仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第114話 トップセールスマン(営業マン)の営業ツールが若手営業マンには使えない理由とは
7月にプレジデント社から発売されていた雑誌で、出来る人の資料術の特集記事が書かれていました。
仕事柄、このような記事があれば、目を通すようにしています。
大手企業等のパワーポイントのプレゼン資料の一部が見られるようになっていました。
大手企業等で、パワーポイントの資料は、コンセプトや訴求ポイントが体系的にまとまっており、素晴らしい構成になっていました。
パワーポイントの全ページが記載されているのではなく、抜粋なので、なんとも言えませんが、大手企業のパワーポイントのプレゼン資料を見ているとひとつだけ、欠陥を見つけてしまいました。
あくまでも雑誌に掲載されているのは、全ページのパワーポイントの資料ではないので、断定は出来ませんが、傾向としては、ある欠陥があるように感じましたので、コラム記事にしました。
逆に言えば、この雑誌に掲載されている、パワーポイントの資料を参考にして、中小企業がパワーポイントの営業ツールを作成すると欠陥に気付かずに見栄えの良い営業ツール作成で終わってしまう可能性があるということです。
本来は、この雑誌に掲載されている資料を一緒に見ながら解説すれば良いのですが、雑誌社の著作権および紙面上、そのようなことが出来ませんので、ポイントだけ解説をさせていただきます。
ただ、誤解のないようお伝えしますが、コンセプト等の訴求の着眼点の項目は素晴らしいので、その点については、大いに学ぶものがあります。
では、当社から見ての欠陥をお伝えします。
しつこいですが、あくまでも当社から見ての欠陥なので、正解・不正解を述べているものではありません。
当社から見れば、このような欠陥があるという着眼点を参考にしていただければと思います。
その欠陥とは、「具体的ではない」ということです。
ここ大事なので、もう一度言いますね。
「具体的ではない」です。
パワーポイントのレイアウト上、仕方がないことかも知れませんが、セールスの基本ステップと考え方を理解していれば、この欠陥を見抜くことが出来ます。
セールスの基本ステップとは、顧客視点の流れです。
顧客視点の流れとは、
顧客の悩み・願望→提供価値(キーワード)→具体事例(数値化)になります。
考え方は、
「曖昧な言葉は、曖昧な理解」、「具体的な言葉は、具体的な理解」です。顧客が曖昧な理解で終わると、顧客がよく使う言葉は、「考えておきます」になります。
この「考えておきます」は、互いにとって都合の良い言葉で、営業側からすれば、上司の報告に対して検討中という報告ができます。
顧客側からすれば、興味がないのでお帰りにくださいということになります。互いを傷付けずに終われるので、非常に良い言葉です。(営業側にとっては良くないのですが・・・)
顧客視点の流れを理解していれば、本雑誌に掲載されているパワーポイント資料は、提供価値のキーワードレベルは記載されていますが、具体事例(数値化)までは記載されていないことが分かります。
よって、営業担当者が補足として口頭で具体事例を述べている可能性が予測されます。
トップセールスマンクラスであれば、営業経験等から言語のボキャブラリーが豊富なので、色々な事例を顧客に提供することができます。
ただ、若手営業マンは、営業経験が豊富ではないため、提供価値レベルの営業ツールであれば、具体事例を話すことが出来ずにプレゼンを終わっています。
何となく、言っている意味が理解できるでしょうか。
ただ、若手営業マンでも、提供価値レベルの営業ツールでも成約を勝ち取ることも出来ることもあります。
このようなケースの場合、営業所長は、若手の営業力が付いてきたと喜ばれていますが、私は、単なる出会い頭の交通事故という表現をして営業所長から反感を買っています。
出会い頭の交通事故という表現は適切ではないということは理解していますが、営業所長にインパクトを持ってもらうためにこのような表現にしています。違う表現で言えば、「たまたま」です。
「えっ、どういうことですか」という声が聞こえてきそうですね。
これは、たまたま、面談担当者が、曖昧な提供価値のキーワードレベルでも、その人自身が具体事例を解釈し、疑問点をどんどん質問し、解決イメージを自分自身で具体化をしているということです。
とうことは、若手営業マンの実力ではなく、たまたま、面談担当者が良い人だっただけです。
そう、たまたまです。
このことが理解できると、若手営業マンの再現性が乏しいことを見抜くことが出来ます。
そう、若手営業マンの営業に再現性があるかということです。たまたま、勝ち取った営業のやり方であれば、再現性が乏しいので、面談担当者が良い人に出会わない限り成約率は伸びないことを理解することが出来ます。
ただ、面談担当者が良い人に出会う確率は非常に少ないです。このことから、言葉は適切ではありませんが、出会い頭の交通事故という表現をしています。
よって、若手営業マンに成果を出させるためには、具体事例(数値化)の営業ツールも必要になります。
初めは、営業ツールを使って顧客に具体例を理解していただき、営業経験等が増えてくれば、営業ツール以外のボキャブラリーも自然と増えていくので、若手営業マンの成長スピードが早くなります。
ただ、営業ツールの具体事例を持たずに、営業を行っている若手の凡人営業マンは、具体事例のことに気がつかずに、提供価値レベルの曖昧な表現のPRで終わっていたりします。
そして、単純なこのことに気がつかずに、自分の営業能力の無さを嘆いていたりします。
自身の営業能力以前の問題であることに気がつかずに・・・。
今回のプレジデント社から発売されていた雑誌を見て、中小企業もまだまだ、チャンスがあるように思いました。
多分、大手企業の若手は、曖昧な提供価値レベルのキーワードの訴求で終わっていて、良い担当者に会えるまで訪問の量を稼ぐ営業をやっていることでしょう。(調査はしていないので、あくまでも当社の仮説レベルです)
よって、この雑誌を見た中小企業経営者及び経営幹部の方は、パワーポイントのコンセプトや図解等のレイアウトを参考にするのではなく、具体事例がどれだけ訴求できているツールがあるかをチェックすることをお勧めします。
当社では、これを解決するために、A3用紙1枚でまとめる製品別の提供価値シートを活用しています。
ポイントは、顧客視点の、
顧客の悩み・願望→提供価値(キーワード)→具体事例(数値化)です。
あなたの会社は、具体事例がツール化されています。
その具体事例のツールが、顧客の悩みのトップ3の訴求するものになっていますか。
