仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第190話 提案営業の独自の価値づくりで知ってほしい、顧客の悩みと願望の違い
先週のコラム(第189話)を読まれた方から、次の質問をいただきました。
顧客の悩みと願望の違いを理解するために、過去のコラム記事で参考になるものはあるでしょうか。
残念ながら、過去のコラム記事で、顧客の悩みと願望の違いについて説明したコラム記事はありません。
これは、個別コンサルで話をしているためです。
ただ、質問された方の悩みと願望の違いの着眼点が素晴らしいと感じたため、このコラムで解説をしたいと思います。
文章なので、どこまで伝わるか分かりませんが、悩みと願望の違いのニュアンスを理解していただければ幸いです。
ニュアンスが理解でき、分かっているだけでなく、出来ているに変わると提案営業力は飛躍的にアップすることは保証させていただきます。
では、顧客の悩みと願望を、なぜ分けるようになったのか、その経緯から話しをさせてください。
コンサルティング現場では、主力製品の価値をキーワードにして、その価値は、顧客のどの悩みや願望を解決するのかを書き出す演習を行っていただいています。
そうすると、多くの会社で、顧客の悩みや願望を正しく理解できていないということが分かってきました。
「えっ、どういうことですか、そんなことはないでしょう」という声が聞こえてきそうですね。
当社の経験則では、ちゃんとできている会社は、ほぼ皆無でした。
このできているという定義は、営業スタッフの8割ができていればできているにしています。
良くて7割(おしい)、一般的には6割、ひどい会社は2割です。
では、貴社でも一度、演習をしていただければ実態が分かります。
主力製品(サービス)の提供価値は、顧客のどの悩みや願望を解決するのかを書き出して見てください。
できましたか・・・。
そうすると、その書いた文章を良く見てください。
恐らく、顧客の悩みではなく、現象のことを書いてないでしょうか。あるいは、顧客の悩みと言っているのに、製品特徴のことを書いていないでしょうか。
ある会社で、この演習を行ったところ、6割が顧客の現象で2割が製品特徴で、2割が顧客の悩みでした。顧客の願望はゼロでした。
ちなみに、製品特徴とは、○○サービスや○○プログラムというような、製品に関連するものです。
「いや〜、乾先生、いくらなんでも顧客の悩みを聞いているのに、製品特徴のことは書かないでしょう」と言われるかもしれません。
でも、当社の経験則からして、普通に製品特徴のことをあげられる方が、必ずおられます。
恐らく、普段の営業で製品カタログの説明を顧客に一生懸命していることから、顧客の悩みが製品特徴に無意識にすり替わっているのでしょう。
「そんなことは、無いでしょう」と、まだ、思われている方もいるでしょう。
では、ここで質問です。
「現象」と「悩み」と「願望」の違いを言語化できるでしょうか。
言語化できて、知っているが分かっているになります。
言語化できないと、「現象」と「悩み」と「願望」の違いを知っているつもりになります。
そう、つもりです・・・。
言語化に正解・不正解は求めませんが、参考までに当社の定義を以下の図にまとめました。
なんとなく、伝わるでしょうか。
現象とは、日々起こっていることだが、問題とは感じていないこと。
悩みとは、日々の現場で起こっていることで、より良い解決策を探していること(顕在ニーズともいいます)
願望とは、将来の理想像で、それが出来るかは気づいていないこと(潜在ニーズともいいます)
ここまでOKでしょうか。
では、次の表現は、現象・悩み・願望のどれに該当するでしょうか。
詳しく書くと守秘義務違反になりますので、少しぼやかして表現しますので、ニュアンスを掴んでいただければ嬉しいです。
例:○○の材質が湿気で機能変化を起こしている。
これは、顧客の悩みではなく、現象になります。
なんとなく伝わっているでしょうか。
現象は、まだ悩みには昇華していないということです。
上記の例で言えば、○○の材質が湿気で機能変化を起こしているので、どんな悩みが出ているのかまで書けていれば問題はありません。
