仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第194話 営業リーダーのマネジメントで分かっているようで出来ていないこと
京セラの名誉会長の稲盛氏の書籍(誰にも負けない努力、PHP研究所出版)の10ページに書かれてあるリーダー向けのメッセージを紹介したいと思います。
この本は、営業リーダーになられる方は、是非、読んで欲しい内容です。
その中でも、当社が一番重要に感じたものを以下に抜粋します。
【書籍引用内容】
「あるべき姿、理想像を描く。具体的な目標を示す。その目標達成のために戦略・戦術的なシミュレーションを繰り返す。そうして次から次へと考え続けると、結果がはっきりと見えてくる。うまくいった姿、目標に到達して、喜びにあふれている自分の姿が想像できるようになってくる。」
この文章の後に、補足説明が書籍に書かれています。補足説明は書籍を読んで欲しいのですが、営業リーダーになれば、戦略と戦術を考え抜き、何度もシミュレーションを繰り返し、それを部下に説明して、それが実現することを部下に信じ込ませる雰囲気をつくることの内容が書かれています。
文章にすると、当たり前のことのように思えますが、私がこの文章を読んだ時は、奥が深いと思いました。
なぜなら、これを本気で考えて実践している営業リーダーが少ないように感じているからです。
このような話をすると、多くの経営者が、「当社では、部門責任者会議で、戦略と戦術は協議できているので問題はありませんよ」と言われます。
あなたの会社はどうでしょうか。
今日のコラムは、ある会社に上記の書籍を紹介して、部門責任者の方に戦略と戦術が深く考えられているかを確認するために送ったメッセージを紹介したいと思います。
他社の事例ですが、自社に置き換えるとどこまで分かっていて、出来ているのかを一度、確認することをお勧めします。
増販の計画は、年間計画が組みやすいメンテナンス・作業の例を取り上げています。ここは、自分の業種にあった増販計画に置き換えてイメージをしてみてください。(増販計画がもしなければ、この時点で戦略は機能しません)
【ある会社に送信したメッセージ】
私は、この書籍の文章を読んだ時、奥の深さをものすごく感じました。そして、○○社長が年末の個別面談で取り組まれたこととリンクしていると思い、上記の文章を紹介させていただきました。
ここからは、雑記になりますので、このまま読み進められてもいいですし、ここで読むのを止められても構いません。(稲盛名誉会長のメッセージがメインのため)
戦略と戦術を増販と増客の視点でもう少し具体的に述べてみます。ただ、誤解のないように、お伝えしますが、これが正解というのではなく、このような視点があり、戦略と戦術の違いの理解になればと思い、記していきます。
戦略に必要になってくるのは、年間の増販と増客の計画になります。
ここでは、メンテナンス及び作業における増販と増客の計画を策定してみます。しつこいですが、これは、あくまでも例なので正解を書いているのではありません。あくまでも戦略と戦術の違いを理解できれば問題はありません。
戦略と戦術を理解されている方は、これ以上、読まれる必要はありません。
作業における増販の年間計画の例を以下に記します。
増販とは、次の5つの切り口からなります。
1、昨年と同じメンテ&作業の金額をリピートしていただく。
2、昨年よりプラスの新しいメンテ&作業を取り入れてもらう→上記NO1の例
3、昨年と同じメンテ&作業だが単価アップをしていただく→上記NO2の例
4、今までメンテ&作業を実施していなかったが、今季から新しく作業を取り入れていただく→上記NO3の例
5、メンテ&作業内容が期間によってバラバラだが、安定してリピートできるメンテ&作業の提案を行う→上記NO4の例
上記を参考にして、2020年の仮説の増販の計画を作ってみます。
そうすると、目標2200万円に増販の計画が2200万円になりました。
ただ、増販の受注率が100%になることはあり得ません。企業の実態に応じて掛け率をかけます。メンテ&作業の一般的な掛け率は、60%〜80%になります。
ここでは、80%にします。そうすると、増販の金額は、2,200万円×80%=1,760万円です。
増販だけでは、目標が未達になります。未達の差額金額は、540万円です。
差額は、増客計画を立てなければいけません。
作業の平均単価を60万円とすれば、9社の新規開拓が必要になります。
作業の成約率が50%と仮定すると、最低でも年度末までに18社のメンテ&作業の新規アプローチリストを作っておかなければいけません。
もし、アプローチリストが年度末に無い時点で、メンテ&作業の増客計画は絵に描いた餅が決定的になります。
○○の既存企業が多い営業所は、上手くいけば、増販の計画を綿密にすることで、目標達成の絵を描けることができるでしょう。
増販と増客の計画が立案できれば、次は、訪問タイミングになります。仮で構わないので、何月のいつ(初旬、中旬、下旬)に訪問するかをリストに記載します。
これが、年間の訪問計画になります。メンテ&作業の1商品しか取り扱っていなければ、これを月間計画にそのまま、落とし込めますが、貴社は主力商品が○品目あります。
