「営業の成約達人」を生み出す仕組みの作り方

代表 乾切抜き 仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第255話 営業の独自価値を作るには製品改良や製品開発は避けて通れないのか

 

「営業において、競合も訴求していない独自価値を作り出すには、製品改良や製品開発は避けて通れないですよね」

 

個別コンサルがスタートした時によくいただく質問です。

 

確かに製品改良や製品開発があれば独自価値は作りやすいです。しかし、この質問には大きな落とし穴が潜んでいます。

 

その落とし穴とは、製品が売れないのは、営業の問題ではなく技術開発の問題であるということを他責にしているということです。

 

そう、製品改良や製品開発によって、良い製品ができれば、営業が活躍できるということです。製品改良や製品開発が競合に劣っていると営業は何をやっても無理であるということを遠回しに伝えています。

 

一見、真っ当な質問のように感じますが、このような質問をいただくと、当社では次のように答えています。

 

「製品視点ではなく、顧客視点になれば、製品改良や製品開発に頼らなくても独自の価値は作り出すことはできますよ」

 

この言葉を聞かれると、大抵の営業責任者は嫌な顔をされます。なぜなら、他部署の責任転嫁ができないからです。

 

では、どのよう手順を踏めば、製品改良や製品開発に頼らなくても独自の価値を作り出すことができるのか・・・。

 

今回のコラムは先に言っておきますが、難しい内容に感じるかもしれません。理屈っぽいからです。でも、当社の経験上、この手順をマスターすれば、誰でも独自価値を作ることは可能になります。

 

その手順をコラムで公開していきます。

 

まずは、顧客視点の理解です。

 

当社では、顧客視点を次のように定義しています。図にまとめましたので、製品視点と顧客視点の違いを確認してみてください。

当社で定義している顧客視点の営業とは、潜在見込み客に対して、顧客の悩み・願望→提供価値→具体事例をセットにして提案ツールに落とし込み、質問形式の営業トークで潜在欲求を喚起することとしています。

 

ここで、大事にしていることは、顧客の悩み・願望と提供価値の見える化をすることです。

 

そう、見える化です。顧客視点ではなく製品視点の営業になっている会社は、あいまいな言葉で製品特徴をカタログに記載しているケースが多いように感じています。(上記の図を参照)

 

この状態で、顧客視点の営業の号令をかけても、質問形式の営業トークではなく、説明形式の営業トークで自社視点の営業を一生懸命に行い、顧客から「考えておきます」の言葉だけをもらい終わっています。

 

話が脱線しそうなので本題に戻します。

 

では、顧客の悩み・願望と提供価値の見える化をするとは、どのようなものかと疑問を持たれるかと思います。

 

これは、業種によってフォーマットは変わるのですが、一般的なフォーマットを以下の図で記します。

これは、ある業種のホームページで顧客の声から拾い上げて、当社がまとめあげたものです。(どの業種かは、守秘義務の都合上伏せさせていただきます)

 

ここに書いてある内容に正解・不正解を求めるのではなく、このようなイメージであるという感覚だけをつかんでいただければ嬉しいです。

 

少し話は脱線しますが、上記の図では、23個の提供価値が出ていますが、その会社のホームページ上には、この提供価値のキーワードに関連する表現はひとつもでていませんでした。

 

上記の図の23個の提供価値以外の提供価値がホームページ上に訴求されていました。このホームページ上に訴求していた価値はまさしく、製品視点の製品特徴のものでした。

 

このホームページ上に記載している提供価値も、顧客の悩み・願望と提供価値の見える化をすることで違和感に気づくことができます。

 

ここまで大丈夫でしょうか。

 

そして、個別コンサルで、顧客の悩み・願望と提供価値の見える化をすると、ある勘違いをされるクライアントがおられます。

 

その勘違いとは、提供価値が競合も訴求していないものになっていなければ、ダメであるということです。

 

一見、間違っていないようにも感じますが、ここにハマってしまうと、製品改良や製品開発の視点から抜け出せなくなってしまいます。

 

ここは、当社のクライアントでも理解できない方がでてくるのですが、ものすごく重要なことを言っています。

 

恐らく、一般の書籍でもこの視点を語っているものがないからだと思います。(ひょっとしたら、当社が知っていないだけかもしれません。その際はご容赦ください)

 

当社が言っている独自価値とは、提供価値のことではなく、顧客の悩み・願望のことを言っています。

 

何となく、言っている意味は伝わっているでしょうか。文章の表現だと混乱しそうでしょうか。

 

上記の図から、独自価値に進化したものを図にまとめましたので、以下に記します。念のため、分かりやすいように上記の図と2枚並べて記します。顧客の悩み・願望の違いを見てください。

