仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第78話 営業プロセスの数値目標で、営業担当者をマネジメントする時の落とし穴
営業のマネジメントで、数値の結果だけの管理は二流ということを聞かれたことがあるでしょうか。
そこで、多くの企業が、その結果をもたらす営業プロセスの数値も管理して営業活動の結果を高めようとされています。
そして、この営業プロセスの数値を高めるために、ゲーム的な要素を取り入れて、営業活動を楽しく取り組めるように工夫されている会社もあったりします。
ただ、この営業プロセスの管理もあることを意識せずに取り組めば、初めは良いのですが、後々、営業成績が急降下してしまいます。
そう、営業プロセスの管理をゲーム感覚のように楽しくやるという手法が流行っていますが、営業マネージャー以上になれば、このあることを意識して営業プロセスの管理を着手していれば良いのですが、ゲーム感覚を意識しすぎて本末転倒になっていたりします。
まず、そのあることをお話しする前に、営業プロセスについて簡単に説明しておきます。(知っている方も少しだけお付き合いください)
簡単に言うと、営業活動の結果を得るために、どのような行動を取っているのかを要素分解したものを営業プロセスと言います。
行動の要素分解であるため、基本形はありますが、これが正解というのはありません。その企業がマネジメントしやすいように要素分解すれば良いことです。
ちなみに、当社は、種まき→育成→刈取りの3ステップに要素分解しています。
ある会社では、7ステップに要素分解をされていました。ここでは、何ステップが良いのかという議論は差し控えます。自分たちがマネジメントしやすいように営業活動を要素分解してください。
ただ、当社がなぜ、営業プロセスを3ステップにしているかというと、「シンプルにすればするほど実践スピードが上がる」という考え方を持っているからです。
ここ大事なのでも、もう一度、繰り返します。
「シンプルにすればするほど実践スピードが上がる」です。
こうして、営業プロセスが出来上がれば、結果を達成するためのプロセスの目標数値を決めます。
例えば、1件成約するためには、3社の育成企業を獲得する、成約率は30%。3社の育成企業を獲得するためには、9社の種まき企業を訪問する、見込み化率30%。9社の種まき訪問するために、27社の情報見込みリストを作成するという感じです。
そして、成約率を30%にするために、押さえておくべき管理ポイント等を明確にして、営業活動で実践していきます。
当たり前といえば、当たり前ですよ。でも、この数値化が企業ごとにあります。
私がサラリーマンコンサルタントの時代に、展示会のイベントを個人に面談して来場約束を取るということを行っていました。営業プロセスでいうと、来場約束率です。今までは、10%以下だったものが50%以上に引き上げました。(単純にこのプロセスが5倍になると売上の結果も2倍以上になりました)
そして、この50%以上に引き上げるのは、誰がやっても50%以上になるように押さえておくべき管理ポイントを明確にし、実践していただいていました。
ここまでのお話しをすると、「乾先生、営業プロセスのマネジメントをしっかりやれば、結果も付いてきますよね。落とし穴なんて無いじゃないですか。この営業プロセスの数値を上げるためにゲーム感覚で取り組むのに何が問題なのですか」という声が聞こえてきそうですね。
営業プロセスは、科学的管理手法なので、否定はしていません。当社のコンサルティング現場でも、営業プロセスの数値目標を設定していただいています。
ただ、営業プロセスの管理で注意していることがあります。
あなたの会社では、営業プロセスの管理で注意していることは何でしょうか。
これが、営業プロセスを行う上で大事にしている考え方です。
考え方のない、管理は、管理することが目的になってしまい、本末転倒になってしまうからです。
考え方なので、正解・不正解はありません。ちなみに、当社の考え方は以下になります。
「営業プロセスありきには、ならない」です。
「えっ、言っている意味が分かりませんよ」という声が聞こえてきそうですね。
「営業プロセスありきには、ならない」ということをお伝えすると、多くの方が頭の上に?マークをつけておられていました。
でも、勘のいい人は、「そうですよね」との返事をいただきました。
では、「営業プロセスありきには、ならない」の真意を説明します。
営業プロセスを数値化して、取り組み内容を具体的にして実践活動を行い、成果が出れば嬉しいものです。
先ほどの例でいえば、来場約束率が10%から50%になった瞬間です。そして、もっと来場約束率を高めるために、ゲーム要素を高めて実践すると最高80%まで伸びたこともありました。(結果の売上も3倍以上になりました)
上記だけを見るとチームワークが出来ていて良いように見えます。
実は、この後に、落とし穴があったのです。
その落とし穴とは・・・・。
お客様が不在になってしまったことです。
ここ大事なので、もう一度言います。
お客様が不在になってしまったことです。
言わんとすることは理解できるでしょうか。
営業プロセスで一定の成果が出だすと、やり方に固執していきます。本来は、お客様に貢献するためにやり方があるのですが、お客様が不在でやり方だけが前面に押し出される形です。
これが、営業プロセスの落とし穴です。
営業プロセスの数値管理を始めた時は良いのですが、ある一定の成果を収めると、お客様が不在になり、やり方がメインになってしまいます。
お客様がメインではなく、やり方がメインになっているという感じです。
この現象になると、営業プロセスの数値は、良い感じなのですが、最後の結果が思ったように伸びていなかったりします。
お客様も人間なので、やり方がメインの営業マンに対しては、信用を置くことが出来なくなっているのかもしれません。最後の成約の場面で他社を採用していたりします。
逆に、やり方は、滅茶苦茶でも、お客様のことを一生懸命に理解して、自社のことを一生懸命に理解していただくことに努めている営業マンの方が、営業プロセスの成果は悪くても成約の結果が良かったりします。
なんとなく伝わっているでしょうか。
あなたの会社で営業プロセスの管理で大事にしている考え方は何でしょうか。
お客様が不在のマネジメントにはなっていないでしょうか。
お客様が主体で営業プロセスが実践できている会社は、地道ですが営業成績が伸びています。