よって、取り組みの優先順位を考慮して、月間計画でさらに計画の作り直しが必要になってきます。(○品目を統合したものが月間計画になるからです)
本来であれば、月間計画がリーダーの取り組みの意思としての現れなので、計画作りは思い悩むものになります。(他社では、突発業務もかなり入るので、月間計画作りには頭を悩ませながら作っています。決して、リストを作って終わりにはしていません)
ただ、年間の行動計画ができているので、どの顧客にまだアプローチができていないかが分かるので、安心材料にはなります。
他社さんの例ですが、営業スタッフは、日々の業務に忙殺されているので、どの顧客に訪問しなければいけないのかということを頭の中から忘れています。
この忘れ防止の役目をするのもリーダーの役目です。ただ、増販増客の年間行動計画がなければ忘れ防止も機能はしません・・・。
次に戦術です。
優秀な部下ばかりであれば、リーダーは戦略の増販と増客の計画を作って終わりですが、そうで無い場合は、戦術のストーリー作りもしなければいけません。(京セラの稲盛名誉会長もこのことを述べられていました)
戦術とは、野球に例えると作戦会議です。
営業における戦術の一般例は、話法とツールになります。
戦略で、訪問する企業と、提案する商品と提案のタイミングが明確になりました。
では、戦術ではどのように成約に結びつけていくかということです。
「何か、メンテ&作業の案件はありませんか・・・」という話法でいくのか、メンテ&作業のメニュー表のチラシをとりあえず配っておいていくのか・・・。
これだけでは、残念ながら能がないと言わざるを得ません。(新人であれば別です)
野球に例えると、気合を入れて、きた球に対して全力でバットを振ってこいと同じことになります。
例えば、「当社のお客様で、○○というメンテ&作業の○○をもっと効率的にできないかという悩みをよく聞くのですが、貴社でもこの○○ということは起こっていないでしょうか」
ここで、イエスが取れれば、この○○に該当する個別のツールをお客様に見せて、そのメンテ&作業内容を具体的にイメージしていただきます。
そう、具体的です。
一般のメンテ&作業チラシのメニュー表だけでは、具体的なイメージはできないからです。(できる営業マンは、これを全て口頭でやっていたりもします・・・)
この戦術に正解・不正解はありません。あの手、この手のアイデアが勝負です。
このあの手この手が、本来であれば小ミーティング等で議論されなければなりません。
小ミーティングは、具体的な作戦会議になります。リーダーが立案した戦略(増販・増客計画)を実現させるための作戦会議にならなければいけません。
良い作戦が思いつかない場合は、他の拠点で上手くっていることを教えてもらい、それを実践することが一番早いです。
これが、グループ経営の最大のメリットです。営業ノウハウが横展開できるということです。
○○の中堅企業の○○の業種であれば、○○の提案を持っていくと、食いつきが良い等の情報です。
最後にまとめると、戦略はリーダーが描くものです。戦術は、部下と一緒に日々考え小ミーティング等で情報共有が必要になります。
くれぐれも、リストだけ渡して、目標を必達してこいと言えるのは、超スーパーセールスがいる拠点だけになります。ただ、超スーパーセールスにしかノウハウは蓄積されていませんので、いつまで立っても超スーパーセールス頼みから脱却することは言うまでもありませんが・・・。
取り留めのない文章になりましたが、戦略はリーダーが立案して、戦術は、小ミーティング等で所員と一緒になって協議するということだけを押さえておいていただければと思います。
貴社にとっては、既にできている営業所もあるかと思いますが、こういう考え方もあるという参考まで。
【ここまで】
長文になりましたが、「こんなの当たり前のことでしょう」と思われるかもしれません。
でも、この会社では、今年の2ヶ月を経過して、振り返りをしましたが、案外出来ていない拠点が多いのが現実でした。
日々の業務に流されて、本来やるべき業務の仕掛けが全くできていない状態でした。
酷い拠点では、年間の増販計画をまだ作っていませんでした。
現在、コロナウィルスの影響により、日本経済だけではなく、世界経済を巻き込んだ、不況期が訪れようとしています。
万が一、不況期が訪れても、独自価値を明確にできて、種まきをこの時期にしっかりできていれば、不況期が終われば、一気に売上は回復します。(ある会社では、9月以降の見込みの種まきを1ヶ月早めて3月から取り組みを開始されました)
ただ、今までの好景気に怠けて、この時期になっても、種まきができていない会社はこの不況期に一気に飲み込まれてしまいます。最後は、種まきよりも資金繰りに追われてしまい、土俵の真ん中で相撲を取ることができなくなってしまうからです。
ましてや、独自価値が作れておらず、カタログレベルの価値であれば、かなりの危機感が必要になります。
もう一度、この時期に、この当たり前のことが分かっているではなく、本当にやり切って、できる組織体制になっているのかをチェックしてみてください。
今年は、各企業にとって、良い意味での正念場になる予感をしています。
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