仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第381話 中小企業の成長を支える「右腕人材」の選び方と育成:2代目経営者が知っておくべき3つの能力
はじめに:右腕人材がもたらす成長のカギ
中小企業が年商10億、30億と継続的に売上を伸ばし、安定した経営を行うためには、経営者を支える「右腕人材」の存在がとても重要です。
しかし、右腕人材と呼ばれる人を、勤続年数や営業成績だけで判断していませんか?
実際、それらの指標に頼って人選してしまい、思うように成果が得られないケースは少なくありません。
この記事では、中小企業の経営者が右腕人材を正しく選び、育成していくために知っておきたい「3つの能力」と、その見極め方をご紹介します。
あわせて、2代目経営者にとって欠かせない「2つの特別な能力」についても掘り下げていきます。
自社が抱える課題や将来像をイメージしながら、ぜひ最後までお読みください。
右腕人材に不可欠な3つの能力
まず、右腕人材に求められる3つの能力を整理してみましょう。
1) 3か年戦略構築力
●長期的なビジョンを描き、企業の進むべき方向を示す力
2)マネジメント推進力
●年間の戦略を練り上げ、戦術として実行に移す力
3)営業現場問題解決力
●日常のトラブルをスピーディに対処し、高額案件を獲得する力
このうち、経営者が意外に見落としがちなのが「マネジメント推進力」です。
良い製品やサービスを持ち、積極的に人材採用を行っていても、年商10億や30億の壁を乗り越えられない企業は、マネジメント推進力が不足している可能性があります。
大きな目標や将来像を意識しながらも、具体的な実行計画やチームを動かす力が欠けていると、いずれ組織の成長に限界が訪れるのです。
マネジメント推進力が重要な理由
中小企業の経営者の多くは、営業現場での問題解決に長けています。
自ら先頭に立って動けば、早い段階で売上を獲得できるからです。
しかし、その一方で「人に任せるのが苦手」という傾向があるとも言われます。
自分で動いたほうが結果につながりやすいことを知っているからこそ、組織全体のマネジメント体制を整えるよりも、場当たり的な指示や精神論に頼ってしまいがちです。
しかし、優れた経営者は、あえて自分の苦手分野を把握し、外部サービスや社内での人材育成によってそれを補っています。
歴史に名を残す経営者として有名な松下幸之助も「病弱であったため、人の力を借りてきた」ことを自らの成功要因として語っています。
マネジメントの仕組みを導入し、右腕に任せることで、経営者自身はより大きな戦略や次のビジョンを描くことに専念できるのです。
右腕人材を見極めるために大切なこと
右腕人材を見極める際に、勤続年数や営業成績だけに注目してしまうと、うわべだけの評価に陥るリスクがあります。
本当に重要なのは、社員一人ひとりの日頃の仕事ぶりや考え方を丁寧に観察し、長所と短所を正しく把握することです。
表面的なコミュニケーションでは見えない部分を知るためには、経営者や管理者が社員との「本気のかかわり」を持つ姿勢が不可欠です。
さらに大切なのは、社員が「3か年戦略構築力」「マネジメント推進力」「営業現場問題解決力」のうち、どの分野で力を発揮できるかを見きわめること。
これら3つの能力の持ち主は、考え方や仕事観が異なる場合が多く、互いにぶつかりやすい面もあります。
だからこそ、経営者がそれぞれの強みと弱みを理解し、組み合わせることでチームとしての総合力を高めていく必要があるのです。
部門間の対立を乗り越えて組織力を高める
能力の異なる人材が集まると、当然衝突も起こりやすくなります。
例えば、長期的プランを重視する人と、目先のトラブルを早急に解決したい人とでは、仕事の進め方が全く違うため、対立してしまうこともしばしばです。
しかし、経営者が各々の長所を最大限に活かすよう配慮し、お互いの役割を尊重できる環境を整えることで、企業は組織として大きな力を発揮します。
たとえば、漫画「キングダム」で描かれる多様な能力を持つ武将たちが、共通の目的があることで結束力を高めるように、企業の場合も経営者が「全員が目指すべきゴール」を示すことで、社内の温度差をなくし、チームワークを強化できるのです。
