「営業の成約達人」を生み出す仕組みの作り方

代表 乾切抜き 仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第405話 拠点経営必見!拠点間の売上格差を解消し、プロセス管理に頼らない持続的成長を実現する具体策

はじめに

3拠点以上の営業拠点をお持ちの場合、「それぞれの売上にどうしても格差が出てしまう」という悩みを抱えている経営者の方も多いのではないでしょうか。 

「営業管理システムを導入して、KPIをしっかり管理しているはずなのに、なぜか売上にバラツキがある

そんなお悩みに心当たりがある方に向けて、今回は売上格差を是正し、持続的な成長を実現するための着眼点をお伝えします。

マネジメントの前に見落としてはならないこと

まず、売上アップのためにはマネジメントが欠かせないという考え方は、多くの経営者の共通認識でしょう。

しかし、そのマネジメントに取り組む前に、見落としてはならない“当たり前すぎること”があります。 

それは、「年間目標を達成するための戦略(シナリオ)を明確に設定する」ことです。

年間目標の数字だけを追いかけても、具体的にどんなアクションでそれを達成するのかを明確にしなければ、目標は“絵に描いた餅”になりかねません。 

多くの企業では、経営方針から拠点ごとの方針を定めて年度計画を立案します。

ただし、その計画が数字ばかりに偏っていないでしょうか。

数字だけが先行した計画だと、「今期もなんとか目標は掲げたけれど、実際にどう動けばいいのかわからない」となりやすくなります。

そこで大切なのは、「どうやってその目標に到達するのかを可視化する」こと。

つまり、拠点を横断し、共通認識を持って活用できるツールやシナリオを整えることが、リーダーにとって最初に行うべき重要なステップです。 

「精神論」や「根性論」で営業スタッフを鼓舞するだけでは長続きしません。

どんな具体的行動を取ればよいのか、誰がリードしてどんな順序で進めていくのか。

こうした具体的なプランがあるかどうかで、組織の行動は大きく変わります。

計画と行動のズレをなくす

次に、シナリオを作ったあとに陥りがちな落とし穴として、「計画と実際の行動」がリンクしていないケースがあります。 

「毎月の行動計画を立ててはいるが、なぜか結果に繋がっていない…」という状況に心当たりはありませんか。

それは、表面上は計画書をきちんと作っていたとしても、現場の営業担当者の行動がその計画どおりになっていない可能性があるからです。 

いくらKPIを定量化してモニタリングしていても、実際の行動がずれていれば成果は生まれません。

「こんなにいい計画を作ったのに!」と歯がゆい思いをしている方は、今いちど計画と行動を照らし合わせ、一つひとつ確かめてみてください。

見落としがちな2つの盲点

実際に計画と行動をリンクさせる際には、見落としがちな盲点が大きく2つあります。

ここを押さえるかどうかで、売上格差を埋められるかに大きな差がつきます。

盲点1:月間の行動計画は年間の行動計画とリンクしているか 

月間目標は立てていても、それが年間のシナリオとつながっていない場合、営業担当者は目先の利益や今すぐ獲得できそうな顧客ばかりに注力してしまいます。 

その結果、「行きやすい顧客ばかり回っている」「年単位で見たときに、いつも同じ顧客と話している」という、偏った営業活動になりかねません。

長期的に見ると、これは持続的な成長を損なう可能性があります。

盲点2:年間とリンクしている月間計画は、個別具体的な顧客名まで落とし込まれているか 

顧客リストを作成している企業も少なくありませんが、顧客名と連絡先だけが書かれているリストで終わってはいないでしょうか。 

大切なのは、「顧客ごとにどんな情報を持っていて、いつ、どんなアプローチをしたのか」がわかるようになっていることです。

KPIだけを管理していても、そのKPIを達成するために誰にどんな営業を仕掛けているのかが見えなければ、偏った行動を見抜けません。

最悪の場合、「日報だけは出しているが、実際には訪問していない」という形だけの報告がまかり通るリスクすらあります。

訪問目的を明確にする

月間の行動計画を達成するためにも、顧客リストに「顧客情報」と「行動管理」の情報をしっかりと付け加えることが欠かせません。 

多くの企業では、「訪問目的」という項目自体は設定しているかもしれません。

しかし、訪問目的が「単なる入力項目」になってしまい、その内容が抽象的になっているケースをよく見かけます。 

たとえば、「顧客情報収集」と書くのは簡単ですが、その“情報収集”とは具体的に何を指しているのか。

相手のニーズや興味関心、購入プロセスのどの段階なのか。

こうした情報をどこまで掘り下げれば、自社が提供できる価値との接点を見いだせるのか。それを言語化して初めて、企業が蓄積するノウハウになります。

「こなす仕事」と「仕掛ける仕事」

訪問目的が具体化されればされるほど、日々の活動に“思考”が伴うようになります。

ここで知っておきたいのが、「こなす仕事」と「仕掛ける仕事」の違いです。 

「こなす仕事」は、与えられたタスクを反射的にこなしていくスタイルです。

業務が山積みの場合、一つひとつ素早く片付けるのは大事な能力ですが、そこには“戦略”や“工夫”が入りにくい側面があります。 

一方で、「仕掛ける仕事」は、仮説に基づいたシナリオやプランを自ら考え、それに沿って行動を起こすスタイルです。

顧客へどんな価値をどうやって届けるかを意識するため、目標に対して計画的にアプローチできます。 

「こなす仕事」のみをしているのに、「自分たちは仕掛けている」と思い込むと、言葉と行動がまったくリンクしていない状態に陥ります。

結果として、目に見える数字はなかなか改善しません。客観的に見て、「本当に仕掛けているか」を確認するためにも、訪問目的や行動内容を事前に明確にしておくことが重要なのです。

