仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第403話 マネジメントだけでは変わらない!「考える場づくり」と仕掛ける仕事管理で、営業成果アップへ導く方法
はじめに
いつの間にか「営業会議」がお決まりの報告会で終わっていませんか?
「今日の売上はこれくらい」「来月の目標はこれです」
それだけでは、忙しさの中で形骸化してしまいがちです。
もちろん、売上目標の管理は大切ですが、本質的な成長を目指すなら、営業会議をもっと「考える場」へと変えていく必要があります。
単にPDCAサイクル(Plan→Do→Check→Action)を回すだけでは、どうしても“報告”や“作業”に偏りがちになってしまいます。
今回の記事では、「営業の成約達人」を生み出す仕組みづくりを参考に、中小企業が営業会議で「考える場づくり」を推進するためのステップをご紹介します。
日頃の会議を、経営者や管理者が自社の未来を真剣に考えるきっかけにするヒントとして、ぜひお役立てください。
「見える化」で共通認識を醸成する
まず、「考える場づくり」の第一歩として欠かせないのが、上司と部下が同じ情報を共有するための「見える化」です。
よくあるのが、「売上目標だけを数字で示す」「顧客名と住所が一覧になっているだけの訪問リスト」というケース。
これでは、会議の場でどれだけ議論を重ねても、具体的にどのような行動を取ればよいかイメージしづらいまま終わってしまいます。
そこで大切になるのは、意見や推測ではなく事実を共有することです。
たとえば、顧客の製品使用年数や担当者の課題・悩み、社内でのシェア状況といった情報を細かく整理し、営業担当者が「次にどんなアプローチをするべきか」を考えやすいようにすることが重要です。
また、初回アプローチのタイミングや見積もり提出の有無、連絡手段が電話か訪問か、あるいはWEB経由なのかといった行動履歴も詳しく残しておくと、「前回はここまで提案できたけれど、今回はこう切り口を変えよう」といった多角的な議論が可能になります。
「見える化」があやふやだと、営業会議は“数値目標だけの会議”に終始してしまい、真の“考える場”には発展しません。
逆に、事実を誰もが共有できている環境があれば、顧客ごとにアプローチ方法を考える議論が自然と深まります。
こうした土台があるからこそ、「どうすれば顧客の潜在ニーズを引き出せるのか」「どんな情報提供が効果的か」といった本質的な検討ができるようになるのです。
「考える場づくり」から訪問計画へ
多くの企業では、売上予測や訪問計画など“Plan”にあたる部分について、すぐに結論を出そうとしがちです。
しかし本来、計画を立てる前に「どの顧客に対してどんな事実があるのか」を共有し、そこを出発点として「考える場」をつくることこそが先決です。
そうすることで、一人ひとりの営業担当が数字だけでなく“中身のある戦略”を持てるようになります。
手順としては以下の通りです。
1) 事実を共有化した「見える化」
2) 「考える場づくり」
3) 訪問計画
このステップを踏むことで、日常業務の忙しさに流されるだけの状況から抜け出し、実践的な行動に結びつく訪問計画を策定できます。
計画倒れを防いで着実に成果を上げられるのも、事実に基づいた「考える場」があってこそです。
売上目標を「なぜ、その数字になったのか」「どうすれば達成できるのか」と具体的に考える段階を増やすことで、各担当者のモチベーションと実行力も高まります。
「仕掛ける仕事」を仕組み化する
営業活動には、大きく分けて「こなす仕事(受動的な仕事)」と「仕掛ける仕事(能動的な仕事)」があります。
こなす仕事とは、顧客からの問い合わせや要望に対して応える業務です。
一方、仕掛ける仕事とは、自社の商品・サービスを必要としている潜在顧客に先手を打ってアプローチし、新たな需要を顕在化させる業務を指します。
「考える場づくり」を本当に機能させたいなら、この仕掛ける仕事を“思いつき”や“気合い”だけで終わらせず、継続的に推進できる仕組みに落とし込むことが欠かせません。
例えば、定期的に顧客のニーズを洗い出すワークシートを作成し、それを営業会議で必ずレビューするルールを設けるといった方法が考えられます。
