仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第227話 営業の考え方に、守破離は必要なのか
「今までのコラムを拝読していて、営業の仕組み構築には、考え方と連動しなければいけないことは理解できました」
「そこで質問なのですが、この考え方は、守破離に分けて言語化すれば良いのでしょうか」
要約すると、営業の考え方は、守破離に分けて取り組むべきかという質問をいただきました。
初めにお伝えしますが、今日のコラムは、少し理屈っぽくて、難しく感じるかもしれません。
ただ、今年のコラムの中で一番重要な内容を今から伝えると言っても過言ではありません。
よって、何を言っているか理解できない部分もあるかもしれませんが、最後までお付き合いいただければ嬉しいです。
では、結論から申し上げます。
営業の考え方を守破離に分ける必要はありません。
「えっ」と思われるかもしれませんが、守破離に分けているのは、営業の仕組みを定着化させる時に分けた方が取り組みやすかったからです。
営業の考え方の守破離を初めて聞かれる方は、守破離は何を指すのか、それをまとめた図を以下に記します。
何となく、伝わっているでしょうか。
では、もう少し掘り下げます。
実は、考え方を守破離に分けるよりも、大事なことがあります。
何だと思われます・・・。
それは、考え方を定着させるためには手順があるということです。
ここ大事なので、もう一度繰り返します。
考え方を定着させるには手順があります。
多くの会社では、考え方が大事であるということを社員に方には伝えていますが、それを定着させる手順が曖昧になっていたりします。
イメージしやすい例を挙げれば、考え方をまとめたクレド(従業員が心がける信条や行動指針のこと)の運用が典型例です。
クレドを名刺サイズのカードにして、社員に配って朝礼等で読み上げている風景をよく見かけます。
でも、これは典型的なスローガン経営です。なぜなら、読み上げることで、クレドが浸透すると勘違いしているからです。
では、どうすれば、考え方が浸透して定着するのか・・・。
当社で実践していただいている手順を以下の図にまとめました。
この図のポイントは、考え方は、言語化をした後、体験を通じて、振り返りを通じて定着するということです。
もっとシンプルにすれば、体験の無い考え方は、定着しないということです。
この体験を当社では仕組みの構築にしています。
考え方を体験するための仕組みです。仕組みなので、当然、振り返りもあります。
考え方を体験し、振り返りを行うことで、その考え方が軸になります。軸のない考え方は、他人の意見に振り回されるだけです。
そして体験を通じて、軸が太くなれば、それが芯に変わり、最後は信念になります。
ある会社では、大事にしている考え方を経営計画書に言語化していました。
ただ、その考え方を体験する仕組みとそれを振り返る場がなかったため、その考え方は、単なるスローガンになっていました。
一見、銀行等の他社にその経営計画書を見せると素晴らしいように見えますが、実践の場と確認の場がないので、その考え方は定着せず、見せかけだけの考え方になっていました。
そう、見せかけです。
このことから、考え方を言語化できれば、それを体験できる仕組みが出来上がっているか、この両輪が機能しているかをチェックすることをお勧めします。
そして、これは、個別コンサルでしか公開はしていなかったのですが、考え方の守破離には、上位概念があります。
上位概念とは、考え方の体系図です。
考え方の体系図は、当社の経験則でまとめたものなので、このような着眼点があることを認識していただければ幸いです。
この着眼点を以下の図にまとめました。
大きく分けて、3つの構成にしています。
一つ目は、信条です。
二つ目は、言葉の定義です。
三つ目は、施策、重点取組課題、マネジメントツール等の目的です。
信条は人生と仕事に分けています。一つ目の信条は「在り方」とも表現しています。(信条とは大事にしていることと捉えてもらうと分かりやすいです)
人生を語るのはおこがましいので、仕事において大事にしている信条があれば、それを言語化していただいています。
当社では、コンサルタントの福島正伸先生の名言集を紹介して、その中でピントくるものを使っていただいたり、稲盛和夫さんの書籍の「心」や、松下幸之助さんの書籍の「道をひらく」を参考にしていただいたりしています。
もちろん経営者自身が大事にしている信条があれば、それを言語化していただいています。
私の仕事の信条として、考えて行動する人材の育成の他、福島正伸先生の名言集から、「どうしようと悩まない、どうにかすると決めてできることを全てやる」という言葉を机の前に貼り付けています。
この信条はつい忘れがちになるので、机の前に貼って、日々眺めて、反省しながら、仕事に取り組んでいます。(軸になるように努力中です)
