「営業の成約達人」を生み出す仕組みの作り方

代表 乾切抜き 仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第243話 営業のマネジメントで何を凡事徹底すれば良いのか

先週のコラム(242話)を読まれた方から次の質問をいただきました。

 

「分かっていることを出来ているにすることと、凡事徹底の重要性を痛感しました」

 

「そこで、質問なのですが、乾さんは、営業のマネジメントにおいて、出来ていることにする項目は何が大事だと考えていますか」

 

興味深い質問だったので、メールで、なぜ、そのような質問をしたのか背景を確認しました。

 

背景を確認すると次の回答をいただきました。

 

高額な研修費を払って、提案営業の研修を実施したが、社員の方が分かったつもりで終わり、実際の営業活動は何も変わっておらず、出来ていないことを痛感して、出来ているつもりの「つもり」がマネジメントの敵であることを認識したからということでした。

 

コラム記事から、ここまでの気づきを得られることは素晴らしいと感じました。

 

恐らく、この質問者の方は、日々の問題意識の視座を高く持ち続けているので、このような気づきが得られたのでしょう。

 

この質問を受けて、当社は、どのような回答をしたのか。

 

その回答をコラム記事で公開します。

 

ただ注意点ですが、この回答は正解・不正解を述べているのではなく、あくまでも当社の着眼点になります。

 

よって、このような視点があるという感じで聞いていただき、何らかの気づきのきっかけが得られれば幸いです。そう、気づきのきっかけです。

 

まずは、「知っている」と「分かっている」と「出来ている」の違いの概念図を以下に記します。

 

この図の詳細説明は省きますが、「知っている」と「分かっている」と「出来ている」には、大きな壁が存在するということです。

 

その壁を克服するために、当社では、「戦略」、「戦術」、「考え方」の見える化をキーワードに取り組んでいただいています。

 

今回の質問者の方は、提案営業の取り組みになるので、上記の図で言えば、戦術が分かったつもりでできていないことに気付かれたことになります。

 

ちなみに、当社が、凡事徹底して欲しい取り組みは、上記の図のことになります。

 

ただ、この図だけだと、今ひとつ理解が進まないのでもう少し深掘りします。

 

上記の図をもう少し違う言葉に変えると、「営業の仕組み」が凡事徹底できているかということです。

 

そう、営業の仕組みが「分かっている」から「出来ている」になっているかです。

 

そのために、営業の仕組みがどのようになっているのかを簡単なフロー図にまとめていただくことを推奨しています。

 

参考までに、当社が推奨している、営業の仕組みの型(営業スタッフが5名以上)は以下の図になります。

この図に正解・不正解はありません。もっとシンプルな営業ファネルだけでも大丈夫です。

 

ただ、上記の図のポイントをあえて2つ挙げるとすれば以下になります。

 

1、戦略と戦術を同時推進するためには、顧客情報管理と行動管理が肝になるということです。逆に言えば、顧客情報管理と行動管理が機能していなければ、戦略と戦術は絵に描いた餅になりやすいということです。

 

2、戦略と戦術を機能させるためには、考えた方と連動していなければ効果を発揮しないということです。無意識に定着した考え方が戦略と戦術と異なっていれば、どんな取り組みをしても瞬間風速で終わるということです。(プロジェクトが単なるお祭りで終わるということです)

 

で、ここからが本題になります。

 

営業の仕組みがフロー図で、出来あがれば、それをどのように取り組んでいくのかというマニュアルを作ってほしいということです。

 

そう、図示で終わるのではなく、文章で言語化して欲しいということです。文章にすることで考えが明確になるからです。文章化ができていないということは、分かっていないということになるからです。(明確さは力なりです)

 

念のための補足ですが、マニュアルは作ることが目的ではありません。何が凡事徹底できていないのかという振り返りに使うことが目的になります。

 

違う言葉に置き換えると、何が分かっていないのか、何ができたつもりになっているのかという現実を客観的に把握すると言っても良いでしょう。

 

参考までに、マニュアルの目次の例を以下に記します。(当然、この目次は会社ごとに異なります。あくまでも基本の型の例示になります)

少し話が脱線しますが、上記の項目の中で、多くの会社が出来ているようで、出来ていない項目は何だと思われますか?

 

あくまでも、当社の経験則ですが、6の顧客管理になります。

 

顧客管理には、顧客データと顧客情報の2つがあります。顧客情報は人から入手する情報になります。

 

この顧客情報のマネジメントが属人的になっている会社が多かったです。

 

顧客管理システム(C R M)を導入している会社でさえ、顧客情報が属人化していて、顧客データの管理がメインになっていました。

 

ある会社で起こった事例ですが、営業責任者が同業の会社に転職されました。

 

残念ながら営業責任者が把握していた顧客情報は、会社財産にはなっておらず、その方の頭の中に蓄積されていました。(顧客データは会社に蓄積されています)

 

よって、新しく赴任された営業責任者が、また、一から顧客情報の蓄積をされていました。

 

