仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第74話 営業の“分かっていることを出来る”にすることの重要性について(イチロー)
野球のイチロー選手の名言を紹介します。
“小さいことを積み重ねるのが、とんでもないところへ行くただひとつの道”
当社のクライアントには、微差の重要性や分かっていることと出来ていることは同じではないということを知ってもらう時に引用している名言です。
このような名言は、イチローが言うから響きますよね。
当社は、この名言の小さいことを積み重ねるという表現を分かっていることを出来ているに変えるに変換をして、クライアントに口を酸っぱくして言っています。
この取り組みが、とんでもないところへ行くただひとつの道であることを信じているからです。
今日のコラムは、いつもと趣向を変えて、分かっていることが出来ていないことを痛感に感じた最近の出来事を紹介します。
よって、今回は、考え方等の参考になる内容ではありません。でも、こんなことが大手企業でも起こっているのだなということを知っていただければ幸いです。
では、分かっていることが出来ていないことを痛感に感じた出来事です。
先週、大規模な展示会に参加していました。国内来場者が数日間で数万人を超える展示会です。
実は、この展示会で楽しみにしていたことがありました。それは、出展者の方が自社の最先端技術を8分間プレゼンする、出展者セミナーです。
出展者は、13社で、大手企業もかなり含まれていました。
さて、当社は、このセミナーの何を楽しみにしていたと思われますか。
新技術の世界の流れの習得でしょうか。残念ながら、違います。
顧客ニーズをどのように吸い上げて、その顧客ニーズに対応した技術プレゼンになっているかを確認したかったのです。
簡単に言うと、どれだけ顧客の理解をして、顧客ニーズの着眼点は何にしているのかを知りたかったのです。
もっと、簡単に言うと顧客リサーチをどのようにしたかということです。13社も一気にプレゼンするので、その会社の顧客ニーズの着眼点を一気に把握することが出来ます。
少しだけ、話を脱線すると、当方は、30代前半の時に、事業計画書の審査やプレゼン評価の審査員を行い、かなりの数をこなしていた時期がありました。
数をこなすと分かってくるのですが、プレゼン全体の話を聞くというよりも、そのプレゼンの何が凄いのかという着眼点とその着眼点の具体性で評価をしていました。
着眼点が他社にない視点であれば、「その事業は面白いですね」とコメントをして、具体性も明確であれば、「実現性がありそうですね」とコメントをしていました。当たり前といえば、当たり前ですが、それを瞬時に見抜くには、稽古量も必要になってきます。
幸い、私自身は、数をこなす機会に恵まれましたので、プレゼンの見るべきポイントが感覚的に理解できるようになりました。
では、本題に戻ります。
今回の出展者プレゼンは、1社8分間だったので、かなり構想を練らないと、単なる製品説明で終わってしまいます。製品説明であれば、プレゼンをする必要はなく、カタログを配っていれば良いだけになります。
しかも、今回のプレゼンの発表者は、大手企業の方も多数含まれていたので、期待値は、ものすごく高まっていました。
なぜなら、大手企業は、社員研修等には力を入れているので、顧客ニーズのリサーチはかなり進んでいると思っていたからです。
そして、13社の発表を最後まで聞きました。
感想は、「あれっ」という肩透かしをくらうほど、期待感よりも失望感を大きく感じました。
その理由は、顧客視点という捉え方がしっかりと出来ていた会社は、13社のうち2社だけだったからです。
敢えて、◯ではなく、△の評価をつければ、後、4社ぐらいでしょうか。
究極を言えば、7社は×評価です。
誤解のないようにして欲しいのですが、技術レベルの評価をしているのでは、ありません。顧客視点に沿った、技術の発表になっているかをチェックしていました。
なぜなら、今回の発表者の大手企業のホームページを見ると、顧客満足を追求する、顧客視点に沿った、顧客の要望に対応したという、よくある表現をしていたからです。
当然、ホームページでこのような表現をしていれば、分かっているだけではなく、出来ていると思ってしまいます。
でも、実際は、驚くほどに出来ていませんでした。
百歩譲って、発表者が技術者だから仕方がないという声も聞こえてきそうですが、会社としてそのプレゼンをチェックすれば、ちょっとまずいということは、気がつくと思います。
でも、それが出来ていない。
ましてや、それが良くないことにも気づいていないということです。
この時、改めて気づかされました。
分かっていることが出来ていないということです。
顧客視点が大事であることは、当たり前の話です。
でも、実際は、自社製品の技術のここが凄いということを一生懸命に喋っています。その根拠や背景が分かれば、まだ、納得はしますが、顧客が不在の内容になっているので、納得性すらありません。
でも、技術者のプレゼンなので百歩譲って、自社製品の技術が価値提供になっていれば良いのですが、価値提供ではなく、顧客で起こっている現象になっていました。(価値提供と現象の違いについては、コラム72話を参照願います)
正直、大手企業なら研修等の社員教育は充実していると思うのですが、価値提供と現象のちがいすら分かっていないのかもしれないと感じました。
今回のコラムは、当社の所感を述べてばっかりで申し訳ないと思っています。
ただ、今回のコラムで押さえておいて欲しいのは、大手企業でさえも、分かっていることが出来ていないということを痛感したので、敢えて、コラムという文章で発信しています。
顧客視点という当たり前のことは、私が社会人になった28年前から言われていることです。
28年前と比較すると、時代はかなり進化しています。IT技術等は日進月歩が激しいです。
でも、顧客視点という当たり前のことが出来ていないのが現実であったりします。
手法は、日々色々なものが出てきますので、自社の考え方に沿ったものを選択するだけです。
ただ、その前に、当たり前のことが出来ているかということをもう一度、振り返ってください。
もし、良ければ、イチローが言っている名言の“小さいことを積み重ねるのが、とんでもないところへ行くただひとつの道”を定期的に思い出していただければ幸いです。
あなたの会社では、当たり前のことが出来ているでしょうか。
当たり前のことが、分かったつもりになっていないでしょうか。
