仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第234話 営業戦術の取組は、営業トークの勉強をすれば良いのですか
「営業の凡人レベルの営業戦術で、効果があるのは、乾先生が提唱している、独自の価値づくりと質問形式の営業トークの2つですか」
先週のコラムを読まれた方からの質問です。
初めてこのコラムを読まれる方には、意味が分からないと思いますので、当社が提唱している、凡人レベル(60点)の営業担当者を育成する営業の仕組みの図を以下に記します。
この図では、凡人レベル(60点)の営業担当者を育成する営業の仕組みとして、営業戦略の見える化と営業戦術の見える化が必要であることを記しています。
この図を見て、質問者の方から、「営業戦術においては、当社が提唱する、独自の価値づくりと質問形式の営業トークに取り組めば効果が見込めるのですか」という質問でした。
当社の答えは、「N O」です。
「言っている意味が分かりません、乾経営のホームページには、営業戦術において、独自の価値づくりと質問形式の営業トークの2つのことを書いているのでは」という声が聞こえてきそうですね。
はい、確かに書いています。
でも、当社の答えは、「N O」です。
理由は、営業戦術において、何をするのかに焦点が当たっている限り成果は出ないからです。
ここ大事なので、もう一度、繰り返します。
「営業戦術において、何をするのかに焦点が当たっている限り成果は出ない」です。
その理由は、個別コンサルでしか話していないのですが、ここを間違えると成果が出ないのでコラムで急遽公開することにしました。
ただ、これは当社の経験則から導き出したものなので、正解・不正解を言っているものではありません。
このような切り口があるという視点で聞いていただければ嬉しいです。
当社では、営業戦術を機能させるためには3つの取組みステップがあることを提示しています。
この3つのステップをまとめましたので、以下の図で記します。
営業戦術で何をするのかは、ステップ3に該当します。勘の良い方は気づかれたかと思いますが、ステップ1とステップ2があって、ステップ3の営業戦術は何をするのかが決まるということです。
でも、多くの会社では、ステップ1とステップ2を飛ばして、いきなりステップ3を考えるので成果が出ていないのではと感じています。
これだけの情報だとイメージができないので、もう少し具体的に内容に踏み込んでいきます。
ステップ1は、営業戦術の考え方の言語化です。当社では、考え方の切り口として3つ用意しています。(詳細は過去コラム227話を参照してください)今回は、その3つの切り口のひとつの言葉の定義を使います。
そう、営業戦術の言葉の定義です。
ここで質問です。
あなたの会社の経営幹部は、営業戦術の言葉の定義は何にしていますか。
当社では、「年間売上目標達成のシナリオを実現するための具体的手段(取り組み)」という表現にしています。
ただ、これだと「ふわっ」としていますので、個別コンサルでは、もう少し具体的にしています。(ホームページでは少し格式を高めるためにこのような表現にしています)
個別コンサルで定義している営業戦術は、「顧客と1対1になった時に成約率を高めるために必要な取組み」です。
そう、「顧客と1対1になった時に成約率を高めるために必要な取組み」です。
ホームページ上では、誤解があってはいけないので、この表現は使わずに、「ふわっ」とした表現にしています。
ただ、この言語に正解・不正解はありません。会社独自で決めることができるからです。
ある会社では、ヒアリングの結果、営業戦術は、「営業担当者をやる気にさせる取組み」になっていました。
まずは、言語化をしてみてください。
次にステップ2です。実は、このステップ2について、できていない会社が多いように感じています。(分かったつもりになっているという意味です)
ここからは、実例の話をします。あなたの会社もこのようなことが起こっていないかセルフチェックをしてみてください。
A社では、営業戦術の課題として次のことが取り上げられました。
「営業トークの応酬話法ができていない」ということでした。
要は、顧客からの反論に対して、的確な回答ができていないので、受注のチャンスを逃しているということでした。
よって、営業のロールプレイングを通じて、営業トークの応酬話法を身につけさせることを優先課題にあげていました。
そして、10年前になりますが、当社に営業のロールプレイングの研修支援の依頼をいただきました。
