仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第410話 戦略と戦術を同時推進し、営業リーダーが組織を牽引するために必要なノウハウとは
はじめに:売上目標を達成し、持続的な成長へ
「どうすれば売上目標を達成し、会社を継続的に成長させられるのか」。
多くの経営者や管理者の皆様が抱える永遠のテーマではないでしょうか。
実は、この問いに対する答えは、一つの魔法のような方法ではなく、複数の視点を組み合わせた総合的なアプローチにあります。
そこで今回は、「実践的な戦略と戦術の同時推進」「裏付け計画の策定」「計画と実行のバランス」「組織風土の改革」という4つの柱にフォーカスし、それぞれを深掘りしていきます。
「言うは易く行うは難し」をどう乗り越え、成果を出し続ける組織をつくるのか。
この記事が皆様のビジネスの発展に役立ち、明日からの経営のヒントにつながれば幸いです。
戦略と戦術の同時推進:成果を出すための両輪
企業として売上目標を達成しようとする際、「どうしても日々の営業活動のみに注力してしまう」「大きなビジョンはあるものの、具体的な行動に落とし込めない」といったケースは珍しくありません。
しかし実際には、長期的な方向を示す“戦略”と、現場が動くための“戦術”を同時に回していくことが成功のカギとなります。
1)戦略と戦術がなぜ重要なのか
戦略は、目指す未来の姿やゴールを描きながら、そこに至るための道筋を示す“地図”のような役割を果たします。
一方、戦術は、その地図を頼りに“具体的にいつ、どこを通り、どう進むか”という詳細を固めるイメージです。
いくら優れた地図(戦略)があっても、実際にそのルートで走行する手段(戦術)がなければ前進できませんし、逆に現場が行動を起こしていても、進む方向がバラバラでは成果につながりません。
2)中小企業こそ戦略と戦術の同時推進を
中小企業では、人材・資金・時間などの経営資源がどうしても限られてしまいます。
そのため、「やるべきことが多すぎて、どれも中途半端」「計画だけ立派で、実行に移す前に頓挫する」という状況になりがちです。
だからこそ、戦略と戦術を連動させ、一点集中で成果を最大化することが不可欠です。
たとえば「来期は顧客数を◯%増加させたい」といった明確な目標を設定したら、「どの顧客に、どの製品を、どのように販売すればその目標に近づけるのか」を具体的なレベルまで落とし込む必要があります。
3) 戦略と戦術の同時推進の具体例
戦略と戦術を同時に回す際、まずは「どの顧客に、どの製品を、どのように販売するか」という軸を明確にし、それを年間の売上計画に落とし込みましょう。
さらに、それを実行するために「誰が、いつ、何をするのか」を定義しておきます。
ここで「誰が」が曖昧になると、結局誰も動けなくなってしまうのはよくある話です。
リーダーが中心となり、全員が理解できる形で計画を共有し、実行を促すことが成功への第一歩です。
裏付け計画:目標達成への道筋を明確にする
次に重要なのが「裏付け計画」。
これは、売上目標を達成するために必要な戦略や戦術を、具体的なステップに落とし込んだものです。
1)裏付け計画の重要性
「今期は売上を前期比で10%アップしましょう!」と意気込んでも、具体的な裏付けがなければ、ただのスローガンで終わってしまいがちです。
そこで、まずは“現実的な計画”を立て、さらに“いつまでに何を行うか”といったステップを明確にすることが目標達成のカギとなります。
2)最低限実施すべき4つの裏付け計画
裏付け計画を立てる際、多くの企業で見落としがちなポイントを4つ挙げてみましょう。
ここを押さえるだけで、計画の実行度合いが格段に変わってきます。
裏付け計画:4つの裏付け
1) 拠点別の裏付け計画
拠点ごとに売上目標を設定し、それに沿った戦略を明確にします。
「地域が異なると顧客層も違う」という理由だけでなく、拠点ごとの営業力や特性に合わせたアプローチが必要です。
2) 製品別の裏付け計画
製品によって利益率や販売チャネルが異なるため、売り方・宣伝方法も変わります。
製品ごとの特徴を理解しながら、どの製品を優先的に売り出すのかを決めると、目標達成への道筋がスッキリ見えてきます。
3) 担当者別の裏付け計画