計画と行動のズレを見抜くために

「計画と行動が本当に合致しているのか?」をチェックするには、日報などで営業担当者の実際の動きを追うのが一番です。

ただし、その際に見るべきポイントは、訪問件数や見積提出枚数といったKPIの数字だけではありません。 

顧客情報や行動管理が具体的にわかるリストやシステムを用意し、「誰が、いつ、どのようにアプローチしているのか」まで見える状態にしておく必要があります。

そうしなければ、営業担当者が「会いやすい顧客」にばかり訪問しているのか、それとも新規開拓にも挑戦しているのかをきちんと把握できません。 

もし計画と行動がずれたままなら、KPIを増やしたり、また新しいマネジメント手法を取り入れたりしても、問題の本質が解決しないまま空回りしてしまうでしょう。

組織全体の意識改革

年間計画のシナリオが“数値計画”にしかなっていなかったり、顧客リストが浅い情報しか持っていなかったりする場合は、まずそこに違和感を覚えるべきです。 

「なんだかうまくいかない」「部下の動きが散らばってしまう」という場合は、計画やリストを複数の視点で見直すと同時に、その背後にある組織の考え方や取り組み姿勢も問い直してみましょう。 

訪問目的が形骸化していたり、企業として蓄積すべき具体的ノウハウが言語化されずに個人任せになっていると、経験豊富な人が辞めると同時にノウハウも流出してしまうリスクが高まります。

行動内容を変える前に、考え方を浸透させる

「毎月、行動計画を変えてはいるのに、成果が長続きしない…」と嘆くケースは少なくありません。

それは多くの場合、“考え方”が共有されていないまま、“行動内容”だけを変えようとしていることに原因があります。 

従業員が5名程度の小規模企業なら、トップが直接アドバイスしながら行動内容を修正するだけで改善することもあるでしょう。

しかし、拠点が3つ以上に増え、営業担当者も人数が多くなると、個別に行動をチェックするだけでは不十分です。

現場によって状況や客層も異なるため、部分的なテコ入れで大きな成果をあげるのは難しいのです。 

だからこそ、まず「営業活動の考え方」を拠点のリーダーや現場管理者に浸透させることが先決です。

考え方が明確になれば、自然と「どんな行動を取るべきか」「どんなツールを使うべきか」が浮かび上がってきます。

考え方を明確にすれば、手法は自ずと決まる

「欲求を知らないものは、価値を提供できない」という言葉があります。

これは営業活動だけでなく、あらゆるビジネスシーンで通じる基本的な考え方です。 

顧客の欲求、すなわち「痛み」や「課題」、あるいは「今よりもっと良くなりたい」というニーズを理解しないままでは、適切な提案はできません。

ですから、顧客情報を詳しく把握し、彼らの欲求や願望をどう満たすかを考える必要があります。 

この考え方が組織全体に浸透すれば、自ずと「どのような顧客情報が必要か」「どんなアプローチ方法や話法がうちの会社に合っているか」といった具体的な営業手法も決まっていきます。

逆に手法だけを先に取り入れても、考え方が伴わなければうまく機能しないでしょう。

リーダーへの考え方浸透こそが鍵

経営者から「考え方が大事だよ」と繰り返し若手に伝えていても、現場をまとめるリーダーがその考え方を理解していなければ、実際の行動にはなかなか反映されません。 

リーダーが考え方をしっかり身につけていないと、部下は「自分のやりたいようにやっても構わない」と感じてしまい、それぞれのやり方にバラつきが出ます。

その結果、売上が伸びるチームとそうでないチームの格差がますます広がる恐れがあります。 

会社全体のビジョンを浸透させるのと同じように、営業活動においても「考え方」の浸透を徹底して行うことが、持続的成長への近道です。

組織風土改革と継続的な努力

最後に、営業活動の行動面だけに注目していては、根本的な問題を解決できないことを強調しておきます。

行動を変えるには、まず考え方を変える。

そして、その考え方が浸透するためには、組織全体の風土改革が必要です。 

「うちの拠点は昔からの慣習が強く、なかなか変わらない」という声もよく耳にします。

しかし、考え方が変わらないまま新手法を取り入れても、結局は元のやり方に戻ってしまいがちです。

ここに風土改革が伴わなければ、どれだけ一時的に成果を出しても、長期的な業績向上は難しいでしょう。 

大切なのは、地道であっても継続的な努力を怠らないこと。

営業担当者が実践しやすい環境を整え、リーダーがその考え方をメンバーに伝え、組織全体が同じ方向を向くように働きかけることです。

まとめ:持続的な成長を実現するために

拠点間の売上格差を是正し、組織全体の営業力を底上げするために、以下のポイントを改めて意識してみてください。 

●年間目標を達成するための戦略(シナリオ)を明確にする
●計画と行動のズレをなくす
●顧客情報と行動管理を可視化する
●訪問目的を明確にする(具体化されたノウハウで共有する)
●「こなす仕事」と「仕掛ける仕事」を区別する
●営業活動の考え方をリーダーに浸透させる
●組織風土改革と継続的な努力を行う

こうしたポイントを着実に実践していけば、局所的な対策にとどまらない、根本的かつ長期的な組織力の向上が期待できます。

今はどの拠点もバラバラに動いているように見えても、組織のビジョンや考え方を共有し、ノウハウや顧客情報を「見える化」していくことで、自然と“全体最適”が図れるようになるはずです。 

ぜひ、今日からできる一歩を踏み出してみてください。

拠点ごとの売上格差に悩むのではなく、全拠点が力を合わせて成長できる状態を目指しましょう。

今後の営業活動が、御社にとってより飛躍的な成果につながることを心より願っています。

 

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