仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第421話 受動的営業から能動的営業への一歩で売上が変わる!顧客ニーズを先回りし、信頼関係を育むステップとは
はじめに
「最近、営業の成果が伸び悩んでいる…」「もっと積極的に顧客を増やしたいけれど、何から始めればいいのか…」。
もし、あなたがそうした悩みを抱える中小企業の経営者であれば、ぜひこの先をお読みください。
日々の経営に奔走する皆様が、現状を打破し、売上を大きく飛躍させるためのヒントを、2つの重要な視点から提示します。
それは、「待ちの営業」から「攻めの営業」への転換、そしてそのための「戦略と実行の“見える化”」です。
今回は、より具体的なイメージを持っていただけるよう、さらに深く掘り下げて解説していきます。
成果が出ない営業現場、その根本原因とは?
多くの経営者の方々から「営業担当は頑張っているように見えるのだが、なかなか成果につながらない」という声を伺うことがあります。
しかし、闇雲な努力は時に徒労に終わってしまうもの。成果を出すためには、まず「どこに訪問しているのか」、そして「何をしているのか」を明確に把握する必要があります
例えば、あなたの会社のアプローチリストを開いてみてください。そこに並んでいるのは、過去に取引のあった既存顧客ばかりではありませんか?
または、ウェブサイトからの問い合わせや展示会での名刺交換など、いわば「向こうから来た」お客様への対応に追われていませんか?
もちろん、これらは重要な活動ですが、それだけに終始していては、新たな成長の機会を逃している可能性があります。
これは、庭の手入ればかりに気を取られ、まだ耕されていない広大な土地にまったく目を向けていないような状態とも言えます。
「訪問しやすい所」ではなく、「本来行くべき、会うべき顧客」にしっかりアプローチできているかを、今一度問い直す必要があるでしょう。
また、営業活動は単発の「点の営業」で終わらせるのではなく、「線の営業(種まき→育成→刈り取り)」という長期的視点を持つことが欠かせません。
今日まいた種(アプローチ)が半年後、一年後に実を結ぶ可能性もあります。短期的な成果に一喜一憂するのではなく、将来の収益につながる顧客をじっくり育てる意識こそが、持続的な成長の原動力になるのです。
しかし、このような活動状況を営業リーダー自身が「見える化」できているかどうかは、意外と見落とされがちです。
個々の営業担当者の報告だけに頼らず、「誰が」「どの顧客に」「どのような目的」で訪問し、「どのような成果」を上げているのかをデータやシステムで一元管理することが、現状を正確に把握し、具体的な改善策を打ち出すための第一歩となります。
「待ちの営業」から「攻めの営業」へ:発想の転換
ここで、2つの対照的な営業スタイルに注目してみましょう。それは「受動的営業」と「能動的営業」です
受動的営業は、顕在的な欲求が既に明確になっていて見積もりに発展しやすいなど、お客様側から案件のアクションをきっかけにスタートする営業活動を指します。
すでに何らかのニーズを認識している顧客を相手にするため、「今すぐ客」を効率良く取り込む営業スタイルとも言えます。
一方、市場にはまだ顕在化していないニーズを持つ「そのうち客」がたくさん存在します。
ここに積極的に働きかけるのが「能動的営業」の出番です。
能動的営業は「こちらから新たな顧客を探し、関係性を構築していく」スタイルであり、いわば「狩猟に出かける」イメージです。
まずは「アプローチタイミングの設定」が重要です。
闇雲に電話をかけたり、飛び込み訪問をしたりするのではなく、「この業界の企業は〇〇という課題を抱えている可能性が高いので、△△という時期にアプローチすると効果的だろう」といった仮説に基づき、戦略的に時期を見計らうのです。
次に欠かせないのが、顧客自身も明確に認識していないかもしれない「悩み・願望の仮説構築」です。
例えばある製造業の企業に対して、「人手不足による生産効率の低下に悩んでいるのではないか」「最新の設備投資を検討しているのではないか」というように仮説を立て、そこから「提案価値の合意形成」を図ります。
