の願望にヒントがあります。(過去のコラムで、詳しく説明した記憶はありますが、何話か忘れてしまいました・・・)

 

当社のコンサルでは、この見える化をA3用紙1枚にまとめた「提供価値シート」にしています。

 

主力製品に対して、「顧客の悩みと願望は何個ありますか」という質問に対して、即答ができる会社は、「提供価値シート」に近い形の見える化したものがあります。

 

即答できない会社は営業が属人化しています。

 

無茶苦茶、長文になりましたので、大事なポイントを簡潔に述べます。もう一度、以下の図を記します。

この図の願望と悩みに表記されている文章をみてください。ここに記載されていることが顧客情報として、データーとして登録されているでしょうか。

 

そして、この情報を収集するタイミングはいつになるでしょうか。

 

当社の経験則では、トップセールスの方は、この情報をパソコンではなく、手帳等に細く記録されていました。

 

なぜなら、この情報を質問に変えて、潜在顧客の発掘をされていたからです。(キーマンが部門責任者の方であれば、部門方針や経営方針、あるいは目標等の情報のヒアリングは欠かせません)

 

参考までに、提案営業における顕在化と潜在化の違いについて、図にまとめましたので、以下に記します。

今回は長文になりましたので、上記の図の説明は割愛します。

 

最後にまとめます。

 

もし、あなたの会社で、「顧客視点の営業活動を実践しよう」を大事にしているのであれば、その活動を言語化することはできるでしょうか。

 

そして、顧客の悩みと願望の違いを理解して、現象で終わっていないかをチェックしてみてください。(現象になっていれば改善のチャンスがあります)

 

さらに、それを営業トークにまで落とし込んで、顧客理解のリサーチの場として実践することをお勧めします。

 

そこで、発見できた、新しい願望のキーワードと自社の主力製品を結びつけることができれば、独自価値ができあがります。

 

それを提案書に事例とセットして落とし込み、拠点展開をしていれば、横展開を通じて、売上アップを早期に見込むことができます。

 

実践あるのみです。

 

追伸)前回のコラムの追伸で記載した、営業戦術の言語化で、「社員のモチベーションアップの取り組み」ですが、少し補足をしておきます。

 

「社員のモチベーションアップの取り組み」の言語化がまずいと言っているのではありません。

 

言語化は、その会社の社風を決めるので、当社はなんでも良いと考えています。(営業は、気合と根性という考え方でも良いと思っています。それを信念にしているのであれば・・・)

 

前回のコラムの追伸の意図は、飲み会でお茶を濁すのではなく、営業メンバーと真の課題について、膝を突き合わして話し合ってくださいということが言いたかっただけです。

 

飲み会で、真の課題を話し合えていれば問題はありません。ただ、その場の雰囲気の盛り上がりだけで気分をよくしているだけでは、何の問題解決にもならないということが言いたかっただけです。

 

これは、営業会議も同じことが言えます。

 

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