仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第319話 営業の考え方(信条)は単なる掛け声だけで浸透をしようとしていますか
前回に続いて、『松下幸之助の教訓』の著者の上甲晃さんのP82に書かれている一文を紹介いたします。
『上手くいく会社の社長は綱領(こうりょう)や信条を訴え続ける』
本質を突いている言葉だと思います。本書では、松下電器の経営基本方針の事例を基にこの文章の補足解説がされています。
興味がある方は一読をお勧めいたします。
さて、ここからは当社から見た着眼点についても補足解説をしていきます。
ただ、これは当社の経験則に基づいた補足なので、絶対ではありません。ひとつの着眼点の参考になればという思いで書いています。
実践して効果が出ると感じていただければ、実践をお勧めいたします。
会社によっては様々ですが、綱領(こうりょう)や信条を経営3か年計画冊子、経営基本方針、年度経営方針、年度営業方針、仕事における考え方の冊子、クレドを印刷した名刺等を基にその重要性を訴えているかと思います。
多くの経営者が年度初めに上記のどれかを訓示として述べておられます。
ただ、年度が終わる頃になると、営業本部長等の責任者からよく聞く言葉として、「今年も営業方針の内容の推進が今ひとつで、来年も同じテーマにするか、内容を一新するか悩んでいるのですよ」があります。
まあ、年度方針を立案して、四半期単位の振り返りもせずに、年度末になって振り返っているようでは、当たり前としか言いようはありません。
このような会社の特徴として、営業会議では年度方針のことは放ったらかしにして、目の前の目標必達にしか意見交換がなく、その結果「今すぐ客」を追いかける営業活動しかしていないことが良く見受けられます。(今すぐ客の案件管理しか議論されていない状態です)
単月の目標達成をしていれば、営業会議で怒られることは少なくなるので、数字の穴埋めに奔走している感じです。
前回のコラム記事の図を引用するとこのような感じです。
今回のコラムで言いたいのは、四半期の振り返りをしてくださいということではありません。
実は、振り返り以前に大事にして欲しい考え方が2つあるということです。この2つを押さえていないと、いくら四半期に振り返りをしても上滑りの振り返りで終わる可能性が高いからです。(案外、この2つが盲点になっています)
今回は、仕事における信条を例にして2つのことを述べていきます。これを参考にして営業方針や経営方針あるいは経営理念の浸透にも応用していただければと考えています。
仕事における信条を当社では、考え方としています。
仕事を勧めていく上で大事にしている考え方です。会社によっては行動指針にしている会社もあるかもしれません。
優れた会社は、行動指針を具体的にイメージにするために、冊子にしているかもしれません。
その視点で見れば、書籍の『松下幸之助の教訓』では、経営者が押さえて欲しい考え方(信条)に該当する本になります。経営者の方には、一読をお勧めいたします。
さて、このように考え方や行動指針等を言語化はできているが、浸透までに苦労している会社をよく見受けます。
別の言い方をすれば朝礼や会議前に考え方を唱和して、考え方は「知っている」が「出来ていない」のが実情のようだったりします。
当事者はなかなか気づきにくいかもしれませんが、第3者からみれば、ここは浮き彫りになって見えてきます。
具体的には、「お客様の視点で、お客様に役立つ提案をしよう」という考え方を浸透させるために事例を交えた冊子を営業担当者に配布していても、現実はお客様の視点ではなく営業担当者の視点で今すぐ購入していただけやすい商品の話をしていたりします。
これは、営業が今すぐに目標数値を達成するために取る行動です。この行動の是非は問いませんが、考え方と真逆であることが分かって行動していれば問題はありませんが、そこに気付かずに、唱和だけ一生懸命に「お客様の視点でお役様に役立つ提案をしよう」と言っていれば本末転倒であるということです。
何となく言わんとすることは伝わっているでしょうか。営業方針も同じことが言えます。営業方針と違う行動をしているパターンです。
営業の成果の公式のひとつとして、どこに行って × 何をするのか =成果があります。どこに行って、何をするのかが営業方針と違うことをしていれば、営業方針の浸透は程遠いのは言うまでもありません。(営業方針では新規開拓の重要性を説いているのに、現実の行動は既存顧客対応がメインになっている等)
話が脱線しているので、本題に戻します。
考え方(信条)の浸透に大事なひとつ目は、考え方は体験を伴って軸になるということです。
ここ、大事なところなので、もう一度繰り返します。
「考え方は体験を伴って軸になる」です。
唱和だけでは体験を伴っていないので、考え方は軸にならないということです。
そして、体験(記憶)の定着= インパクト × 回数 の公式でも表せます。
