仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第119話 なぜ、営業トーク(セールストーク)や営業ツールの改善をすぐに取り組むと大間違いなのか
10年前の当社のホームページを見ていた人が、今の当社のホームページを見るとかなり違和感があるようです。
10年前にメインで訴求していたのは、営業トーク(セールストーク)と営業ツールの手法に特化していたからです。
今のホームページでは、安易な営業トーク(セールストーク)と営業ツールの手法の改善は、短期的な瞬間風速しか起こらないという警笛を鳴らしているからです。
ただ、誤解のないようにお伝えしないといけないのですが、営業トーク(セールストーク)と営業ツールの手法の改善がダメだと言っているのではありません。
営業成績を上げるための基本の手順を理解した上での改善活動であれば、何の問題もありませんが、この手順を理解せずに、営業トーク(セールストーク)と営業ツールの手法の改善を行うと短期的な瞬間風速に終わっていたりします。
10年前の当社は、短期的な成果を追求していましたので、営業手法に特化をしていましたが、今は長期的な成果を追求していますので、営業における考え方と増販増客の仕組み構築に特化しています。
今回のコラムは、営業における考え方のお話ではなく、基礎的な成約獲得のプロセスの話をします。
自社の営業活動の振り返りと、分かったつもりではなく、出来ているのかについて確認する機会になれば幸いです。
それでは、成約獲得のプロセスの基本型を簡単に以下に記します。
【成約獲得プロセス】
1、年間の増販増客の施策シートの明確化
(年間売上目標を達成するために必要な増販と増客の施策の見える化をしてスケジュールに落とし込み農耕型のマーケティングを実施)
2、攻める顧客の明確化
(会いやすい顧客ではなく、訪問すべき顧客を決める。この顧客の訪問すべき理由も明確にする。ポテンシャルが高い、顧客内シェアが11%を超えている等)
3、顧客接点のタイミング
(どのタイミングで接点を持つのかを決める。キーマンが予算を立案するタイミング、種まきの提案活動が終わって1週間後のタイミング等)
4、提案する商品と価値の明確化
(ものを売るのではなく、提供する価値を明確にする。価値は最低でも20個以上は出し、その中から顧客の悩み・願望に沿ったものを3つ選び出す)
5、商品の価値を顧客に伝えて成約
(営業アプローチブック、質問形式の営業トークを用いて顧客の需要を喚起して成約率を高める)
このステップを見る限り、次の声が聞こえてくるかと思います。
「当たり前じゃないの・・・」
「はい、オーソドックスです・・・」と答えざるを得ません。
ただ、多くの会社と関わって分かってきていることは、上記の1から4が出来ていなのに、営業トーク(セールストーク)と営業ツールの手法の改善を一生懸命に行って空回りをしているということです。
「えっ、どういうことですか」という質問が出てくるかと思いますので、簡単に説明をします。
究極を言えば、1の年間の増販増客の施策シートが肝になるのですが、分かりやすく説明するために、2の攻める顧客と3の顧客接点のタイミングをとりあげて説明します。
2の攻める顧客について、良くあるパターンは、訪問すべき顧客ではなく、会いやすい顧客に訪問をしているケースが多々あるということです。
3の顧客接点のタイミングについて、良くあるパターンは、他社の見積もり提出後や顧客の予算決定後に訪問をして、取り敢えず見積もり提出だけに参加しているケースが多々あるということです。
2と3の例からも分かるように、このような状態であれば、いくら営業トーク(セールストーク)と営業ツールの手法の改善を行っても、空回りするのは分かりきったことです。
でも、この分かりきったことが出来ていないのに、営業トーク(セールストーク)と営業ツールの手法の改善を行っていたりしています。
では、なぜ、この分かりきったことが出来ていないのに、そのことの改善をしないのでしょうか。
これは、当社の経験則ですが、上記の1から4について、見える化したものがないからです。
見える化を違う言葉で表現するとシートです。
2の攻める顧客の明確化に必要なシートは、年間顧客増販シートになります。この言葉を聞いて、それらしきものを活用していれば、問題はありませんが、それらしきものが無ければ大問題だと思ってください。
過去に、営業管理システム(SFA)を活用している会社でさえ、年間顧客増販シートらしきものが存在していなかったことがあります。
営業管理システム(SFA)では、1の増販増客の施策シートの概念は、恐らくないでしょう。
そして、上記の1から4について、さらに突っ込んだことを言えば、一部の出来るトップセールスマンは、動物的な勘で頭の中で構築ができています。
そう、ごく一部の方です。
これが、世間一般的に言われている属人化です。
属人化が進めば、組織としての営業力は強化することは出来ません。2020年以降になれば、属人化の経験を持った方の定年退職の加速化が予想されます。
このことに気づかれている経営幹部は、組織営業力の強化に力をいれています。
あなたの会社では、成約獲得プロセスの見える化は出来ているでしょうか。仮に見える化ができていれば、それはどのようなものでしょうか。
そして、若手でも活用できるようになっているでしょうか。そう、誰でもその見える化を活用して成果がでるということです。
コンサルタントもしくは、経営幹部だけしか分からないものであれば、その見える化は、ゴミになる可能性があります。
もし、多額な営業管理システム(SFA)の投資をしていて、上記の1から5が不明確であれば、その投資はゴミになっています。
そして、今回のコラムでは触れませんでしたが、4の提案する商品と価値の明確化は、システムではなく、アナログの世界になります。このアナログも見える化が肝になってきます。
当社では、このアナログの見える化については、提供価値シートを使っています。
あなたの会社では、成約獲得プロセスの見える化は出来ているでしょうか。その見える化は、誰でも出来る形になっているでしょうか。
それとも、目先の営業トーク(セールストーク)と営業ツールの手法の改善だけに取り組み、空回りをしているでしょうか。