担当者ごとの目標設定や行動計画を具体化することで、「自分が何を達成すべきか」が明確になります。
業種や企業規模に関わらず、現場のモチベーションは“明確な目標”があるかどうかで大きく変わるものです。
4) 既存顧客の増販の裏付け計画
既存顧客は、新規顧客に比べて販促コストが低く、安定した売上をもたらす可能性が高い大切な存在です。
その顧客に対してどのようにアップセルやクロスセルを行うのか、具体的なシナリオを用意することが更なる成長の鍵となります。
計画と実行:50%の計画と50%の気づき
ローリングプランや柔軟な対応が求められる現代のビジネス環境では、最初に立てた計画通りにすべてが進むとは限りません。
そこで大切なのが「やってみて分かることを、すぐに活かす」姿勢です。
1)計画と気づきのバランス
計画は「将来の行動を予測し、最適化する」ためのものですが、市場や競合の状況は日々変化します。
そこで、計画通りにいかない部分を想定しながら、常に柔軟に対応できる体制を整えておくことが求められます。
加えて、実践の中で生まれる新しい発想や気づきを見逃さず、次のアクションに反映させていくことが成長のエンジンとなります。
2)計画50%、気づき50%
「計画どおりに進める」ことだけに固執すると、予想外のチャンスや変化に素早く対応できなくなる恐れがあります。
そこで「計画:気づき=50:50」のバランスを意識しておくと、実行しながら学び、学んだことをまた次の行動へと活かす“好循環”を生み出しやすくなります。
3)営業リーダーの役割
営業リーダーや管理職の役割は、優先順位を整理し、「どの業務をやり切るのか」を決定することです。
たとえば複数の課題が見つかったとき、すべて平行して進めようとすると、どれも中途半端に終わるリスクがあります。
真の課題を見極め、優先度をつけて取り組む。
これを組織に浸透させることで、計画と実行の両方をビシッと進められるようになります。
組織風土改革:チャレンジを奨励する文化を醸成する
最後に見逃せないのが組織風土の改革です。
どんなに優れた計画を立てても、社員一人ひとりが動かなければ成果にはつながりません。
そこで、互いを応援し合いながら大胆にチャレンジできる環境をつくることが重要になります。
1)チャレンジこそ成長の機会
新しい学びやアイデアは、失敗やトライアル・アンド・エラーの過程から生まれることが多いものです。
「失敗=リスク」ではなく、「失敗=新しい成功の種」と考え、社員の挑戦を前向きに後押しできる文化があれば、企業としての可能性はさらに広がります。
2)批判ではなく応援する文化
チャレンジした人を批判して萎縮させるのではなく、周囲が応援し合うことで組織の結束力は加速的に高まります。
「あの人はいつも変わったことをする」と陰口を叩くのではなく、「面白そうだから協力しよう」と声をかける。
そうした積み重ねがイノベーションを生む土台となります。
3)日常業務から風穴を開ける
組織風土の改革というと、経営トップのリーダーシップが注目されがちです。
しかし実際には、日常業務を担う社員一人ひとりがちょっとした気づきや行動を起こすだけでも、風通しは驚くほど変わるものです。
「私がやらなくても」「どうせ無理だ」と思わず、誰かが一歩を踏み出すことで、周囲も少しずつ変化し始めます。
まとめ:4つの柱が生み出す相乗効果に期待
ここまで紹介してきた4つの柱、「戦略と戦術の同時推進」「裏付け計画の策定」「計画と実行のバランス」「組織風土改革」は、実は互いに密接に関わり合っています。
たとえば、戦略と戦術が明確になればなるほど、裏付け計画を立てやすくなり、実行もしやすくなります。
そして、実務での気づきを柔軟に活かせる組織風土があれば、よりスピーディーに成果を出すことが可能になるのです。
中小企業の経営者や管理者の皆様、常に変化するビジネス環境に適応するためにも、まずは「自社の戦略と戦術がしっかり連動しているか」「裏付け計画が具体的で、実行しやすいものか」「計画と実行のバランスはうまく回っているか」「チャレンジを応援する組織風土が根づいているか」を振り返ってみてはいかがでしょうか。
少しずつでも、できることから実践することで、大きな成果への一歩を踏み出せるはずです。
皆様のビジネスが、より良い方向へ転がっていくきっかけとなれれば幸いです。
今後の挑戦を、心から応援しています。