2代目経営者が持つべき2つの能力
さて、ここからは右腕人材の育成のみならず、2代目経営者が特に意識して身に付けるべき「2つの能力」についてお伝えします。
これらを意識して行動することで、組織全体がさらにスムーズに動き、社内の成長速度が高まります。
1)全体の意見の視座を受け入れる能力
2代目経営者は、若い世代のアイデアや、長年会社を支えてきた番頭格のベテランからの意見など、さまざまな視座が飛び交う環境に立つことが多いものです。
大切なのは、そうした異なる視点を「まずは受け止める」という姿勢です。
「3か年戦略構築力」に強みを持つ経営者と、「営業現場問題解決力」に長けた取締役などの番頭役との間では、意見の対立が起こるのは自然なこと。
そこにマネジメント推進力を得意とする人材が加われば、さらに議論が複雑になるかもしれません。
だからこそ、経営者が「互いに目指すものは同じである」という前提を示し、「あなたの視点ではどう見えますか?」という枕詞で意見を引き出していくことが、円滑な意思決定につながるのです。
2)決めて、実行させる能力
2代目経営者が単に部下の話を聞くだけでは、組織は前に進みません。
経営者という立場には、「決める」「実行させる」という責任が伴います。
年度の方針を打ち出すだけでなく、どのように実行するか、誰がどの工程を担うのかという具体的なステップまで落とし込み、定期的に進捗を確認する仕組みを整えましょう。
強い意志を持ち、こだわりを持って実行を続けることで、社員たちも「本気なんだ」と感じ、行動に移りやすくなります。
トップが示す熱量や方向性は、気づかないうちに組織全体を巻き込むのです。
裸の王様にならないために
経営者が自分の得意分野だけを押し通そうとすると、まわりには本音を言う人がいなくなり、いわゆる「イエスマン」しか残らなくなってしまいます。
そうなると、組織は大切な人材を失い、経営者自身も正確な情報を得られなくなります。
人間は誰でも有限の時間と能力しか持ち合わせていません。
ゆえに「他者の力をどう借りるか」こそが、事業を拡大していく最大のポイントになります。
そのためにも、経営者は仲間が持つ強み・視座を理解し、実際の行動や方針に取り入れなければなりません。
1年以上の視座を持つ人材を育成する
中小企業が、長期経営のビジョンに向かって努力を続けるためには、右腕人材だけでなく、1年以上の視座を持つ社員を徐々に増やしていく必要があります。
たとえば数年単位の事業計画と、短期的な営業戦術や日常業務の推進を両立できる人材を育成することが重要です。
もしも1年以上先の視座を持つ人材が育たないと、経営者が常に現場へ足を運び、すべての指示を行わなければならなくなります。
すると経営者が本来注力すべき「3か年戦略構築」や新たな事業アイデアの検討にさく時間が足りなくなります。
仕組みを整え、社員に早めから実践的な体験を積ませていくことで、それぞれが成長し、最終的に経営者の負担を軽減できる組織体制を作り上げるのです。
まとめ
中小企業が大きくさらなる成長を目指す際、経営者を支える「右腕人材」の存在は不可欠です。
特に、3つの能力、「3か年戦略構築力」「マネジメント推進力」「営業現場問題解決力」をバランスよく発揮できるかどうかが、組織全体の成功に大きく影響します。
そして2代目経営者にとっては、社内外の多様な視点をまず受け止める「全体の意見の視座を受け入れる能力」と、それらを踏まえて意思決定し、実行を牽引する「決めて、実行させる能力」が欠かせません。
これらのポイントを押さえたうえで、自社の現状を振り返ってみてはいかがでしょうか。
もし「マネジメント推進力を重視していなかった」「1年以上の視座を持つ人材がいない」などの課題があれば、ぜひ改善に向けて具体的なアクションを起こしてみてください。
組織全体が一人ひとりの強みを尊重し合い、それぞれの役割をしっかり果たすことで、厳しい環境下でもまとまり、企業としての総合力を高めることができるでしょう。
今こそ、右腕人材の選び方・育て方を見直し、2代目経営者としての新たな一歩を踏み出してみてください。
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