仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第375話 営業の原因と結果の法則を間違えることの落とし穴!ノウハウ取得よりも時間短縮
はじめに
「営業マニュアルを作成してから1年間、実践してみたらどんな成果や気づきがあったのか?」今回は、営業マニュアルを作成し、そこから1年かけて取り組んだ気づきをまとめたコラムです。
本コラムでは、「原因と結果の法則」を正しく活用して、自社内で自走できる組織を作るためのポイントを解説します。よく言われるように、「原因を作れば必ず結果が出る」というのは事実ですが、この本質を理解しないまま突き進んでも、思うような成果は上がりません。
そこで、「原因と結果の法則」を機能させるうえで重要な考え方を、具体例を交えながらお伝えしていきます。
「コントロールできること」に焦点を当てる
経営者として「何に取り組めば売上が上がるのか?」を考えるとき、私たちはどうしても「施策」ばかりに目を向けがちです。たとえば「新しい研修を取り入れる」「営業のDX化を進める」などが考えられます。
もちろん、これらは大切です。しかし、それだけに力を入れても成果が出にくいという課題を感じた方も多いのではないでしょうか。
実は、「原因と結果の法則」の間には「試行錯誤の推進力」というものが存在します。そしてこの推進力には「コントロールできること」と「コントロールできないこと」があるのです。
● 「コントロールできること」=自分たちが主体的に取り組める領域
● 「コントロールできないこと」=外部要因など、自分たちでは操作できない領域
たとえば、朝顔の種を植えてきれいな花を咲かせたいと考えた場合、種を植えるのは「原因」です。
でも、実際に花を咲かせるには毎日の水やりなど、地道な作業(=コントロールできること)を継続する必要があります。
一方で、台風のような天候不順(=コントロールできないこと)が起これば、どれだけ丹精込めても花が咲かないこともあります。
これを営業活動に置き換えてみましょう。
「価値提案型の営業(原因)を行えば、営業成績がアップ(結果)する」という仮説を立てたとします。
このとき「提案ツールの作成」「営業トークのロールプレイング(ロープレ)」といった取り組みは、いずれも自社でコントロールできる事項です。
しかし顧客が価格ばかりを気にするとか、決済者が自分の評価だけを最優先するなど、コントロールできない要因に引きずられて成果が出ないこともあり得ます。
だからこそ重要なのは、「コントロールできないこと」に振り回されず、「コントロールできること」に注力しながら、地道にトライ&エラーを繰り返す姿勢です。
自社の中で主体的に取り組める領域をしっかり見極め、そこを着実に高めることで、底堅い成果につなげられるのです。
「場づくり」で社員の自主性を引き出す
では、どうすれば「コントロールできること」を強化できるのでしょうか。ポイントは、社員が主体的に考え、行動できる「場づくり」を徹底することです。ここでいう「場づくり」とは、設定した原因を実現するために、社員全員が自由にアイデアを出し合い、試行錯誤できる組織文化を指します。
理想は、日々こんな発言が飛び交う組織です。
●「ああしよう、こうしよう」
●「それ面白い!やってみよう!」
反対に、
・「やっても無理だよ」
・「どうせ変わらない」
・「とりあえず言われたことだけやっておけばいい」
のようなセリフが多い場合は、場づくりがうまくいっていない状態です。
そういう組織では、どんなに高性能な営業管理システムを導入したり、優秀なコンサルタントに依頼したりしても、大きな成果は期待できません。
表面的な施策だけでは根本的な「やってみよう!」という意欲を生みだせないからです。
社員が「自分たちで考えて行動する」意志を持つことは、組織が成長するうえで強力なエンジンとなります。
中小企業の場合、とくに社員一人ひとりの力が経営に大きく影響しますので、創意工夫が自然と集まる「場づくり」は欠かせません。
コンサルタントは「時間短縮」のために活用する
「コントロールできること」を自社で作り出そうと考える企業は、コンサルタントや専門家を「ノウハウの提供者」ではなく「時間をお金で買う」ための存在として捉えます。
要は、自力で試行錯誤するより、専門家の知識や経験をフル活用して早く成果を得たいという狙いです。
このような企業は、コンサルタントからもらったノウハウを鵜呑みにせず、しっかり自社用にアップデートします。
まずは「40点主義」で実践し、そこから改善を加えながら組織独自のノウハウとして定着させます。
こうしたチャレンジを繰り返し、その学びを社員同士でシェアしていく――この文化こそが、組織の強さを育む要因です。
一方で、「コントロールできること」を他社に丸投げしてしまうと、「原因さえ作れば自動的に結果が出る」という安易な姿勢になりがちです。例えば、
・「営業のDX化を進めれば、生産性が上がる」
・「営業の仕組みを導入すれば、スタッフが自立する」
といった具合です。もちろん、方向性としては間違いではありませんが、本当に大切なのは「自分たちがコントロールできることを生み出す意志」です。
せっかくのシステムやノウハウを導入しても、「それを使って何をするのか」「社員一人ひとりがどんな行動をとるのか」が追求されなければ、思うような成果にはつながりにくいのです。
まとめ
コンサルタントを上手に活用しながらも、自社ならではの強みを伸ばすためには、次の3つのポイントがカギになります。
(1)「コントロールできること」に焦点を当て、試行錯誤を繰り返す
(2)「場づくり」で社員の自主性を引き出す
(3) コンサルタントは「時間短縮」のために活用する
これらを実践していくと、「うちの会社ならではの成功モデル」が自然と築かれ、持続的な成長が見込めます。
とくに中小企業では「全社一丸となってやる」という一体感が成果を左右します。
社員一人ひとりが「主体的にコントロールできること」を見つけて挑戦し続けることで、変化の激しい経営環境でもしなやかに戦い抜くことができるでしょう。
ぜひ、「原因と結果の法則」を正しく捉えながら、社員がいきいきと動き出す組織づくりに取り組んでみてください。
試行錯誤を繰り返す先に、想像以上の成果が待っているはずです。
