仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第79話 営業マンが思った以上に成長していない時の落とし穴
売れる営業組織構築コンサルティングで、「部門長になれば、部下の人材育成というテーマで、どのテーマを教育すれば一番成長が早いのか悩んでいます」という質問をいただきます。
テーマ選定に悩んでいる方は、◯◯セールスという最新のノウハウをネット等で調べることに一生懸命になっている方もおられました。
部下の人材育成には、色々な切り口がありますので、自社に合った取り組みをして欲しいのですが、その中でも、当たり前のようで出来ていない落とし穴について、本日は話をします。
多くの方は、どのようなテーマという取組み項目に主眼を置きがちですが、取組みテーマよりももっと大事なことがあります。
この大事なこととは、当たり前すぎで書籍等には書かれていないのですが、これが出来ていなければ、いくら良い取組みテーマを見つけても、瞬間風速だけ吹いて、元の木阿弥になってしまいます。
では、この大事なことは、何でしょうか。
取組みテーマ以外で、部下の人材育成で押さえておいて欲しいことです。
これは、経営者及び営業部門長の考え方が問われる質問になります。
この問いの答えに正解・不正解はありませんが、答えに「?」が付いているようでは、部下育成に対しての重点ポイントが意識化出来ていないことになり、考え方が無いということが分かってしまいます。
考え方が無い状態で、いくら良いテーマを探しても本末転倒になってしまいます。
では、取組みテーマ以外で部下の人材育成で押さえておいて欲しい、考え方について話をします。
ポイントは、2つです。
ただ、これは、考え方なので、正解・不正解を言っているものではありません。このような視点があるのだなという感じで聞いていただければ幸いです。
まず一つ目は、重点の取組みテーマが行動レベルまでに具体的に落とし込めているかということです。
「えっ、当たり前のことでしょ」と思われるかもしれませんが、案外これが出来ていない会社が多いです。
行動レベルなので、簡単な手法は、「いつ、どこで、だれが、何を、どのように」を決めるだけになります。トヨタ等は、これが徹底されています。
そう、簡単に言えば、具体的にするだけです。でも、この具体的に落とし穴があったりします。というのは、人間は、考えるのが基本的に面倒くさい動物です。
具体的にしようとすれば、考える時間が長くなります。よって、脳が面倒くさいという信号を送り、具体的にする作業から逃れるようにしてしまいます。(多くの会社では個人任せで終わっていたりします)
よって、重点の取組みを設定して終わっているケースがあります。例え話をするのなら、本を買って読んだつもりになって、そのままに放置しているのと同じ状態です。
仮に、重点の取り組みテーマを行動レベルに落とし込んでいる企業があるにしても、具体的にまで行っていないレベルが多いです。
例えば、重点顧客を明日までにリストアップして、1週間で訪問を行い、今週勉強した◯◯営業法を実践して、最低でも3社の見込み客を獲得しましょうというレベルです。
多分、「どうしたら、3社の見込み客が開拓できるの」と思われるでしょう。
それは、営業担当者がどのような活動をするのか、具体的な行動内容がイメージできていないからです。
百歩譲って、トップセールスマンのレベルであれば、上記でも良いのですが、凡人営業マンを育てるのであれば、営業責任者が具体的な行動レベルまでに落とし込み、イメージ化できるまでにしないといけません。
具体的な行動レベルまでに落とし込むと、何が出来て、何が出来ていなかったのかが一目瞭然で分かります。
しかし、行動レベルまでに落とし込めていなければ、何が出来て、何が出来ていなかったのかが曖昧なままです。
曖昧なので、改善策も分からないことから、次月も同じ取り組みテーマを掲げて営業推進を行っていたりします。
この状態を繰り返すと、最後は、気合と根性の精神論になってしまいます。取り組みテーマどころではありません。
当たり前のことを言っていますが、重点の取り組みテーマと具体的な行動がセットになっているということが大事な考え方です。
具体的な行動がセットになっていない会社は、スローガンは素晴らしいが、中身がない会社の予兆になる傾向があるので、気をつけてください。
次に2つ目の考え方です。
具体的な行動レベルは、確実に実践できているのかをチェックができているかということです。
これも、当たり前のことを言っています。
でも、この行動レベルまでチェックできている会社も少ないように思います。
誤解しないで欲しいのですが、営業マンの管理を厳しくしろと言っているのではありません。たまに、ここのところをよく誤解されるので・・・。
言いたいことは、「安きに流れていないかをチェックできていますか」ということです。
人間は、基本、安定を求めます。安定とは、今までの経験で実行できることです。簡単に言えば、無意識で行動できるレベルです。
例え話で、単純作業などは、慣れれば、意識せずに無意識で出来るようなります。これに安住すると、新しく難しい作業が追加されると、今までの安定が壊されるので、その難しい作業に取り組むことに猛反発したりします。
何となく、意味は伝わっているでしょうか。
営業活動に置き換えると、日々、お客様から言われる行動に対応することになります。そう、受動的営業です。無意識で活動できる営業です。
取り組みテーマを決めるということは、能動的営業です。自らが意識しないと行動できないことになります。
人間は安定を求めるので、無意識で行動できる受動的営業を好みます。よって、取り組みテーマを具体的に落とし込んでも、無意識の受動的営業に時間を割いてしまっていることが多々あります。
そして、上司に報告しているのは、「忙しいので、そこまで対応はできませんでした」という回答です。
当社は、第三者的な視点でものごとが見られますので、真の理由は忙しいのではないということが分かっています。
取り組みテーマを意識化できずに忘れていたことと、安きに流れることを上司が壁になってブロックしていなかったという、この2点だけです。
ただ、上司がこの2点を指摘してしまうと、自分も仕事をしていないように思われるので、「忙しい」という理由を受け入れていたりします。
話が脱線しそうなので、まとめますね。
取組みテーマ以外で、部下の人材育成で押さえておいて欲しいことは2つです。
●重点の取組みテーマが行動レベルまでに具体的に落とし込めているか
●具体的な行動レベルは、確実に実践できているのかをチェックできているか
です。
この2つの当たり前のことが出来ていないと、あなたの会社も聞こえが良いスローガンだけの会社になる予兆があるかもしれません。
凡事徹底の重要性について、この12月に再考する機会になれば幸いです。