体験の定着には、回数が必要になるということです。
1回のできたではなく、何度もできてそれが軸になるということです。
このことから当社では、考え方が単なるスローガンで終わることを防ぐために、体験の定着が軸になる営業の仕組みが必要になってくると考えています。
この営業の仕組みも単なる売上アップだけが目的では上手く機能しないと当社は考えています。当社では、考え方を浸透させるために仕組みがあるという考えを持っているからです。(ここに正解・不正解はありません)
このことから、営業の仕組みは考え方と連動して機能することについて、口を酸っぱくして伝えています。
これを図にすると以下のような感じです。
これは、「考え方は体験を伴って軸になる」を土台にした営業の仕組みになっているということです。
次にふたつ目です。
考え方(信条)は、経験年数に応じた内容になっているかです。
ここは案外盲点になっています。
というのも、全社員、一律同じ考え方を同時に取得するようになっているからです。
この話をすると多くの経営幹部から、「言っている意味が分かりません」という言葉をいただきます。
当社が言いたいのは、経験年数に応じた考え方を習得させるのが、考え方が大事であるということを認識する早道であるということです。
多くの会社では、考え方という標語は知っているが、その重要度についての理解は乏しいように感じています。考え方が単なる標語で終わっているからです。
考え方は体験を通じて、それが軸になった時に最大の効果を発揮するからです。
そう、体験がまず必要になります。
小学生に高校生の数学の授業を体験させても理解できないのは誰でも理解できることです。
新入社員に課長の仕事を体験させても理解できないのと同じです。明らかに経験が不足しているからです。
でも、考え方(信条)になると全社員共通に同じことを浸透させようとしています。
しつこいですが、考え方は体験を通じて軸になることをもう一度思い出して欲しいということです。
そうすると、考え方も経験の段階に応じたものに分ける必要があるというのが当社の考えになります。
具体的には、営業担当には営業活動に関連する考え方、営業リーダー以上の方には営業のマネジメントに関連する考え方、営業幹部以上の方には在り方に関連する考え方です。
図にすると以下になります。
当社のコンサルティングにおいては、営業活動に関連する考え方と営業マネジメントに関連する考え方の言語化と定着の支援をしています。在り方はその方の経験や捉え方が重要になるから特に表立った支援はしていません。
会社によって異なりますが、まずは、基本の型として以下の図に示した項目についての考え方の言語化をお勧めしています。
営業マネジメントで、あなたにとってマネジメントは何ですかと問われたときの答えが考え方になります。
具体的には、「社員をさぼらないように管理することがマネジメントです」と答えられた会社はマネジメントが上手く機能していませんでした。この考え方は受動型(受け身)の社員を育成するからです。
考え方が明確になれば、それを体験させて軸にすることが仕組みになります。
もう、お分かりだと思いますが、考え方が言語化されてそれが軸になっている会社が強い会社であることが明白だということです。
マネジメントという考え方が、社員をコントロールするという考え方が無意識に浸透しているのに、指示待ち社員を無くす取組みの研修を社員に受講させても無意味であるということです。
研修を受けさせる前に自社の考え方を見直す方が先になるからです。
そして、営業活動についても、営業活動に関連する考え方を習得させるための研修であれば、その研修を受講後、体験のステップにつながりますが、そうでない場合は、研修を受けて勉強になりましただけの何も身にならない時間を過ごしただけになります。
考え方の言語化→研修受講→営業の仕組みによる体験の強化→考え方が軸になる→考え方の重要性の理解
このステップを踏んだ方が、営業マネジメントについて進むときも、考え方の言語化の重要性をいち早く理解できます。
なぜなら、考え方が軸になった時、成果を発揮できることを身に染みて理解しているからです。
でも、当たり前のこのことが理解できていないと、考え方は単なる標語で終わり、考え方の浸透が場当たり的な唱和で終わり、考え方が堂々巡りで考え方と違った行動をとり組織風土が改善・改革ではなく現状維持の組織になってしまうというのは言うまでもありません。
最後にまとめます。
考え方(信条)を浸透させるには、次の2つの考え方が重要になります。
「考え方(信条)は体験を伴って軸になる」
「考え方(信条)は、経験年数に応じた内容になっているか」
まずは、この2つをチェックしてみてください。これができていれば、この考え方が経験となって軸となる仕組みが機能しているからです。
考え方は仕組みと連動して、初めて機能するということです。
「営業の成約達人」を生み出す仕組みの作り方セミナーは、こちらをクリック!