また、ある会社では、営業所長が拠点移動した時もこのようなことが起こっていました。

 

「主力顧客の◯◯社は3月に1回は訪問して、信頼関係と悩みと願望は常にヒアリングしているから大丈夫だよ」との引き継ぎを前任の方から口頭で受けました。

 

で、実際、主力顧客を訪問してみると、半年に1回の訪問で、単なる御用聞きだけで終わっており、悩みと願望がどのように変わっていっているのかという顧客情報は蓄積されていなかったことが分かりました。

 

そう、行動管理が記憶だけの管理で、顧客情報のメンテナンスが全くなかったということです。

 

顧客情報のメンテナンスですが、これ、結構、どの会社でも盲点になっています。

 

当社が関わったクライアントの8割の方が、営業マニュアルを作って、振り返りを行うと顧客情報のメンテナンスが出来たつもりの「つもり」で終わっていたからです。

 

顧客情報のメンテナンスができていないので、顧客情報の活用など、単なるスローガンで終わることは目に見えています。

 

ある会社では、この実態を把握せずに、顧客情報の収集だけに明け暮れていました。そしてひどいことに、顧客情報の収集が営業の仕事と勘違いまでされていました。

 

脱線しそうなので、本題に戻します。

 

上記のマニュアルができれば、半年に1回(最低でも年1回)、どの項目が分かったつもりになっているかをチェックしてほしいということです。

 

これも、当社の経験則になるのですが、8割以上できている会社は皆無でした。

 

だいたい、5割前後です。

 

ひどい会社になると2割です。

 

2割しかできていないのに、何か新しいことばかりにチャレンジして、中途半端を繰り返して、結局、分かったつもりの組織になっています。

 

そして、気がつかないうちに、組織がチャレンジ型ではなく疲労型に変わっています。

 

組織が疲労型になっているのに、また、新しいことにチャレンジをしようとして、堂々巡りの罠にハマっています。

 

誤解をしないで欲しいのですが、新しいことをチャレンジするなと言っているのではありません。

 

現状の事実を把握して欲しいということです。

 

そう、現状の事実です。違う言葉でいえば、「誠」です。

 

営業の仕組みの実践度合いが30%だが、現在の環境を踏まえると、優先順位の一番目は新しい取り組みで、その次が、現在分かったつもりで全く実践が進んでいない顧客情報管理と行動管理の種まき営業の実践という感じで優先順位が明確になっていれば問題はないと考えています。

 

現実を理解した上での優先順位です。

 

でも、多くの会社では、現実の営業の仕組みの実践度合い(できている)を把握せずに、新しいことにチャレンジをしているので空回りをしています。

 

この空回りが続くと、組織が疲労型になり、新しいことにチャレンジをするのではなく、きた仕事に時間をかけてこなす仕事をメインにするようになります。(受動型の組織です)

 

新しいチャレンジが上手くいかないので、普段慣れた仕事に時間を割いているということです。

 

そう、何か忙しそうにしていれば、仕事をしていると勘違いしている現象です。

 

これを防ぐためにも、経営幹部になれば、営業の仕組みの実践度合いがどのレベルにあるのかは把握しておきたいところです。

 

このことから、当社では、営業マニュアルの目次の項目が凡事徹底して欲しいことになります。そして、どの項目が分かったつもりで終わっているのか・・・。

 

誤解を恐れずに言うと、営業マニュアルの項目の実践度合いが30%でも、何ができていないのかという現実を理解して、その中で優先順位を立案して、その項目をやり切っている会社は成果が出ています。

 

違う表現をすると、営業マニュアルの項目の実践度合いが30%でもO Kということです。(現実は50%前後の会社が多いように感じています)

 

営業マニュアルの実践度合いの100%を目指すということではありません。

 

100%を達成している会社は見たこともありませんし、そこを目指すと目的と手段が入れ替わってしまい、営業マニュアルの存在の意味がなくなるからです。

 

そして、これは釈迦に説法になりますが、この優先順位の項目が営業方針あるいは、拠点方針と連動していれば更に成果は見込めます。

 

また、営業マニュアルの実践度合いの把握ができるようになれば、なぜ、凡事徹底が重要で、凡事徹底ができる組織が強い組織なのかが理解できるようになります。

 

これは、当社の見解ですが、分かっていることが出来ているになる組織が強い組織になっています。この組織が新しい取り組みを設定した時にチャレンジ型の組織に変わります。

 

そう、環境変化に対応できる体制が構築できるということです。(この、コロナ渦で力を発揮できる組織です)

 

あなたの会社では、営業マニュアルの実践度合いは何パーセントでしょうか。

 

この現実を把握した上で、今期、新しい取り組みとこれだけはやり切るという項目は何を設定しているでしょうか。

 

そして、分かったつもりを防ぐ、振り返りはどのタイミングで実施するでしょうか。

 

“指示待ち社員”を 6ヶ月で“自立型社員”に変貌させた「誰でも成約の達人」の仕組みの作り方セミナーは、こちらをクリック!