仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第160話 営業支援システム(SFA)が活用できずに導入失敗に終わる理由
コンサル契約がスタートして1ヶ月目のクライアントの中堅営業リーダーから驚きの言葉をもらいました。
「コラム記事(先週)を読んで、なぜ、自社の営業管理システム(SFA)が上手く機能していないのかが分かりました」という言葉です。
営業管理システム(SFA)を既に導入しているクライアントには、コンサルの3ヶ月目に営業管理システム(SFA)における落とし穴の話をしています。
しかし、クライアントの中堅営業リーダーが、先週のコラム記事を読んで落とし穴を理解したとの報告を受けた時は、驚きを隠しきれませんでした。
なぜなら、営業管理システム(SFA)の活用における落とし穴は、コラム記事の一方通行の文章では伝わらず、面談での対話が必要であると感じていたからです。だから、コンサルティングの現場でしか、その話はしておりませんでした。
しかし、今回のコラムは、営業管理システム(SFA)の代表的な落とし穴について、中堅営業リーダーが真意を読み取ることができましたので、文章で伝えることにチャレンジしてみます。
まずは、営業管理システム(SFA)の活用において、根本にある考え方についてです。
そう考え方です。
今まで、営業管理システム(SFA)を活用している会社様に、活用の際に大事にしている考え方を聞いた時に、当社と同じ考え方をしている会社は皆無でした。
ただ、誤解のないようにお伝えしますが、当社の考え方が正解であると言っているのではありません。
このような着眼点があるという視野を広げるという認識で聞いていただければ幸いです。
ただ、この考え方を聞いたクライアントは、次の言葉を発せられます。
「その通りですね、その視点は抜けていました」
「早速、社内にその考え方を定着させます」というお言葉です。
では、当社が営業管理システム(SFA)の活用における大事な考え方とは何か・・・。
「マン・マシンシステム」です。
「えっ、意味がわからないのですが・・・」という声が聞こえてきそうですね。
簡単な言葉で言えば、人間と機械が共存して協調するということです。
余計に混乱しそうでしょうか。
この、「マン・マシンシステム」は、私がサラリーマンコンサルタントをしている時に、社長から徹底的に叩き込まれた考え方です。
サラリーマンコンサルタント時代に経営管理システムの構築や顧客満足度システムの構築等も行なっていました。
社長は、常々私に、システムはシステム単体では絶対に機能しないということを言っていました。
人間の叡智の頭脳とシステムを融合して、初めてシステムが機能するということです。
このことから、「マン・マシンシステム」の考え方を常に持つようになりました。
このような話をすると、次の言葉を経営幹部の方からいただきます。
「人間の叡智を集めたものが営業管理システムだから、人間は、営業管理システムの使い方だけをマスターすれば良いのだよね」
「だから、営業管理システムの販売会社から、活用方法の勉強会を実施してもらっているよ」
一見、正解のように見えますが、これ、大間違いです。
ここ大事なので、もう一度、繰り返します。
大間違いです。
「マン・マシンシステム」の考え方が分かったつもりで終わっている典型例になっています。
「えっ、どういうことですか」という声が聞こえてきそうですね。
機械では補えない「営業ノウハウ」を人間の叡智で補完するということが、「マン・マシンシステム」です。
具体的には、対面営業でしか入手できない顧客情報を企業ノウハウとして構築し、それを営業管理システムと融合させるということです。
対面営業で入手する情報は、企業ごとに異なるため、システムに頼ることはできず、人の手が必ず介在します。
でも、多くの会社は、人の手の介在を入力情報と勘違いして、不必要な入力情報に追い回され、営業の面談時間を迫害している本末転倒なことが起きています。
もう少し、「営業ノウハウ」の顧客情報の設計について話をしたいのですが、文章だと混乱が起きそうなので、今回、気づきを得た中堅リーダーの事例で話をします。
この中堅営業リーダーは、「マン・マシンシステム」の何に気づいたのか・・・。
前回のコラムに記載したこの図を見て気づかれました。
あなたは、中堅営業リーダーは、この図を見て何に気づいたのか、分かるでしょうか。
そう、営業管理システム(SFA)には、具体的な戦術の機能がないということです。
ここ大事なので、もう一度言います。
営業管理システム(SFA)には、具体的な戦術の機能がないということです。
上記の図の赤の○印がついている箇所は、全て人の手によって作りこむ必要があるものです。
営業管理システムでは、顧客価値を作り込むことはできません。情報を入力することはできますが、どんな顧客価値が顧客に刺さるのかは人間が考え抜かなければいけません。
この人間が考え抜いた、営業戦術と営業管理システム(SFA)が融合した時に成果を発揮することができます。
中堅営業リーダーは、営業戦略に該当する所は、営業管理システム(SFA)で補えているが、営業戦術については、補えていないことに気づかれました。
そして、営業戦術を営業管理システム(SFA)の行動管理のことと勘違いしていたことも恥じておられました。
最後に、中堅営業リーダーは、次の言葉を発せられました。
「営業部門長から、営業管理システム(SFA)の分析結果に基づいてアドバイスをもらい、それを部下に伝えると部下は、次の言葉を言います」
「営業部門長は、現場で起きていることがわかっていないですよね」
「初めは、この言葉の真意は分かっていなかったのですが、乾先生のコラム記事を見て理解することができました」
「営業部門長から、戦略についてのアドバイスは、営業管理システム(SFA)を通じてあるのですが、具体的にどうするのかというのが無いので、営業の現場は、言っている意味はわかるけど、じゃあどうするのかで終わっていました」
「私自身(中堅営業リーダー)も営業戦術を体系化して、見える化ができていなかったので、営業部門長のアドバイスを具体的に落とし込めていなかったことに気づけました」
文章なので、会話のやり取りを少し割愛している箇所もありますが、気づきは次のひとつでした。
営業管理システム(SFA)には、具体的な営業戦術の機能がなかったということです。
営業戦術は、人間の手で作り込む必要があります。
これが、「マン・マシンシステム」です。
「マシン」が有能になればなるほど、「マン」の部分が疎かになります。
しかし、「マン」の部分のノウハウが形式知になり、見える化をして、「マシン」の営業管理システムと上手く融合している会社は、営業が標準化されて誰でも75点以上稼いでくれる組織になっています。
「マシン」の営業管理システム(SFA)の性能が良くなればなるほど、「マン」の営業ノウハウの形式知も重要になります。
そう、「マン・マシンシステム」です。
でも、「マン」の営業ノウハウの形式知を疎かにして、「マシン」の営業管理システム(SFA)に頼りっきりになれば、いくら高額で素晴らしい営業管理システム(SFA)でも効果は半減します。
厳しい言葉で表現すると、営業ノウハウが属人化している組織に、高額で素晴らしい営業管理システム(SFA)を導入しても無意味ということです。
これが、営業管理システム(SFA)の落とし穴です。
文章の一方通行になりましたが、上手く伝わっているでしょうか。
あなたの会社では、「マン・マシンシステム」が機能しているでしょうか。
