仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第174話 経営理念の浸透にクレドを活用しても空回りして、組織営業力が向上しない理由
先週のコラムで、営業コンサルティングにおける4つの着眼点の話をしました。
4つの着眼点とは、「戦略」、「戦術」、「考え方」の3つを「見える化」するというものでした。
このたった4つの着眼点を意識するだけで、成果をあげるために何をすれば良いのかが行動レベルで明確になります。
行動レベルが明確になるので、後は、その行動を実践するだけです。
ものすごくシンプルです。
この先週のコラムを読まれた、当社クライアントの若手の営業リーダーから次の質問をいただきました。
質問:「戦略」、「戦術」、「考え方」の3つを「見える化」するということの意識化は出来ているのですが、優先順位などのランクはあるのでしょうか
まだ、30歳の若手ですが、面白い着眼点をしていると感じましたので、今回のコラム記事にこの質問を取り上げることにしました。
結論から言うと、「戦略」、「戦術」、「考え方」の優先順位のランク付けは、当社では行っていません。
しかし、重要度についての、ランク付けは行っています。
これは、どこかの文献に載っているものではなく、あくまでも当社の経験ベースから導き出したものなので、このような着眼点がある程度で聞いていただければ幸いです。
重要度のランク付けのウェイト配分は、
「考え方」5、「戦略」3、「戦術」2 です。
「考え方」の軸ができていて、「戦略」が「見える化」して深いレベルまで構築できていれば、年間目標達成の8割は押さえられています。80点レベルなので、合格点です。
逆に、「考え方」の軸のない、「戦略」「戦術」は、年間目標達成の5割しか押さえられていないので、不合格レベルです。
戦略・戦術ができているのに、不合格と思われるかもしれませんが、当社では、不合格にしています。
不合格の理由として、事業計画書で素晴らしい戦略と戦術が書かれていても、仕事における考え方の軸がなければ、流行りの戦略・戦術に振り回されるだけなので、全てが中途半端で終わってしまうからです。
そう、中途半端です。いくら素晴らしい戦略・戦術でも中途半端であれば不合格です。
戦略・戦術は、やり切った中に、次のステップに進むことができます。キーワードは、「やり切る」もしくは、「やり抜く」です。
ある会社では、新たな戦略の基、毎年、斬新な取り組みテーマを設定されていました。
第3者から見れば、常に新たなテーマにチャレンジする、挑戦する組織のように見えていました。
でも、実態は、違っていました。日常業務に忙殺されて、新たな取り組みテーマは、全て中途半端な取り組みで終わっていました。
新たな取り組みテーマを掲げた時のスタートダッシュは、素晴らしいのですが、気がつけば、その取り組みテーマの推進も忘れ去られて、中途半端で終わっていました。
この中途半端なことに気が付き、仕切り直しをしていれば、問題はないのですが、また、違う取り組みテーマを掲げて、心機一転を図っていました。
「やり切る」もしくは「やり抜く」という習慣がない限り、どれだけ素晴らしい取り組みテーマを設定しても、中途半端で終わっては、無意味であるということです。
これは、考え方の軸がない会社でよく起こっている傾向です。
でも、多くの会社では、この中途半端になっていることに気がつかず、新しい取り組みテーマを設定した段階で、出来たつもりで終わっていたりします。
そう、「つもり」です・・・。
少し、話が脱線しそうなので、本題に戻します。
「考え方」の重要度を示したのが以下の図です。
やり方(戦略・戦術)の前に考え方があります。考え方の軸がやり方(戦略・戦術)を支配しているので、考え方の重要度のウェイト配分を5にしています。(詳細は88話のコラムに記載しています)
そして、この図で重要なことは、「考え方」を知っているということではありません。
「考え方」が軸になっているかということです。
キーワードは、軸です。
では、ここで、質問です。「考え方」を知っているだけで終わるのではなく、軸にするためにはどうすれば良いでしょうか。
当社では、2つのことを大事にしています。
「言語化」と「体験」です。
「考え方」の定義を当社では、「仕事を行う上での信条」、「仕事を行う上で大事にしていること」と定義しています。
まず、仕事を行う上で大事にしていることを言語化します。(当社では、営業活動を行う上での考え方を言語化していただきます)
そして、この言語化したものを「体験」できる仕組みの構築を行います。体験がない限り、軸を作ることができないからです。
言語化だけであれば、スローガンで終わってしまいます。スローガンの怖さは、聞いただけで、できているつもりになってしまうところです。
体験がなければ、軸づくはできないと、当社は考えています。
この体験をする仕組みが、戦略と戦術になります。言語化した考え方を軸にするために、どのような戦略と戦術の仕組みを構築するのかが、企業ノウハウにもなります。
当社では、「誰でも成約の達人」の仕組みをご提案しています。
そして、この図をよく見ていただくと、経営理念を浸透させるために、クレドを作成している会社が上手くいかない理由も理解することができることでしょう。
経営理念は「在り方」になります。クレドの行動規範は「戦術」になります。クレドは、「在り方」と「戦術」を結びつけたものが多いかと思います。
でも、上記の図を見ていただくと分かるように、「在り方」と「戦術」の間には、「考え方」と「戦略」があります。
「考え方」の軸を持っていない社員が、「在り方」の芯を持つことは難しいと当社は感じています。
芯とは、自分の生涯をかけてでも全うしたい社会貢献になるからです。正直、このレベルは、一般の営業スタッフが持つことは厳しいように感じています。
一般の営業スタッフの方でも「在り方」の芯を持っている方はいますが、8割以上の社員が持っているかと言えば、疑問が残ります。
でも、仕事において大事にしている「考え方」は、社会経験が3年あれば、誰でも持てることは、当社の経験上、断言することができます。
よって、クレドも仕事における大事な考え方と行動規範のリンクを文章化したものであれば理解できるのですが、経営理念と行動規範をリンクした文章であれば、分かったつもりで終わる可能性が大であるということです。
なぜなら、「芯」ができていない状態で、行動規範だけを具体的にしても意味がないからです。
このことから、朝礼等で、クレドを唱和しても無意味なことは理解できることでしょう。
なぜなら、唱和しても、「経営理念」を自分ごとにする「芯」は、構築することができないからです。
今回のコラムは、少し難しい内容になっていますが、何となく、理解することはできるでしょうか。
最後に、この言葉で締めたいと思います。
「考え方」のある戦術は最強。
ここ大事なので、もう一度、繰り返します。
「考え方」のある戦術は最強。
営業トークは戦術になります。その戦術に、なぜ、その戦術を使うのかという考え方を持ったときに、考え方の軸と体験の2つが手に入ります。
少し話が脱線しましたが、「考え方」のある戦術は最強。
これだけ押さえていただければ、瞬間風速の成果は誰でもあげることができます。
あなたの会社では、考え方の軸を持っている社員は何名いるでしょうか。
考え方を知っているレベルではありません。軸を持っている社員です。