 

提供している製品・サービスは変わっていません。でも、顧客の悩み・願望は、変化しています。ここまで大丈夫でしょうか。

 

そして、ここが重要なのですが、顧客の悩み・願望を顧客に伝えたときに、「えっ」という言葉をいただければそれが独自価値になります。

 

「えっ」という言葉は、顧客が今まで気づいていなかったということです。気付いていないということは、競合もそのことを伝えていなかったということです。

 

上記の例で言えば、次のような感じになります。(本当はもう少しやり取りはあるのですが、文章の都合上、超シンプルに表現しています)

 

営業:「最近、〇〇業界の経営幹部から、〇〇で営業マンの成約率をアップさせたい(願望)ということを聞くのですが、御社ではそのようなことはありますか」

 

営業:「実は、当社の事例になるのですが、実演動画のシナリオ(提供価値)を活用するだけで、それを実現することができるようになってきているのです」

 

営業:「このシナリオも3つのステップで作るだけで、誰でも簡単にできてしまいます」

 

顧客:「えっ、そうなの」(この言葉をもらえれば独自価値になります)

 

営業:「ちょうど、その具体事例を今日、持ってきていますので、どんなものか見られますか」(ここで用意していた、3ステップの提案ツール見せていきます)

 

ざっくり、こんな感じです。

 

ここまでの話をクライアントにすると、「頭では理解できたけど、顧客の悩み・願望の独自価値を作るのは難しいのでは」という言葉をいただきます。

 

でも、実践をすると案外、できたりします。(慣れていない場合、時間がかかる会社もあります)

 

独自価値を作りにくい会社の例をあげれば、顧客の悩み・願望と提供価値の見える化をした基本のシートがないというだけでした。

 

このシートがあれば、製品のことではなく、自然と顧客に好奇心が生まれるようになります。なぜなら、顧客の悩み・願望がはじめにあるからです。

 

この意識が生まれると、自社製品をうまく説明するのではなく、顧客の悩み・願望に意識がいくようになります。なぜなら、顧客の悩み・願望を理解できないと提供価値を訴求することができないからです。

 

そうすると、自分が話すのではなく、顧客の話を聞くようになります。

 

すごく、当たり前のことを言っています。(でも、これができていなかったりします)

 

そして、顧客の悩み・願望が自社の製品とつながらない場合でも、ストーリーを考えるようになります。(ストーリーの作り方はコラム記事222話を参照してください)

 

これが営業の仕事でもあります。

 

今まで話したことを以下の図でまとめてみました。

ステップ1が、顧客の悩み・願望と提供価値の見える化したものです。当社ではこれを基本価値と呼んでいます。ツールに落とし込んだものを提供価値シートと呼んでいます。

 

ステップ2が、顧客の悩み・願望でそれを伝えると、顧客から「えっ」という言葉をいただくものです。当社ではこれを独自価値と呼んでいます。

 

ステップ3は別の機会でお話しします。(今のコロナ渦では大事な取り組みになります)

 

図に書いてある、板書に参照の事例説明は省かせていただきます。

 

長文になりましたが、ここまで話をすると、勘の良い営業リーダは気づかれたと思います。

 

上記のステップ1とステップ2は、製品改良や製品開発以前の問題で、営業の仕事であるということです。

 

ステップ1とステップ2を営業が取り組んでいないのに、製品改良や製品開発に責任転嫁をしていては本末転倒であるということです。

 

ただ、ステップ1とステップ2をやり切っても成果が出ない場合は、製品改良や製品開発の取り組みの遅れに問題があります。あるいは、製品ライフサイクルが衰退期の末期になっている場合です。

 

でも、ステップ1とステップ2をやり切っていれば、この情報を製品開発に活かすことができるので、進化が止まることはありません。

 

このステップ1の、顧客の悩み・願望と提供価値の見える化したシートの活用が分かったクライアントからは、「製品改良および製品開発には営業からの情報が必須で、競合製品のスペックばかり意識をしていてはダメなことがわかりました」という言葉をいただきます。

 

あなたの会社では、独自価値を作る、営業の仕組みができているでしょうか。あるいは、営業のやるべき仕事を放棄して、製品改良および製品開発だのみの営業になっているでしょうか。

 

追伸)顧客の悩み・願望と提供価値の見える化したシートを作る場合、可能な限り、第3者の方を入れることをお勧めします。顧問税理士の方でもOKです。自分たちでは気づけていなかった盲点がきづけたり、顧客の悩みが悩みではなく現象のままになっていたりするからです。

 

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