ただ製品やサービスのスペックを説明するだけではなく、「もし御社が最新設備を導入すれば、生産コストが○%削減でき、人手不足の解消にもつながります」といった具体的なメリットを示し、顧客とじっくり対話しながら共感を得るプロセスが大切です。
そして、双方が納得できる「契約条件の合意形成」を経た後に、ようやく「受注」へとつながります。
能動的営業は、短期的な売上だけでなく、顧客との深い信頼関係を築きながら長期的パートナーシップを目指すものと言えるでしょう。
ここでは「増販と増客の施策」「攻める顧客の選定」「接点のタイミング」が成功を左右する最重要ポイントとなります。
能動的営業を成功に導くための具体的なステップ
能動的営業を効果的に実践するには、具体的なツールや考え方を導入することが欠かせません。
まず、お客様に対して自社の価値をわかりやすく伝えるための「提案製品と提供価値を具体的にした営業ツール」を準備しましょう。
単なる製品カタログにとどまらず、「この製品を導入すると、どんな課題が解決できるのか」「競合他社とは何が違うのか」といったポイントを明確に示す資料、あるいは営業担当者がカスタマイズ提案をしやすいフォーマットなどがあると効果的です。
例えば、導入事例を豊富に掲載したパンフレットや、ROI(投資対効果)をシミュレーションできるツールなどを整備するだけでも、提案力は大幅に向上します。
また、営業担当者が一方的に説明するだけでなく、顧客との対話を通じてニーズを引き出す「質問形式の営業トーク」も有効です。
「現在、○○の課題を感じていらっしゃいますか?」「もし△△が実現すれば、お客様のビジネスはどのように変わりますか?」といった質問を投げかけ、顧客の抱える問題や望む未来を言語化してもらうことで、相手に合った打ち手を具体的に提案できるようになります。
さらに、「アプローチ→仮説構築→価値提案→合意形成→受注」という能動的営業の一連のプロセスを「見える化」することが、組織全体の営業力を底上げするうえで不可欠です。
各営業担当者が、どの顧客に対して、いま何段階目のアクションを行っているのかを全員が把握できる仕組みを導入しておくと、遅れが出ている案件を早期にフォローできたり、成功事例を共有したりすることができます。
乾経営コンサルティングでは、こうしたプロセスを管理できる「営業の成約達人」というツールを紹介していますので、興味があればセミナー受講もお勧めです。
経営者として、今こそ「攻め」の意識を
中小企業を取り巻く環境は、少子高齢化による労働人口の減少、競争の激化、顧客ニーズの多様化など、従来の「待ちの営業」だけでは対応しきれないほど厳しさを増しています。
だからこそ、積極的に新たな顧客を創造し、市場を切り拓いていく「攻めの営業」へと舵を切る必要性がますます高まっているのです。
そして、この変革を加速させるためには、経営者自身が能動的営業の重要性を理解し、率先してその意識を組織全体に浸透させることが大切です。
例えば、次のような問いかけをしてみてはいかがでしょうか。
・自社の製品やサービスが、本当に価値を提供できる「行くべき、会うべき顧客」はどこにいるのか?
・その顧客に対して、どのような具体的な「価値」を提供することで、彼らの課題解決や願望実現に貢献できるのか?
・いつ、どのような「接点のタイミング」でアプローチするのが最も効果的なのか?
これらの問いに対して経営者が明確な答えを持ち、具体的な戦略として落とし込むこと。
それこそが、能動的営業への第一歩となります。
また、日々の営業活動の状況を「見える化」し、個々の「点の営業」の積み重ねではなく、将来の成長を見据えた「線の営業」を意識した組織的な取り組みを推進していくことが、持続的な事業成長を実現するうえでの揺るぎない鍵となるはずです。
今日から、ぜひあなたの会社の営業戦略を改めて見直し、「攻め」の意識をもってまだ見ぬ新たな顧客の開拓に踏み出してみてください。その一歩こそが、あなたの会社を未来の成功へと導く、力強い原動力になるに違いありません。
