仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第48話 営業テクニックを勉強しすぎて若手営業担当者が伸びなくなるパターンとは
今日のコラムは、私が30代の時に営業担当者にロールプレイング等で営業テクニックを教えていた時に反省したことについて書きます。
注)ロールプレイングとは、お客様役と営業担当者役に分かれて、疑似体験を通じて、ある事柄が実際に起こったときに適切に対応できるようにする学習方法のことを言います。
丁度、企業研修等も実施していましたので、延べで1,000人以上の方と関わりを持たせていただいていました。
その時の私の営業指導に対する考え方は、次のものを持っておりました。
“能力は、状態を作る“です。
言っている意味は、理解できるでしょうか。能力とは、営業における必要な営業テクニックのことです。
若い時に、営業に必要な営業テクニックを身につければ、前向きな心を持った良い状態を作れると思っていました。
なぜなら、営業テクニックを身につければ、営業成績が上がるから、考え方も前向きになるからです。
丁度、その当時、支援していた会社の業績も順調に伸びていたので、“能力は、状態を作る“ということを過信していました。
よって、その当時は、営業テクニックに関連する書籍等を読み漁り、かなり勉強していました。最終的には、催眠術等も勉強していました。これは、余談ですが、催眠術のテクニックが悪徳詐欺に使われていることも分かりました。
その当時、実践していた営業テクニックとしては、NLPの視線解析や顧客のパターンを分けてパターン別の対応なども実施していました。
ただ、ここで、大きな落とし穴に落ちることになりました。
そう、落とし穴です。
今思えば、この落とし穴に落ちたおかげで、考え方の重要性にも気付けたと思っています。
落とし穴に落ちなければ、今も、営業テクニックをメインにしていたかと思いますので・・・。
その落とし穴というのは、若手営業担当者の営業成績が下がり始めたことです。
そう、順調に右肩上がりで伸びていた営業成績が、ある時を境に下がり始めたのです。
営業成績を下がった理由を探すために、ロールプレイング等のチェックを行いました。
しかし、若手営業担当者は、営業テクニックをすべて身につけており、ロールプレイングも完璧な状態でした。ロールプレイングの演習を見ている限り、落ち度は見つかりませんでした。
まったく、その時は、営業成績が落ちた原因が分かりませんでした。
よって、同行営業でその原因を探ることにしました。
同行営業して、衝撃の出来事を目の当たりにしました。
あっ、これだから、営業成績が下がったのか・・・。理由がやっと分かりました。
このコラムを読んでいる、あなたは、何だと思われますか。
その理由は、営業テクニックが実践できているかどうかではありませんでした。逆に営業テクニックだけを見れば、良くできていました。
では、何が良くなかったのか。
それは、営業姿勢です。簡単に言えば、お客様に接する態度といっても良いかもしれません。
この営業姿勢ですが、お客様が不在の状態になっていました。本来は、お客様のお役に立つために営業テクニックがあるのですが、営業テクニックを使えば、お客様は商品を購入していただけるという自分視点になっていました。
そう、お客様がメインではなく、営業テクニックがメインになっていたのです。
お客様のことを理解するために営業テクニックがあるのですが、この営業テクニックを使えば、お客様は自分たちの思い通りになるという雰囲気が営業担当者のオーラから出ているのです。
このお客様は、◯◯タイプだから、◯◯の話をしようという感じです。
お客様の頭の中を理解するというのではなく、タイプを分けることがメインになっており、あとは、タイプ別に決まった話法を展開しています。
当社の言わんとすることは、理解できるでしょうか。
若手営業担当者の営業姿勢が、営業テクニックを実践すれば、お客様は購入していただけるので、お客様よりも営業テクニックがメインになっています。
その結果、お客様が不在になり、営業担当者の態度がすこし横柄になっていたのです。
そう、営業態度がすこし横柄になっているのです。この横柄になっている態度にお客様は、無意識に気付いています。お客様が気付いているのに、当の営業担当者はそのことに気づいていません。
そうすると、お客様は、話が上手くても、信用できないなという不信感を持ってしまいます。
このことに、気づく若手営業担当者がいれば、まだ、救いはあったのですが、営業テクニックがメインになっているので、また、違う営業テクニックを探し、勉強を始めるという悪循環に陥っていました。
そう、営業テクニックがメインで、お客様が不在になっている状態に気付いていないということです。この状態で、営業テクニックをいくら勉強しても空回りが続きます。
若手営業担当者も、営業テクニックを覚えたての頃は、一生懸命頑張ろうとするので、それが熱意となってお客様に伝わるのですが、慣れてくると、この営業テクニックを使えば良いと勘違いするようになり、それが無意識にお客様に伝わり、話は上手いが成約にはつながらないという状態に陥ってしまいます。
これが、当方が経験した落とし穴です。
「我が社では、そのようなことは、ありませんから、大丈夫ですよ」という声が聞こえてきそうですが、営業テクニックをメインで行うと、このような悪循環に陥るケースは、多いように感じています。
このことから、考え方があって、その考え方を実現するために、営業手法のテクニックがあるということをコンサルティングで伝えています。
このコラムでは、再三、考え方を述べているのは、その理由もあるからです。
また、雑談ですが、守・破・離の守の型をマスターした方には、営業テクニックを一旦、全て忘れるようにも指導しています。
営業テクニックに執着していると、破の段階には進めないためです。また、どこかのコラムで詳しくはお話ししたいと思いますが、破の段階は、考え方だけを押さえていただければ大丈夫です。
今日は、取り留めのない話になっていますが、営業テクニックがメインになっていれば、要注意という話しです。
営業テクニックがメインになると、営業姿勢に綻びが出てくるからです。
お客様は、営業姿勢に共感するからです。ただ、考え方を効率良く定着させるためには、営業テクニックが必要になります。
考え方があって、手法があるという順番を間違えなければ大丈夫です。くれぐれも順番が逆転しないように心がけていただければ幸いです。
あなたの会社は、営業テクニックがメインになっていませんか。
