仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第278話 営業で「原因と結果の法則」が機能しない本当の理由
冒頭でいきなりですが、今回のコラム記事の内容は、小難しく感じるかもしれません。
なぜなら、個別コンサルで営業マニュアル作成後、1年間実践してから話している内容だからです。
これも、個別コンサルの途中で話せば、「分かったつもり」の「つもり」で終わるので、あえて、1年経過してから話をするようにしています。
そして、このことを真に理解することができれば、コンサルタントなどは不要で自走する組織ができあがります。(このことを理解していただいて、当社のコンサル契約から卒業していただいています)
では、前置きが長くなりましたが、本題です。
多くの会社では、「原因と結果の法則」は聞いたことがあるかと思います。
しっかりとした原因をつくれば、成果や結果が出るという法則です。
よって、多くの経営幹部は、原因をつくるために、「何に取り組むのか」に意識がおもむきます。
最近流行りの〇〇の研修を受講させる、営業のDX化を進める等の「何に取り組むのか」です。
でも、ここに大きな落とし穴があることに気づいていません。
「えっ、言っている意味が・・・」という声が聞こえてきそうですね。
今回は、小難しいですが、図表を使いながら、話を進めていきます。長文になりますが、何らかのヒントのきっかけをつかんでいただければ幸いです。
まずは、「原因と結果の法則」が機能しない本当の理由を図にまとめました。
何となく伝わっているでしょうか。
ここで、知って欲しいことは、原因と結果の間に、試行錯誤の推進力があるということです。(注:これは、乾経営の経験則で導き出したもので、正解・不正解を述べたものではありません)
そして、この試行錯誤の推進力が多くの会社では、ブラックボックスになっているので、原因と結果の法則が機能していません。
では、この試行錯誤の推進力について、もう少し掘り下げます。
試行錯誤の推進力について、知って欲しいことは、「コントロールできること」と「コントロールできないこと」の2つがあるということです。
ここが、盲点になっています。
分かりやすいように、植物の朝顔の花が咲く例を「原因と結果の法則」に当てはめて以下の図にまとめました。
原因と結果の間には、試行錯誤の推進力があることを伝えました。
一般論の「原因と結果の法則」では、朝顔の種を植えると朝顔の花が咲くので、原因の朝顔の種を植えるという原因を作る必要があることを説いています。
でも、上記の図を見ていただくと分かりますが、原因をつくれば、結果がでるというのは、飛躍した考えになります。
そう、原因と結果の間には、試行錯誤の推進力があるからです。
試行錯誤の推進力には、2つあります。
「コントロールできること」と「コントロールできないこと」です。
朝顔の例では、「コントロールできること」を毎朝の水を与えることにしています。これは、自分でコントロールすることができます。
もうひとつの「コントロールできないこと」は、台風で植木鉢がとばされたことをあげています。
ここで言いたいことは、「結果は予測できない」ということです。
そう、「結果は予測できない」です。
朝顔の種を植えて、毎朝水やりをしていても、突然の台風で植木鉢が飛び植木鉢が壊れれば、朝顔の花は咲きません。
ここで、言いたいことは、正しい原因と正しい努力(試行錯誤)を行っても、結果は同じにはならないということです。
コントロールできない要因が働けば、結果は変わるからです。
では、これを営業に置き換えての事例で話をしてみます。
価値提案の提案営業(原因)をすれば、営業成績がアップ(結果)するという原因と結果の法則の仮説を立案したとします。
試行錯誤の推進力のコントロールできることで、提供価値シートの作成、提供価値シートに基づいた提案ツールの作成、質問形式の営業トークのロープレの実施を行ったとします。
ただ、試行錯誤の推進力で、次のコントロールできないことが起こればどうなるでしょうか。
取引顧客のニーズが値引きにしか興味が無い場合です。要は、見積価格から、さらに何パーセントの値引きができることにしか興味が無い顧客のことです。
何パーセント値引きさせたが、会社の利益ではなく、自分の評価にしか興味がない決済担当者の場合です。(まれに中堅企業の年配の方にもおられます)
こちらが、提供価値で会社の利益を訴求しても、決済担当者が会社より自分の評価しか考えていなければ、何パーセント値引きさせたにしか興味はありません。
あるいは、ある営業スタッフの担当顧客が小規模(5人未満)の会社ばかりであれば、提供価値の訴求よりも、決済者の経営者と仲良くなることの方が重要であったりします。
そう、価値訴求よりも決裁者の経営者と仲良くなることです。
そのためには、飲みにケーションやゴルフ等の接待や無理難題を笑顔で対応することが大事だったりします。あるいは、カラオケ等のちょっとした一芸をもつことが大事だったりもします。
営業においては、いくら素晴らしい原因を作って、努力しても、コントロールできないことによって、結果は変わってしまいます。
