仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第290話 営業の右腕人材は、能力でなく勤続年数で決めていますか(必須の3つの能力)
「先週のコラム記事に右腕人材のことを書かれていましたが、右腕人材には、どのような人を選出すればよいでしょうか、能力等の目安が分かれば嬉しいです」
この答えに対しては、ケースバイケースで、その企業の実態に即した形でアドバイスしています。
しかし、これだと答えにならないので、右腕人材を選出する際に、当社の土台となっている考え方を公開することにします。
ただ、この考え方は、従業員規模が30名以上で年商を10億もしくは30億以上を目指す会社向けの考え方になります。
なぜなら、従業員5名未満の会社であれば、右腕人材の育成というよりも、後継者問題の方が優先されるからです。
そして、販売促進においては、内部の人材育成よりも、外部のリソースとの連携を強化した方が目標到達の早道になったりします。
では、当社の土台となっている考え方を以下の図にまとめましたので公開します。
何となく、言わんとすることは理解できるでしょうか。能力としては、3つです。
1,3か年戦略構築力(長期ビジョンを掲げる力です)
2,マネジメント推進力(年間の戦略構築と戦術を同時推進できる力です)
3,営業現場問題解決力(日常のトラブル解決や高額案件等の高獲得)
この3つのうち、経営者が見落としがちな着眼点を補足できる人材が右腕人材になります。
一般論の事例としては、良い製品・サービスを持っていて、社員の採用も積極的に行っているのに、年商が10億もしくは30億の壁を乗り越えられない会社は、2のマネジメント推進力が確実に欠落しています。
恐らく経営者が苦手にしている能力がマネジメント力になっているからです。
その場合は、マネジメント推進力を持った人材を早急に育成するか、外部と連携をとりながら、マネジメントの課題の克服にチャレンジすることになります。
当社の経験則ですが、経営者の突出している能力としてよく見かけるのは、3の営業現場の問題決力になります。
この力を社員の方よりも持っているので、社員からの信頼も厚く、会社を引っ張っていく力にもなっています。
ただ、この能力に突出している方の7割以上の方が、次のマネジメント推進力を苦手にしています。
なぜなら、人に任せるよりも自分が率先することで、売上を早期獲得できるため、他人の力を上手く活用するという視点があまりないからです。
俺がいないとこの会社は回らないという状態を無意識に作っています。
このことから、マネジメントの仕組み導入を敬遠して、個人の𠮟咤激励の精神論で会社運営を余儀なくされています。
自分の苦手分野の能力には、チャレンジをせずに自分の得意分野の能力だけで会社運営をしている感じです。
前回のコラム記事にも書きましたが、優れた経営者は、自分の能力を真摯に判断して、苦手分野は隠すのではなく、外部との連携や社内の人材育成を上手く行っています。
そう、優秀なブレーン(社内・社外)を持っているということです。
経営の神様と言われた松下幸之助さんが次の言葉を残しています。
「なぜ、あなたは成功したのですか?」という問いに3つの理由をあげておられます。
1、貧乏だったから
2、病弱だったから
3、学歴がなかったから
ひとつひとつの説明は省きがますが、ここで着眼して欲しいのは、2の病弱だったからです。
この病弱だったからの答えの真意は、病弱だったからこそ、人の力を借り、一人でなく、人の協力のもとでやってきたからだそうです。
人の力を借りると聞くと難しそうに感じる方がおられるかもしれませんが、当社では、人の力を発揮できる職場という言葉に変換しています。
そう、人の力を発揮できる職場です。当社の言葉でさらに置きかえると「場づくり」です。
人の力を発揮するために適材適所という考え方があります。前回のコラム記事にも記載しましたが、適材適所を行うためには、仕事を通じて、社員の長所と短所を見抜く必要があります。
社員の長所と短所を見抜くには、社員との仕事での「かかわり」を本気で行っているかが重要になります。
社員との仕事での上辺だけの「かかわり」になっていれば、社員の長所と短所を見抜くことはできず、マネジメントは永遠に機能することはなく、精神論頼みの叱咤激励の「飴と鞭」作戦を繰り返すだけになります。
そう、伝家の宝刀の「飴と鞭」作戦です。
もう一度、以下の図を記します。
この図の正解・不正解は問いませんが、人を採用して、会社を成長させたいと考えていれば、マネジメントの推進力を担う人材は必要になると感じています。
もし、経営者がこの能力が苦手でも、視座が1年のスパンなので、社内で人材育成は可能です。その際、人選を勤続年数で選ぶのではなく、仕事のかかわりを持つ中でその人材を見極めていく必要があります。(経営者がマネジメント能力を持っていれば、見極めるのではなく、ノウハウを継承していきます)
万が一、勤続年数や営業成績だけで選んでいれば、人選は失敗の確率が高まります。それは、その人の能力が見れているようで、見れていないからです。
そう、営業力とマネジメント力は、異なる能力だからです。
さて、あなたの会社では、上記の図の3つの能力のうち、右腕になる人材はどの能力を発揮しているでしょうか。
その見極めも経営者の仕事のひとつです。
追伸)これは、余談ですが、3か年戦略構築に長けている人、マネジメントの推進力に長けている人、営業現場問題解決力に長けている人は、基本、仲が悪いです。
なぜなら、仕事における価値観が違い、自分が正しいことを主張するからです。(仕事で大事なことは〇〇であるという主張が違うということです)
でも、経営者がその人材のとりまとめが上手い会社は、基本、仲は悪いですが、互いの素晴らしい所を認めています。
そう、性格は好きではないが、自分にない能力を持っているところを認めて、仕事の上では信頼しているということです。
漫画になりますが、「キングダム」が分かりやすいと思います。皇帝は、各々の戦国武将の能力の長所短所を把握し、すべての武将が他の武将と違う能力を持っています。
基本、他の武将同志も仲は良いとは言えませんが、互いを認め合っています。そう、ここ一番の信頼です。(他の武将同士も長所を把握しているということです)
これができている組織は、困難が起きても、ひとつにまとまった時にすごい力を発揮します。
ただ、どんなに素晴らしい能力を持った人を抱えていても、互いの足の引っ張り合いをしている組織は、ひとつにまとまった時に「1+1=2以上」の力を発揮することはありません。(個の力は素晴らしいが、ひとつにまとまった時の能力はそうでもないということです)
逆に、普段、自分達より、営業力が弱いと思っていた競合他社に足元をすくわれていることに気付かずに時間だがいたずらに過ぎていたりします・・・。(競合は個の力よりもマネジメント力を密かに身につけているからです)
これも、経営者および経営幹部の先を見越す能力の差と言えるかもしれません。