次に二つ目の「言葉の定義」も大事にしています。具体例で言えば、「目標達成とは」です。
営業リーダーが、「目標達成とは」の考え方(捉え方)が、ノルマになっていれば、素晴らしい営業の仕組みを導入しても「やらされ感」になるので、瞬間風速で終わり、飴と鞭のマネジメントでしか打開策が見つからず、組織が疲弊していきます。
これがきっかけで、営業リーダーの考え方と仕組みの連動が当社のコンサルティングでは、避けて通れなくなりました。
そして、長文になりましたので、言葉の定義でこれだけは実施してほしいことを伝えます。
それは、「営業とは」の定義です。
この定義と仕組みが連動しなければ上手く体制づくりは機能しないからです。
守秘義務がありますので、定義の言葉は伏せますが、ある会社で「営業とは」の言葉の定義をしていただきましたが、仕組みが、「気合と根性」になっていたので、その考え方の言葉は浸透しないことが目に目ていたので、仕組みの改善を早急に行いました。
最後に三つ目です。
考え方の定着をする時に、一つ目の信条と二つ目の言葉の定義がなかなか進まない会社も多かったのが実情です。
進まなかった最大の要因は、考え方の定着ということに、今まで取り組んできておらず、馴染みがなかったので、取組に違和感があったというのが正直なところです。
そのような会社には、三つ目の、「施策、重点取り組み課題、マネジメントツールの目的」等を最初に取組んでいただきました。
簡単に言えば、考え方という表現を目的に置き換えただけです。
なぜ、それをするのかという目的を明確にするということです。
それを施策、重点取組課題、マネジメントツールに分けて目的を言語化していただきました。
実は、この目的を明確にするだけで、売上がアップします。
少し雑談ですが、ある会社で、施策の展示会をする目的の確認をしたところ、「売上アップ」という回答が返ってきました。
多くは書きませんが、勘の良い人は理解できると思いますが、これは、目的の設定のピントがずれていることが分かります。
この目的では、売上アップは程遠いと言わざるを得ません。
話が逸れそうなので、元に戻します。
特に、若手が多い会社では、信条や言葉の定義は後回しにして、目的の明確化を優先的に取り組んでいます。その理由は、自分の仕事に直結しているので、行動がしやすいのでしょう。
仕事には目的が大事であることを理解してから、言葉の定義、仕事の信条の言語化をすると比較的、仕組みづくりに上手く浸透するようになりました。
当然、上記の3つは、会社の企業文化によって取り組み方の順序を変えています。
そして、この3つを整理していく中で、さらに区分けしたのが、以下の図の考え方の守破離です。
若手営業スタッフには、仕事の目的といっても上手く伝わらないこともありましたので、営業活動の戦術においての考え方を伝えることで、目的を理解していただけるようにもなりました。
具体的には、「曖昧な質問は曖昧なイメージ」、「具体的な質問は具体的なイメージ」という考え方です。
この考え方が軸になれば、営業戦術の営業トークで、「何か困っていることはありませんか」を乱発することはなくなりました。
戦術にも考え方の軸が大事であることが理解できると、次はマネジメントの考え方(時間管理等)や仕事の取り組みの信条等、レベルを上げながら取組んでいただきました。
ちなみに、戦術で成果を発揮した考え方は、「お客様は購入を2度行う、1度目は頭の中、2度目は現実」です。
この考え方が定着すると、「顧客に対してどのような質問をするのか」、「どのようなツールを作れば良いのか」という事前準備の重要性を理解されます。(ぶっつけ本番がなくなります)
また、話が逸れそうなので、本題に戻します。
上記は、当社がコンサル現場で試行錯誤しながら、見つけた手順なので、正解とは言いません。
ただ、試行錯誤の上、現在は、これが最短のルートなので、この手順と考え方の体系図を公開することにしました。使えそうであれば。是非、活用してください。
最後にまとめます。
考え方は、体験が必要で、振り返りによって軸になるということです。
この体験が営業の仕組みになります。
よって、考え方と営業の仕組みは連動していなければ効果は発揮しないということです。
あなたの会社では、大事な考え方は言語化されているでしょうか。そして、その考え方が定着する仕組みは構築できているでしょうか。
追伸)過去のコラムで、どのような言葉の定義を考え方として言語化すれば良いのかを記載しています。もし、興味があれば、過去のコラムを探してみてください。(図でまとめていたと思います)
セールステックは、まだするな!“指示待ち社員”を “自立型社員”に変貌させた「誰でも成約の達人」の仕組みの作り方セミナーは、こちらをクリック!
