「営業の成約達人」を生み出す仕組みの作り方

代表 乾切抜き 仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第373話 法人営業にインサイドセールスが通用しない理由:営業推進の考え方の欠如

はじめに

経営者及び管理者として、日々の経営のなかで、多くの課題と向き合いながら挑戦を続けていることと存じます。

今回のテーマは「インサイドセールス」です。

コロナ禍をきっかけに、インサイドセールスという言葉が急速に広がりましたが、その導入にあたっては「具体的に何をやるか」ばかりが先行し、全社的な仕組みづくりや導入の真の目的が見落とされがちです。

そこで本稿では、インサイドセールスの本質を改めて見つめ直し、成功させるうえで欠かせない「仕組み」と「目的」に焦点を当てながら、中小企業がどのように取り組むべきかを具体的に解説します。

社内体制づくりのヒントに、ぜひお役立てください。

インサイドセールスの誤解と現実

まず多くの企業が陥りがちなのが、「内勤型の営業部隊を作れば成績が自動的に上がる」という安易な発想です。

しかし、インサイドセールスは単なる「内勤型営業」ではありません。実際は「増販(既存顧客への販売強化)」と「増客(新規顧客の獲得)」のどちらを重視するかによって、取り組み方が大きく変わります。

中小企業はリソースが限られているぶん、戦略設計の巧拙が成果に直結します。

インサイドセールスを適用できる領域には、次の4つの切り口があります。

・増販の今すぐ客 
・増販のそのうち客 
・増客の直接アプローチ 
・増客の間接的施策 

多くの企業は「営業が手をつけられていない領域」のうち、「増販のそのうち客」と「増客の直接アプローチ」をインサイドセールスに任せがちです。

しかし、「営業担当者がやりたがらない仕事を他部署へ丸投げする」だけでは成果が出にくいのも現実。導入前に、なぜその領域が重要なのか、どのように成果へつなげるのかを明確にする必要があります。

仕組み構築の重要性

インサイドセールスを成功させるためには、組織全体で“再現性のある仕組み”を構築することが欠かせません。

ここで言う「仕組み」とは、一定の能力さえあれば誰でも成果を出せるように設計されている状態を指します。

仕組みがなければ、成果が個人の経験や能力に依存しがちになり、担当者が変わるたびに業績が揺らいでしまうリスクが高まります。

<仕組み化の意義> 

・教育や訓練を通じて社員の能力を底上げし、安定した成果を期待できる。 

・営業スタッフが少人数(5名以下)の場合は属人的に回せるかもしれないが、それ以上の規模になれば限界が訪れる。 

・経営者がいつまでも現場の営業に張りついていると、会社の成長スピードが落ちるだけでなく、採用にも苦労しがち。 

つまり、経営者は戦略的な意思決定に注力できる体制をつくり、現場は成果を出し続けられる仕組みを整える。

これがインサイドセールスを導入する大きな目的の一つとなるわけです。

実際のインサイドセールス活動では、電話対応のトークスクリプトやメール文章の巧拙ばかりが注目されがちですが、本当に鍵となるのは次の4要素が連動しているかどうかです。

(1)年間の増販・増客施策(特に新規顧客は間接アプローチが重要) 
(2)顧客情報管理(見込み客に関する情報の言語化・整理) 
(3)提供価値シート(顧客の悩み・願望と、自社製品・サービスの提供価値をひも付ける) 
(4)行動管理(重要顧客・見込み客への年間アプローチ計画と実行管理) 

これら4つの仕組みが噛み合えば、受注確度の高い見込み顧客を着実に抽出し、営業へパスしていく流れがつくりやすくなります。

目的の明確化

インサイドセールスを導入する際に見落とされがちなのが、「なぜやるのか」という目的の部分です。

手法や手段ばかりに気を取られると、本来の目的がすり替わってしまいがちになります。

企業ごとに目的が異なれば、同じ施策であっても運用や注力ポイントは大きく変わるからです。

たとえば展示会への出展を例にとってみましょう。

「名刺獲得・販売」が目的なのか、それとも「市場リサーチ」が目的なのか。どちらを優先するかで、ブース演出や製品資料、接客の仕方までが全く変わってきます。

最近では、リサーチを重視して新製品開発につなげたり、顧客への新提案を練ったりする企業が増えています。

目的を明確にするほど、施策の効果は高まり、結果的に成果も得やすくなります。

インサイドセールスにおける「見える化」と「共有化」

インサイドセールスを仕組みとして機能させるためには、「見える化」と「共有化」が欠かせません。

担当者任せや属人的な取り組みばかりでは、組織全体の成長につながりにくいのです。

・見える化:営業プロセスや顧客情報を、誰が見ても一目でわかる形にしておく。問題点や改善点が把握しやすく、管理・引き継ぎもスムーズになる。 

・共有化:チームや関連部署内で情報を共有し、連携を高める。部署同士で重複していた作業が減り、リソースの有効活用が期待できる。 

とくに増販・増客の各施策を組織全体で動かす場合、単発ではなく部門連携によって成果を出すことが重要です。

コロナ禍を経てからのインサイドセールスの役割

対面営業が難しい状況下では、インサイドセールスがさらに注目度を増しています。

ただし、よくあるのが「インサイドセールス部隊を単独で作って終わり」というケース。これだと、単なる「内勤の営業部隊を増やしただけ」になりかねません。

大切なのは「営業推進部隊」として捉えることで、組織全体の営業活動を後押しする役割を担ってもらうことです。

<営業推進部隊のポイント> 

・営業プロセスの一部分だけでなく、営業全体が動きやすくなるようにきっかけを作る。 

・主体的な営業活動をサポートし、増販施策を通じて訪問やオンライン商談を後押しする。 

・「雑用を肩代わりする部署」ではなく、営業と一体となって成果や売上拡大に貢献する。 

こうした考え方を導入すれば、対面が難しい環境でも、より広範囲かつ計画的に営業を展開できるようになります。

まとめ

インサイドセールスを成功させるカギは、「具体的に何をするか」ではなく「仕組みとして機能するか」を徹底的に検証することです。

そのために、次の3点を改めてチェックしてみてください。

(1)仕組みの構築

人材教育を施せば、一定水準以上の成果が出せるようなシステム・体制になっているか? 

(2)目的の明確化: 

手法と目的のセットがきちんと考えられているか? 目的がずれると施策の効果も薄れやすい。 

(3)見える化と共有化: 

営業プロセスや顧客情報が可視化され、部門間でスムーズに連携できる環境が整っているか? 

コロナ禍においては、「インサイドセールス」の言葉に流されがちでしたが、根底にあるのは「営業推進機能の強化」です。

今の営業プロセスを改めて見直し、この先の環境変化にも柔軟に対応できる体制を築いていきましょう。

一度、仕組みを整えれば、今後の拡大や変化に合わせてスピーディに修正を加えられるはずです。

インサイドセールスを軸に、持続的な成長を実現する企業づくりを目指してみてください。 

 

「営業の成約達人」を生み出す仕組みの作り方を学ぶセミナーは、こちらをクリック!