仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第144話 PDCAのマネジメントサイクルを営業管理職がうまく活用できていない理由
「マネジメントの基本であるPDCAが上手く運用できていないので、もう一度、PDCAのマネジメントサイクルを営業リーダーに叩き込んでください」
先日、このような相談をいただきました。
経営幹部の方であれば、PDCAのマネジメントサイクルはご存知かと思いますが、念のため、以下に記します。
計画(PLAN)
↓
実行(DO)
↓
評価(CHECK)
↓
改善(ACT)
(改善後、計画に戻ります)
上記のことについて、多くの経営幹部は、知っています。
そして、分かったつもりで、上記のPDCAのマネジメントサイクルを実施していたりします。
そう、分かったつもりです。
この分かったつもりが曲者(くせもの)です。
今回のコラムは、PDCAのマネジメントサイクルの分かったつもりの落とし穴について話をします。
で、その前に、超基本的事項の話をします。
コラム読者の方は、大丈夫だと認識しておりますが、稀に落とし穴以前に、超基本的事項が抜けている会社があるからです。
よって、まず、PDCAのマネジメントサイクルの超基本的事項についてセルフチェックをしてみてください。
【超基本的事項の3大セルフチェック】
1、営業活動の実行(DO)をして、数値の結果の報告はあるが、営業活動の計画(PLAN)があるようでない。
2、営業活動の記録の日報をつけている(DO)が、何が良かったのか、何が悪かったのかを理解せずに(CHECK)、日々の営業活動(DO)を行っている。
3、お客様の新しい課題を発見(DO)したが、営業マンの頭の中でそのまま(ACT)にしている。
上記の、3つが超基本的事項のチェックポイントです。貴社では、このようなことが起こっていないでしょうか。
念のため、補足説明をすると、上記の1については、日々の営業活動が無意識に活動できる受動的な営業になっており、当月の重点活動の施策が理解できておらず、その施策を達成するための訪問件数の仮説すらない状態のことです。
例えば、重点顧客の単価アップの取り組みの施策があれば、何社のリストをどういう基準でリストアップして、単価アップの見込みを何社に設定して、それを達成するためにどのような営業のシナリオを構築して、ツールはどのようなものを準備するのかが明確になっていないということです。
そう、「明確さは力なり」がない状態です。
計画が明確になっていない状態で、とりあえず、アポを取れ、訪問しろの掛け声だけの状態が上記の1になります。
次に上記の2ですが、これは、単純に振り返りがあるのかということです。振り返りが「成長の場」と理解している会社は、必ず振り返りを行います。
ある会社で起こっていた事例ですが、営業マンが顧客訪問で見込み度の高い顧客情報を入手してその情報を営業日報に記載していました。
しかし、その情報をどのように活用してどのように次にアクションするのかが振り返りがされていないので、その担当者は、その顧客をフォロー訪問するのではなく、また、新しい顧客に電話アポイントを取って、顧客情報を取得するだけの同じことを繰り返していました。
営業活動は、日報に記録されているので、一見、仕事をしているように見えます。
しかし、厳しい発言をすれば、仕事をしている振りができていることを日報に記録しているだけです。
これは、部下が悪いのではなく、リーダーもしくは経営陣が日報は、部下を成長させるためのツールという認識が乏しいことから起こっている現象です。
最後に、上記の3ですが、これも振り返りの問題です。
これもある会社で起こった事例ですが、若手営業マンが、顧客の抱えている新しい悩みを発見してきました。
そして、その悩みを自分が担当している他の顧客もそのような悩みがないかを確認して提案活動をしてみよう頭の中で描いているのですが、そのままになっていました。
そのままになっている理由を、若手営業マンに問いただすと、
「いや〜、日常業務が忙しくて、ついつい、忘れてしまっています。組織としての重点課題に上がっていれば、忘れないのですが、自分の重点課題だとつい忘れてしまうのですよ・・・」
その答えを聞いて、私が、
「では、それを組織の重点課題にするように上司に伝えれば良いのではないですか」と質問すると、
「いや〜、上司に言っても、じゃあ、頑張って取り組めよ」の返事で終わりですからと答えられました。
完全に、上司が日々の営業活動のヒントを次の営業活動にどのように生かすのかという視点が欠如していることが、ばれてしまう会話のやり取りでした。
他社では、顧客の新しい悩みが見つかると、それを種まきチラシや提案ツールに落とし込み、組織展開を迅速に行い、その悩みを抱えている顧客の発掘を全社対応で行います。
何故なら、新しい悩みを抱えている顧客を見つければ、競合他社よりも一歩先を行った営業活動を行うことができるからです。
そう、属人化になる要素を未然に防ぎ、組織展開を迅速にしているということです。
特に、顧客の新しい悩みは、売上増加の拡大のチャンスになるからです。
この売上拡大のチャンスを生かすのか潰すのかは上司次第になります。
部下に、「顧客の悩みを聞いてきなさいと」と指導しても、その後の振り返りで、その悩みをどのように売上に結びつけていくのかという意識が乏しければ、顧客の悩みをいくら聞いても無意味と言っても過言ではありません。(仕事をしている振りの演出はできますが・・・)
さて、PDCAのマネジメントサイクルの超基本的事項の3つをご紹介しましたが、貴社では、このようなことが起こっていないでしょうか。
まずは、ここが出来ていなければ、PDCAのマネジメントサイクルの分かったつもりの落とし穴を聞いても無意味になります。
PDCAのマネジメントサイクルの超基本的事項の3つにかなりの文面を割いてしまいましたので、PDCAのマネジメントサイクルの分かったつもりの落とし穴については、次回のコラムに記載したいと思います。
案外、この落とし穴にはまっている会社が多いので、ここを改善するだけで、売上増加を見込むことができますので、楽しみにしておいてください。
あなたの会社では、PDCAのマネジメントサイクルの超基本的事項の3つは、分かったつもりではなく、できているになっているでしょうか。