そして、昭和と平成の時代においては、声のボリュームが大きい管理者の鶴の一声で営業において重要なことは何かが決定されていました。(管理者のマネジメント能力ではなく、声のボリュームの大きさです)
具体的には、「営業は足で稼げ」、「まずは、お客様に好かれろ」、「営業はゴルフ接待ができて一人前」等です。
ここに正解・不正解はありません。
ここで、言いたいことは、コントロールできないこと、あるいはごく少数にしか該当しない顧客、もしくは将来狙っていない顧客層に対してのノウハウ構築は無意味であるということです。(全てではありませんが・・・)
あるいは、営業はやってみないと分からないので、理屈よりも実践を重視して、営業ノウハウは可視化せずに、属人的頼みの結果だけを出せれば何でも良いというスタイルの会社もあります。
これも会社のスタイルなので、正解・不正解は問いません。
ただ、乾経営では、結果はやってみないと分からないからこそ、試行錯誤でコントロールできることは何かを言語化して、マニュアル化することが重要であると感じています。
このマニュアル化とは、努力すればある一定のレベル(60点)には到達できることを指しています。そして、この60点レベルに到達できるスピードをその会社のノウハウとしています。
新人が入社して、60点レベルになるのは、3年かかるのか、半年で済むのか等です。
話が、少し脱線していますが、もう少しだけお付き合いください。
では、乾経営では、試行錯誤の推進力を高めるために大事にしている3つのことを以下の図にまとめました。
3つにしていますが、究極は、「考えて行動する場づくり」の一択です。
シンプルです。
「場づくり」ができれば、組織は自走するからです。そう、コンサルは不要です。
「場づくり」が出来上がるためには、考え方と戦略(狭義)と戦術の可視化が必要になります。これを何にするのかが会社のノウハウになります。
営業は気合と根性で、出たとこ勝負という考え方であれば、戦略(狭義)と戦術は不要です。考え方は、その会社の組織文化になりますので、経営幹部が大事にしている仕事における信条が考え方として浸透していればOKです。
考え方に正解・不正解はありません。その会社らしさの企業風土になるからです。
まずは、会社として大事にしている考え方の言語化が必要になります。そして、その考え方と連動して戦略(狭義)と戦術を構築します。(狭義とは1年以内です)
場づくりができあがれば、瞬間風速の始めだけを防ぐために、「やり切る」が重要になります。ここでは、シンプルに振り返りの仕組みがあるかということだけです。
そして、振り返りは、何を振り返るかです。このこだわりが経営幹部の力量になります。
最後は、40点主義です。場づくりで試行錯誤のアイデアが出ても、実践ができていなければ意味がありません。
100点を目指すのではなく、40点レベルでも良いので、まず、試すという習慣が重要になります。
頭でっかちや、批判だけで行動しないという企業文化をつくらないためです。
そして、40点主義にしているのは、試行錯誤を繰り返すという意味も含んでいます。
よって、「原因と結果の法則」の間に、試行錯誤の推進力という名前を付けているのがその理由です。
試行錯誤の推進力の意味合いが理解できると、他社事例はあくまでも参考にしかならないということが理解できます。
なぜなら、試行錯誤の推進力のコントロールできることは、自分たちで作らないといけないからです。
そう、試行錯誤の推進力が自分たちの会社の企業風土を作る唯一の道だからです。
そして、試行錯誤の推進力の「コントロールできること」をマニュアル化したものが、仕事の基本の土台の設計(仕組み)になります。
基本の土台があるから、応用を作り出すことができます。土台が無い場合は、思い付きの属人化か神頼みしか方法はありません。
今回のコラムは小難しい内容になっていますが、試行錯誤の推進力を腹落ちして理解できた会社が自走化に向けて走り出します。この瞬間が当社の契約を終了する段階になります。
あなたの会社では、試行錯誤の推進力で「コントロールできること」は、何にしているでしょうか。
あるいは、「コントロールできること」を度外視にして、「原因と結果の法則」の原因の何をするのかだけにしか興味はいっていないでしょうか。
原因は作るが、後は、社員を野放しの状態です。
追伸)ある会社では、仕事を楽しむという原因づくりを大事にしていました。仕事を楽しめば、結果として、色々な仕事を引き寄せてくるからです。
自走している組織であれば問題はありませんが、この会社では若手スタッフが中心なので、若手スタッフは頭で楽しむことは理解できても、何をすべきかがあいまいになっていたので、仕事は中途半端を繰り返している状態でした。
でも、経営幹部は、四半期ごとに、仕事は楽しむことが大事であるという号令のスローガンだけを声高々に発信をしていました・・・。コントロールできる中身はないので、結果は・・・。
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