仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第221話 営業における顧客への価値提案が知っているつもりで終わっていませんか
先週のコラム(220話)で、新人営業担当者が営業トークを勉強する前に押さえて欲しい顧客価値の基本の型について話をしました。
念のために、その時に掲載した図をもう一度、以下に記します。
これは、あくまでも当社で推奨している基本の型なので、絶対というものではありません。
私が、30代の時に1,000人以上の方とお会いした時に、凡人でも成果が出ている人の共通点を導き出したものなので・・・。
今日のコラムは、この基本の型を押さえることができれば、そこから独自の価値を作る方法のひとつをご紹介します。(数ある中で一番簡単な方法になります)
この方法は、やり方さえ分かれば、どの会社でも活用ができます。
で、紹介の前に、前回のコラムの顧客価値の基本の型を実践する上での落とし穴だけ、先に話しをさせてください。
というのも、コラム読者の方から、「当社は、顧客の悩み・願望をホームページにも掲載しているので、先生が言われている顧客視点の守破離の守は実践していますよ」とのメールをいただいたからです。
嬉しいメールだったので、その会社のホームページを見ると、ある落とし穴にハマっていることに気付いてしまいました。
多分、この落とし穴は、他の方にも当てはまるかもしれないと感じ、その内容を急遽シェアすることにしました。
そのシェアとは、「知っている」=「分かっている」=「できている」になっているかということです。
上記の図を見て、「知っているつもり・・・」、「分かっているつもり・・・」、「できているつもり・・・」の「つもり・・・」になっていないかということです。
そう、「つもり」です。
メールをいただいた会社は、顧客の悩みと願望の違いを知っているようで知っていなかったということが後日のメールのやり取りで、判明してしまいました。
なぜ、顧客の悩みをひとくくりにするのではなく、敢えて、悩みと願望の2つに分けているのか・・・。
これには意味があります・・・。
これについては、あくまでも当社の考え方なので、このような着眼があるという視点で聞いていただければ嬉しいです。
コラムでは、顧客の悩み・願望の2つに分けていますが、個別コンサルの時は、起きている現象、顧客の悩み、顧客の願望の3つにしています。
顧客の悩みの前に起きている現象をひとつ加えています。
ここで、コラム読者のあなたに質問です。(当社のクライアントの方は、この質問には答えられるようにしておいてくださいね)
起きている現象、顧客の悩み、顧客の願望の違いを1分以内で言語化することはできるでしょうか。簡単なキーワードレベルでも構いません。
ちなみに、当社では、現象と悩みと願望の違いを以下の2つの図にまとめています。
この図で、大事なのは、現象と悩みとの違いです。
現象は悩みになっていないので、いくら認識させても購入には繋がらないということです。
このコラム読者の方は、製造業の方が多いと思うので、製造業向けの現象の例をあげます。
例)○○の材質が湿気で機能変化を起こしている。
これは、悩みではなく現象です。
この現象を通じて、どのような悩みが発生しているのか、これを言語化したものが悩みです。
当たり前のことを言っています。
ただ、悩みと願望は顧客がそれを認識していただかないといけません。
現象の言葉から悩みを即座に連想できれば問題はないのですが、そうでなければ、もう一歩、踏み込まないといけないということです。
言っていることが難しそうでしょうか・・・。
勘の良い方は理解できると思いますが、メールの相談者のホームページに書かれていた顧客の悩みの10個をよく見ると、5個が現象、3個が悩み、2個が願望になっていました。
このことを理解して、書いてあれば良いのですが、メール相談者のホームページには、お客様が抱えているお悩みベスト10と書かれていたので、そこまでは認識できていないように感じたので、確認のメールをしました。
そうすると、次のことが分かりました。
「知っている」≠「分かっている」の状態になっており、結果、「できている」には、なっていなかったということです。
このことが分かれば、是非、競合他社のホームページをチェックすることをお勧めします。
もし、競合他社が「このようなお悩みはありませんか」という表示があれば、その文章をよく見てください。
その文章が現象のパターンが多ければ、その会社の営業は、属人化になっているケースが大なので、競合が性能の良い製品を持っていても、営業担当者で差別化できる場合もあります。