書けていない理由は、顧客の担当者が現象レベルの説明をして、それをそのまま鵜呑みにして聞いていることが習慣になっているからです。
営業ができるスタッフは、顧客の担当者が現象レベルの説明をしたら、間髪入れずに、問題の深掘りの質問をしています。
上記の例で言えば、次のような質問です。(初級編です)
「○○の材質が湿気で機能変化を起こすことで、どのようなことが起こっていますか」
これは、問題点を顧客に喋っていただくための深掘り質問です。
営業スタッフが問題点を喋ると、顧客は問題点を認識しないからです。問題は認識されて悩みに昇華します。
そして、人間は、自分が喋ったことは認識して、相手が喋ったことは認識せずに受け流という考え方を営業スタッフの方は持つ必要があります。
だから、悩みや願望は必ず、顧客の口から話していただく必要があります。認識をしていただき、悩みに昇華していただくためです。
話が脱線しそうなので、本題に戻します。
現象しか出てきていなければ、顧客の悩みまで深掘りができていないことが一発で見抜けてしまうということです。
この時点で、その会社の営業スタイルは、説明型の営業スタイルになっていることが一発で見抜けてしまいます。
これは、会社のホームページでも同じことが言えます。
もし、「こんなことでお悩みはありませんか」と書いてあるページがあれば、そこに書いてある文章をチェックしてみてください。
現象のこと書いてあるのか、悩みのことを書いてあるのか、願望のことを書いてあるのか・・・です。
現象のことを書いて、顧客に、「そうそう」と言っていただくのを狙いにしているのであれば良いですが、狙いもなしに、ただ書いているだけでは大問題です。
自社の営業部門が、顧客の現象・悩み・願望を分かっていないことをホームページで公開しているようなものですから・・・。(案外、大手企業がこのことができていなかったりします・・・)
最後にもう少し補足をします。
以下の図を見てください。
現象だけの把握だけでは、顧客から「そう、そう」の言葉だけで終わります。
悩みは、「そう、そう」から、「何か良い解決策はないかという方法論を尋ねられます」
願望は、「えっ!」から「それって、本当にできるの」と尋ねられます。
悩みは、「そう、そう」です。
願望は、「えっ!」です。
この違いが分かるでしょうか。
顧客から、「えっ!」という言葉が出るようになると、これが独自価値です。
独自価値とは、悩み・願望→提供価値→具体事例の3セットのことです。
図に示すと以下になります。
悩みでも、具体事例で「えっ」をもらうとこれも独自価値になります。
文章なので、説明が難しいのですが、ニュアンスを理解していただければ幸いです。
多くの会社では、現象・悩み・願望を理解せずに、形だけの提案営業を勉強して、中途半端な質問で、カタログの説明を一生懸命にされています。これが、カタログが使えない理由です。
そして、これを防ぐためにも、主力製品においては、顧客の悩みと願望を見える化したシートが必須になります。
当社では、このシートを提供価値シートと呼んでいます。
提供価値シートが出来上がり、運用が本格的にでき出すと、願望の独自価値も容易にできあがってきます。
ただ、これらが見える化したものがない状態で、独自の価値を作れと言っても、暗中模索にならざるを得ません。
あなたの会社の営業スタッフは、現象・悩み・願望の違いを理解できているでしょうか。
そして、主力製品においては、悩みと願望がどのようなものがあるのかを見える化したものはあるでしょうか。
願望が独自価値を見つけるキッカケになります。
追伸)当社のクライアント向けのメッセージです。提供価値シートの活用の目的を覚えているでしょうか。目的は、営業スタッフが顧客に対して、「好奇心」を持つということです。この「好奇心」が顧客の悩みと願望を見つけるきっかけになります。
そして、悩みが顧客の担当者レベルの訴求、願望が経営幹部レベルの訴求と使い分けれるようになれば、提案力は飛躍的に高まります。(話す担当によって使い分ける感じです)
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