こうした仕組みがあると、営業担当者が思い付きだけで走るのではなく、事実やデータを基に戦略的に考えられるようになります。
また、仕掛ける仕事には手間や時間がかかることも多いですが、だからこそ「考える場づくり」において最も議論が必要な部分とも言えるでしょう。
放っておくと後回しになりがちな能動的な仕事を、組織としてどうマネジメントしていくか――そこをしっかり設計することで、売上アップや新規顧客開拓に大きな成果をもたらします。
マネジメント方法を変革する
仕掛ける仕事を本格的に回そうとすると、これまでの“受動的スタイル”に慣れた体制では、うまく機能しないことがしばしばあります。
というのも、多くの会社が導入している営業管理システムの「案件管理」は、どちらかというと受動的な営業スタイルの管理には向いていても、能動的な新規開拓や潜在顧客へのアプローチには十分に対応していない場合があるからです。
たとえば、「既存顧客が問い合わせをしてきてから見積もりを作る」という流れなら、案件管理でも十分に対応可能です。
一方で、「見込み客を自分たちでリストアップし、潜在ニーズを顕在化させる」という仕掛ける営業には、まったく異なる視点のマネジメントツールが必要です。
両者の営業プロセスが違う以上、必要な管理項目やチェックポイントも異なります。
ここを理解せずに、同じツールや同じ指標で両方の営業を管理しようとすると、結局は「数字が合わない」「施策を打っても成果が見えない」といった混乱だけが残ってしまいます。
結果として、本来の「考える場づくり」に集中できず、会議がいつの間にかダメ出しや叱責の場になる――そんな悪循環に陥るケースは少なくありません。
マネジメント方法を変革し、能動的な営業に適した仕組みを併用することが、「考える場づくり」を成功させる鍵といえるでしょう。
「成約達人ツール」を活用する
乾経営コンサルティングでは、事実を共有化するための「見える化」を実現するために、「成約達人ツール」と呼ばれる16種類のマネジメントツールを導入しています。
「ツール」と聞くと、つい「管理・監視」を連想しがちですが、目的はあくまでも「考える場づくり」をサポートし、社員やチームの創造性を高めることにあります。
もし、みなさんの会社で導入している営業管理システムが、営業スタッフの“できていない部分”を指摘するだけの仕組みに陥っているとしたら要注意です。
こうした使われ方をすると、営業スタッフはやる気を削がれ、指示を待つだけの存在になりかねません。さらに、顧客情報管理や行動管理が曖昧な会社では、誤ったデータを基にした分析で、現場が疲弊するだけになる危険性もあります。
「考える場づくり」をもう一段進化させるためには、現場スタッフが事実を共有できる、双方向のコミュニケーションを促すツールが有効です。
それによって、新人営業からベテランまでが納得感を持って課題に向き合うようになり、会社全体の営業力が底上げされるでしょう。
まとめ
いかがでしょうか。皆様の会社の営業会議が、どれくらい「考える場」として機能しているかを振り返ってみてください。
以下の5つのポイントを意識するだけでも、会議の質は大きく変わります。
1)「見える化」で共通認識を醸成する
2)「考える場づくり」から訪問計画へ
3)「仕掛ける仕事」を仕組み化する
4)マネジメント方法を変革する
5)「成約達人ツール」を活用する
まずは「見える化」を徹底し、事実をベースに戦略を考えるところから始めてみてはいかがでしょうか。
詳細な顧客情報や行動履歴を共有することで、「想定外のヒント」や「新しい提案のきっかけ」が生まれるかもしれません。
そして、単なる数値報告ではなく、「次の打ち手」「よりよいアプローチ」を見出すことに時間を割く。そうした会議の積み重ねが、中小企業の大きな成長へとつながっていくはずです。
そのための仕組みづくりやツール導入は一朝一夕にはいかないかもしれませんが、経営者や管理者こそが「考える場づくり」の推進役となってください。
一人ひとりの業務内容を深く理解し、具体的な情報を共有する場を整えることで、組織全体が自ら考え、行動する力を身に付けられるでしょう。
結果的に、社員の能力が最大限に引き出されると同時に、会社の売上や将来性も確かなものへと変わっていきます。
ぜひこれを機に、ご自身の会社の営業会議を見直し、「本当に考えられる場」へと進化させてみてください。