研修後、若手営業担当者を何名か選抜して、営業の動向をさせていただきました。
そうすると、営業トークの応酬話法以前の問題であることが分かりました。
その問題を要約すると次の3つになりました。
1、顧客が主役ではなく、営業担当者が主役で、いかにうまく話せるかが焦点になっていた。よって、カタログ等を使って流暢(りゅうちょう)に話をすることがメインになっていた。
2、顧客に提案するメリットの表現が曖昧で、顧客の頭の中に具体的なイメージをしていただくことができていなかった。(あえて、分かりやすく言えば、この製品はすごく能力が高いですよというような表現)
3、顧客の悩み・願望を理解せずに、自社製品のことを一生懸命に話そうとしていた。違う表現にすると、顧客情報を理解せずに、伝えることだけにしか意識がなかった、あるいは顧客情報が無かったので活用ができていなかった。
上記の3つですが、当社が1000人以上の営業スタッフと関わってきた中でも、同様のことが起きていました。(大体、上記の3つに集約されるように感じています)
まとめると、A社においては、営業トーク以前の問題が多かったということです。
そう、このステップ2で真の原因を把握していないと、ステップ3の取組は空回りするということです。
当然、このA社で営業戦術を営業トークの応酬話法に取組んでも、空回りすることは目に見えています。
このことから、当社では、営業トークの前に独自の価値づくりに取組んでいただくようにしています。
これがない状態で、営業トークのロールプレイングを行っても瞬間風速の空回りが続くだけだからです。
空回りが続けば、最後は気合と根性で乗り切るしかありません。気合いと根性も大事だと思いますが、これは打ち手がない会社がよくやっている方法でもあります。
そして、コラムが長文になりましたので、もうひとつ大事なポイントを手短に伝えます。
3つの問題点を書きましたが、1番の問題は、営業担当者が自分視点で顧客視点になっていなかったということです。
そう、顧客に好奇心がないということです。
好奇心です。
多くは書きませんが、難しい営業テクニックを勉強するのではなく、顧客に好奇心を持てる営業戦術の仕組みになっていれば営業成績はアップします。
よって、当社のコンサルティングで、提供価値のシートを作る時には、必ず、顧客の悩みと願望を連結するようにしていただいています。
また、質問形式の営業トークの第1ステップは顧客の現状確認の質問から入るようにしています。
これは、営業担当者が自分視点ではなく、顧客に好奇心を持っていただくような仕掛けにしているだけです。
今回のコラムもだらだらと話が逸れてしまったので、最後にまとめます。(前回のコラム同様、少し強引ですが・・・)
営業戦術は何をするのかが大事なのではありません。
営業戦術の言葉の定義をして、その言葉の定義を実践する中で、真の課題は何かを見抜くことです。
真の課題を見抜いていない状態で、何をすれば良いのか、流行りの営業手法に飛びついている限りは上手くいかないということです。
あなたの会社では、営業戦術の言葉の定義が明確で、その真の課題も明確になっているでしょうか。
真の課題が把握できていない限り、どんな営業戦術を行なっても空回りするだけです。
追伸)最後に余談です。コラム文章の途中に掲載した、営業戦術の言葉の定義を「営業担当者をやる気にさせる取組み」にしていた会社はどうなったかということです。
この会社では、ステップ2の課題を営業担当者のモチベーションが低いということを課題にされていました。
営業担当者のモチベーションがアップすれば営業成績が向上すると考えていたからです。
そして、ステップ3は、社員のモチベーションを高めるための取り組みとして、飲み会を行っていました。
飲み会を行うと、瞬間的なモチベーションはアップします。ただ、モチベーションのアップは瞬間的なものなので、営業成績のアップとの連動は実現していませんでした。(瞬間的な売上アップはありますが、再現性が乏しかったということです)
でも、この会社では、営業担当者のモチベーションアップのために、飲み会の頻度をさらに増やそうとしていました。それでもうまくいかない時の施策として、社長賞の特別賞与も考えていました。
さて、多くは語りませんが、この会社の問題点が見えてきそうでしょうか。案外、このような問題点を抱えている会社が多いようにも感じています。
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