現象が多いということは、顧客の悩みと願望の重要性を分かっているようで、分かっていないからです。
ここで、先にお詫びしておきます。
冒頭で、独自価値の作り方の話をすると言っていましたが、補足の文章が長くなりましたので、次週にさせてください。
その代わり、個別コンサルで話をしている内容で、もう少し補足できることを追記していきます。
前回のコラムを「知っている」で終わるのではなく、「分かっている」まで落とし込むことで、これだけでも競合の営業担当者と差をつけることができるからです。
もう一度、以下の図を見てください。
前回のコラムは、この図では、価値の具体事例が大事であることをお伝えしました。
これは、何が言いたいのかというと、競合製品が自社製品と同じ悩み・願望と提供価値を言っていても、価値の具体事例が異なれば、これだけも差別化はできるということです。
ここ、大事なので、もう一度、繰り返します。
「価値の具体事例が競合と異なれば、これだけでも差別化になる」です。
これも、独自価値の一つになります。
特にカタログ営業をしている会社の営業担当者は、価値の具体事例が曖昧なので、営業の説得力にかける場合があります。
このことから、一般的に商社営業の方は、提案営業ではなく、取り扱いメーカーのブランド力を借りて営業をしているとよく言われています。
ブランド力と価格訴求力の2つ提供価値で勝負しているパターンが多いからです。この2つの価値であれば、価値の具体事例がなくても通用するからです。
このことが理解できると、競合の営業ツール等を入手することができれば、顧客の悩み・願望、提供価値、価値の具体事例の何が当社と違うのかを比較検討をしてみてください。
競合の営業ツール等の入手が困難な場合は、競合のホームページでも構いません。
案外、悩み・願望と提供価値が同じでも、価値の具体事例で差別化ができることに気付かれるでしょう。
あるいは、競合のホームページで、顧客の悩み・願望にズレを発見できることもあります。その場合は、その会社の営業担当者は属人化しているはずなので、攻め込むチャンスはあります。
さて、最後にもうひとつだけ補足をしておきます。
顧客の悩みと願望の違いです。
悩みは、どちらかというと、今起こって困っていることです。
そう、今です。
願望は、どちらかというと、将来、実現したいことです。
そう、将来です。
細かく書くと長くなるので、ニュアンスだけを汲み取っていただければ嬉しいのですが、悩みはどちらかというと担当者レベルの方がよく感じていることです。
願望は、決済者(経営幹部クラス)の方がよく感じていることです。
そうすると、担当者には、悩みレベルを言って頂いて、提供価値と具体例に結びつけ、決済者には、願望レベルを言って頂いて、提供価値と具体例に結びつけると成約率は高まります。
提案する人ごとに内容を少し変えるイメージです。トップセールスの方は、これを無意識に行っています。
担当者には、現状の痛みを避ける方法の話をして、決済者には、将来の快楽を与える話をするイメージです。
これが分かるようになると、担当者レベルでは提案は通るが、決済者レベルでは提案が通らない意味合いが理解できることでしょう。(金額が50万円未満であれば悩みレベルだけでも問題はないでしょう、100万円を超えるあたりから願望レベルも意識すると良いかもしれません)
あるいは、相手企業の経営トップにこちらの経営トップが話をするとすぐに決まることを目の当たりにしたことがあるかと思います。これは、信用の訴求か願望の訴求のどちらかのケースの場合が多いです。(信用の訴求とは、あなたが言うのなら買うと言うレベルです)
まとめると、悩みには、痛みを避ける方法で、願望には快楽を実現する方法を具体的にイメージしていただくということです。
このことをできるようにするために、以下の図のことをまとめた、提供価値シートを用意すれば、「分かっている」から「できる」に変わっていきます。
「見える化」することで、上司と部下が同じ情報を共有化することができるからです。
ポイントは見える化です。この見える化したものを誰でもできるように、営業ツールに落とし込んでいきます。
そして、この悩みではなく、顧客の願望を追求すると独自の価値を簡単に作ることができるようになります。
ポイントは、願望です。
これについては、今回話す予定にしていましたが、前回のコラムが分かったつもりで終わって欲しくなかったので、補足を長めに説明しました。
次回は、独自の価値づくりについて話をします。
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