仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第77話 営業支援システム(SFA)を導入する時に押さえて欲しいこと
今回のコラムは、営業支援システムを導入する時に押さえておいて欲しい考え方について話をします。
先般、スポットコンサルティングで営業支援システムを導入している会社様から次の相談をいただきました。
「昨年の4月から営業支援システムを導入したのだが、営業部長が営業支援システムを活用せずに、営業担当者に日報入力等、入力作業だけをするように指示をしています。どうしたら営業支援システムを営業活動の更なる向上のために活用することができるでしょうか」
という、ご相談でした。
要約すると、営業支援システムを導入したが、営業支援システム活用に必要な情報を入力するだけで終わっているとのことです。
唯一、使っているのは、現場情報をタイムリーに情報発信するSNSの機能だけのようでした。
現場情報をタイムリーに情報発信するだけなら、LINE(ライン)のアプリでも良かったと嘆いておられました。
そして、その経営者から色々なお話を聞いていると、ある問題点が浮かび上がってきました。
当社が気づいた、問題点について言葉を柔らかくして、お伝えしたところ、「その視点は、無かったです」と、言われていました。
その視点とは、言われれば、当たり前のことなのですが、この当たり前のことができていない状態で、システムの導入をされていました。
さて、コラム読者の方は、営業支援システムを導入する時に重要視するのは、何でしょうか。
この答えが、営業支援システム導入する時の考え方です。
この考え方が、しっかりしているのと曖昧なのでは当然、成果が異なることは、このコラムを第1話から読まれている読者の方は理解できていることでしょう。
考え方に正解・不正解は無いのですが、今回ご相談頂いた経営者の考え方は、営業システムを導入した時に成果が出にくい考え方を持って、営業システムを導入されていました。
では、どのような考え方をしていたのでしょうか。
それは、「このシステムはどのような機能があって、どんなことが出来るのであろうか」という考え方です。
「言っている意味が分かりません。ごく普通の当たり前の考え方では無いでしょうか」という、声が聞こえてきそうですね。
はい。ごく普通の考え方ですが、上記の考え方には、大きな落とし穴があるのです。
それは、「どんなことが出来るのであろうか」という考え方です。
「えっ」、と思われるかもしれませんが、その意図について、お話をさせていただきます。
例え話として、スマートフォンで説明します。
新機種のスマートフォンを見た時に、恐らく、「どんなことが出来るのであろうか」と期待を膨らませて、色々な新しい機能を見て、自分が使っていることを夢見て購入されたことがあるかもしれません。
で、スマートフォン購入後、新しい機能を使いこなしているかというと、案外使いこなせずに、昔から使っているアプリケーションだけを使っていたりします。
これは、「こんなことが出来たらいいよな〜」で始まっているのか、「これを絶対にする」の違いだけだのように思います。
「乾先生、当たり前のことを言っていますよね」と言われるかもしれません。
でも、このことが営業支援システムを導入する時の考え方と同じに感じています。
誤解を恐れずに、敢えて厳しい言葉で表現すると、「こんなことが出来たらいいよな〜」の考え方で、営業支援システムを導入すると、営業支援システム販売会社の思うツボです。
「では、どのような考え方が理想なのでしょうか」と質問されるかと思います。
これは、あくまでも当社の考え方なので、こんな考え方もあるのだなという視点で聞いていただければ幸いです。
「活用方法のアウトプットから逆算してシステムに必要な機能を選定する」です。なんか、難しく聞こえるでしょうか。
では、先ほどの経営者の考え方と並べてみて、何が違うかを考えてみてください。
経営者の考え方:「このシステムはどのような機能があって、どんなことが出来るのであろうか」
当社の考え方:「活用方法のアウトプットから逆算してシステムに必要な機能を選定する」
なんとなく、気付かれることはあるでしょうか。
ポイントは、システムありきか、活用ありきかのスタートラインが違うこということです。
余計に混乱しそうでしょうか。
敢えて、混乱を承知で、本質を表現します。
「人がシステムを使うのか、システムが人を使うのか」です。
ここ大事なので、もう一度、繰り返します。
「人がシステムを使うのか、システムが人を使うのか」です。
優秀な営業支援システムの営業担当者は、営業支援システムで何ができるかという機能説明はあまりされないと思います。
その会社のアウトプットの最大効果を高めるために、営業支援システムをどのように活用するのか、あるいは、どのようにカスタマイズするのかについて話をされています。
そう、システムが人を使うのではなく、人がシステムを使うという発想です。
で、誤解のないようにお伝えしたいのですが、営業支援システムの営業担当者の良し悪しを言っているのではありません。
経営者の考え方の問題を問うているだけです。
考え方がしっかりしていれば、どのような営業支援システムの営業担当者が来ても同じ対応が出来るからです。
もし、営業支援システムの営業担当者が未熟な方であれば、担当者を替えてもらえればいいだけです。
「このシステムはこのような機能があるのか、じゃあ取り組もう」という考え方ではなく、「営業活動に効果を発揮する、このアウトプットツールをシステム化することで、費用対効果を発揮することができる」、「このアウトプットとこのアウトプットをシステムで融合することで、新たなアウトプットツールが手に入り、それを活用することで営業の生産性はさらに向上する」という考え方です。
今回のコラムの文章は、うまく説明できていないかもしれませんが、なんとなくニュアンスだけでも理解してください。
シンプルな言葉で説明すると、システムは導入後の活用が大事なのではなく、導入前の考え方が大事であるということです。
導入前の考え方があいまいな状態で、導入後の営業支援システムの定着を考えているのは本末転倒です。
今回の事例で言えば、どのように営業支援システムの活用に着眼を置くのではなく、営業アウトプットのツールをどのようにしたいのかという所に着眼を置き直して、それから営業支援システムの活用定着に取り組むようにアドバイスを行いました。
もう一度、スタート前に戻っていただいたという感じです。
今回のような相談を受けると、多くの会社がシステムありきで、人がシステムを利用するという、当たり前の考え方が分かっているようで出来ていないかもしれないと感じたので、敢えて、コラムという文章で発信をさせていただきました。
もし、あなたの会社で営業支援システムを取り組んでいれば、「システムが人を使っているのか、人がシステムを使っているのか」について再考していただければ幸いです。
あなたの会社は、生産性を高めるはずのシステムが、システムに使われている羽目にはなっていないですか。
