仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第379話 中小企業が陥りやすい“場づくり”の誤解を解消し、営業組織の力を最大化する方法
はじめに
「営業組織の力をもっと引き出したいけれど、具体的に何をすればいいのか分からない」というお悩みをお持ちではありませんか?
よく耳にする「場づくり」という言葉、ご存じの方も多いと思いますが、実はチームマネジメントや雰囲気づくりにとどまらない、もっと深い意味があるのです。
本記事では、中小企業が見落としがちな“場づくり”の本質を紐解き、実践に役立つ具体的な方法をご紹介します。
“場づくり”とは何か? ~共通認識を醸成するために~
先日、ある経営者の方から「コラムで“場づくり”の重要性を説いているのはなぜ?」と尋ねられました。
その方は“場づくり”を「チームマネジメント=仕事量の公平な分配」と捉えていたのです。しかし、それは“場づくり”の一角でしかありません。
たとえば「顧客視点の営業活動」という言葉を組織で掲げても、各人が思い浮かべるイメージは微妙に異なるものです。
共通認識がないままスローガンだけを掲げても、実際には期待した成果を得づらいからです。
そこで当社では“場づくり”を、「営業会議などで『ああしよう、こうしよう』という建設的な議論が活発に飛び交い、その結果、方針・数値目標・具体的行動が自主的に決まっていく状態」と定義しています。
なぜ“場づくり”が重要なのか? ~相乗効果を生む組織へ~
共通の目的に向かって人が集まれば、本来1+1が単なる2ではなく、それ以上の相乗効果(掛け算)を生むはずです。
私が30代のとき、半年で500社の販売店売上を対前年比200%以上に伸ばした経験があります。
同じ戦略・戦術を提供していても、伸び率は各社で大きな差がありました。その違いを生み出したのが“場づくり”だったのです。
もし逆にやる気のないメンバーばかりが集まれば、1+1が0.5以下になることさえあります。
つまり、お互いが足を引っ張り合い、失敗を待つような雰囲気になってしまうのです。
だからこそ、組織全員が一丸となって前向きに取り組める“場づくり”は経営者や管理者にとって必要不可欠といえるでしょう。
“場づくり”を阻む要因 ~負の連鎖から抜け出すために~
どんなに優れたノウハウやシステムを導入しても、“場づくり”が不十分な組織では、期待する成果を得にくいものです。
たとえば、場の雰囲気が0.5程度にしか機能していない状態で、1.5倍の効果が望める施策を投入しても、実質的には0.75程度にしか到達しません。
営業管理システムでも同様です。
“場づくり”ができていない会社がシステムを導入すると、データを「部下をダメ出しする道具」としてしか活用できず、生産的な使い方につなげられないケースが多々見受けられます。
“場づくり”を活性化する「仕掛ける仕事」
“場づくり”を進めるには、受動的な「こなす仕事」よりも、能動的にアイデアを出し、動きをつくっていく「仕掛ける仕事」が最適です。
自発的に考え、周囲を巻き込み、具体的なアクションに結びつける。このサイクルが組織の意識改革を促し、さらなる成長を後押しします。
経営者が陥りやすい落とし穴 ~“場づくり”なきスローガンの空虚さ~
気をつけたいのは、経営者が使いたがる「聞こえの良いスローガン」です。
組織の“場づくり”が曖昧なまま、いくら「頑張ろう!」「視野を広げよう!」と呼びかけても、社員は表面上聞いているふりをするだけで、行動につながりません。
スローガンを掲げるだけでは現場は動かない。
これこそが多くの中小企業で見られる落とし穴なのです。
視座を高める ~主体的な行動を促すために~
“場づくり”を成功させるには、社員一人ひとりの「視座」を高めることがカギになります。
視座とは物事を見るときの立脚点で、視座が高いほど視野や視点が広がっていきます。
逆に視座が低い人とは、そもそも物の見方が違うため、話が噛み合わないこともしばしば起こるのです。
「視座を高めろ」「視野を広げろ」と口で言うだけでは効果は薄いものです。
具体的な取り組みを通じて、社員自身が「視座を高めるメリット」を体感するプロセスが欠かせません。
視座を高めるための3要素 ~在り方・考え方・戦略・戦術~
当社では視座を高めるために、
・在り方(社会への貢献をどこに置き、信念として行動に反映させているか)
・考え方(仕事への信条や理念)
・戦略・戦術(目標達成のための具体的プラン)
の3要素を重視しています。
なかでも「在り方」は難易度が高いですが、現場で仕事をするうちに「考え方」は比較的育みやすく、部門リーダーには「戦略を構築する力」を、一般職には「戦術を実行する力」を身につけてもらうといった段階的アプローチで、各自が成果体験を積んでいきます。
こうして少しずつ視座を高めることで、組織全体がステップアップするのです。
組織風土を変える ~仲間づくりと成功事例の共有~
考え方や戦略・戦術を落とし込むには、取り組みをマニュアル化して仕組みとして構築し、常にブラッシュアップを続けることが重要です。
言語化されることで「具体的に何をすべきか」がハッキリし、実践しやすくなります。
さらに、組織の空気を変えるためには「仲間づくり」が不可欠です。
たとえば、うまく成果を上げているチームをモデルケースとして社内で共有し、それを水平展開していく。
こうした成功事例の“見える化”が、他のチームのモチベーションを高め、大きな波及効果を生むのです。
最終的に“場づくり”を社内に根づかせるためには、視座の高い人材を増やすことが必須といえます。
ここは経営者や管理者の腕の見せどころ。どんなに忙しくても、将来のチームづくりに時間を投資することが、結果的に企業全体の成長を加速させます。
おわりに
“場づくり”は単なるチームマネジメントではなく、組織が本来持っている潜在能力を最大限に引き出すための戦略そのものです。
一人ひとりが主体的に動き出す組織は、止まることなく成長を続けます。
そして、その成長を後押しするのは、経営者や管理者の「場」をつくる意識と具体的な取り組みです。
ぜひ本記事をヒントに、自社ならではの“場づくり”を進めてみてください。
皆様の会社の発展を心より応援しています。
