仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第202話 法人営業におけるオンライン営業は、まだやるな
3月中旬にオンライ営業の実施に当たってのスポットコンサルを実施しました。
この会社は当社のコンサルを終了していたのですが、経営者が中堅企業の訪問営業はオンラインに切り替わることを予想して、オンライン営業によるロールプレイングの実施状況を客観的にみてアドバイスを欲しいという依頼でした。
ロールプレイングは、3拠点の営業リーダーをテレビ会議につないで、拠点ごとに経営者がお客様役になっていただき実施しました。
経営者としては、今までやってきた訪問の面談がオンラインに変わってもスムーズにできているかを客観的に見て、オンライン営業でも問題のないことの後押しを当社にして欲しかったのだと思います。
3拠点のオンライン営業のロールプレイングを終了した結果、経営者は、猛省をされていました。
その理由は、オンライン営業のロールプレイング以前の問題が判明したからです。
もし、あなたの会社がコロナの影響でオンライン営業に取り組んでいれば、この会社と同じような問題が発生していないかセルフチェックをしてみください。
案外、オンライン営業をやることが目的で、この盲点に気付いていなかったりしますので・・・。
では、この会社の経営者は、オンライン営業の取り組み以前の何が問題として気付いたと思われますか。
答えは、簡易のビジネスモデルの設計ができていないことに気づかれました。
当社のコンサルを受けていない方は、簡易のビジネスモデルと言われてもピンとこないかと思いますので補足説明します。
一般論で言えば、誰に、何を、どのようにを明確にしたものを言います。
この一般論を当社では、顧客と商品・サービスの出会いの場の演出と言い換えています。
演出と言っているのは、仕掛けるという意味合いで使っています。
そう、出会いの場を仕掛けるという意味です。
経営者・経営幹部であれば、この簡易のビジネスモデルであれば、30分あれば作れると思いますので、一度作ることをお勧めします。
なぜ、作って欲しいかと言うと、ある落とし穴を見抜くことができるからです。
参考までによくあるパターンを以下の図に記します。
顧客の欄は、選定基準を設定した顧客名が並んでいます。顧客分析がしっかりしている会社は、商品・サービス毎の顧客アプローチリストになっています。
商品・サービスの欄は、提供する商品・サービスの名称が入っています。
出会いの場の演出は、今までの営業プロセスが、今回はオンライ面談のプロセスが追加されています。
「えっ、これの何処に落とし穴があるのですか」という声が聞こえてきそうですね。
もし、あなたの会社が上記の図の例で満足していれば、従来の訪問面談をオンライン面談に変更しても成果は変わらないことを断言しても良いでしょう。
要は、上記の図をもう少し掘り下げたものがあるかということです。
今から当たり前のことを言います。
顧客は、商品・サービスを買っているのではなく、その商品・サービスが生み出す提供価値を買っています。
一般論では、“もの”ではなく、“こと”を買っているという表現です。
ここまで大丈夫でしょうか。
そして、この提供価値を買っていただくためには、顧客の悩みと願望に連動していなければなりません。
悩みと願望が明確になって、提供価値を訴求できるからです。
「えっ、当たり前すぎますよね」という声が聞こえてきそうですね。
では、以下の図をみてください。
この当たり前を図にしてみました。
実は主力商品サービスにおいて、この当たり前の、顧客の悩み・願望と提供価値を見える化したものが会社のノウハウとして蓄積されているかということです。
そう、見える化です。
カタログに記載されている多くは、提供価値ではなく、製品特徴になっています。
提供価値と製品特徴は全く違います。そして、この提供価値に独自なものができ上がると競合との差別化の優位性を発揮します。
なぜなら、競合はその価値を訴求していないからです。
このことから、当社では、顧客の悩み・願望と提供価値を見える化したシートを作っていただくようにしています。
このシートをどんどんバージョンアップして、それを営業ツールに落とし込めば、新人でもある程度は売れるようになるからです。
少し話が脱線しますが、新人が売れない理由のひとつに、提供価値のボキャブラリーの乏しさがあります。
これは、私が30代の時に1000人以上の方とお会いして痛感したことです。
ボキャブラリーの無い新人は、カタログベースの製品特徴を3つぐらいしかもっておらず、それを武器にして営業に行っていました。
もっている武器が弱いのに営業成績が飛躍するには時間がかかります。
でも、ある経営者は、もっている営業ツールの武器に頼らず、自分で工夫したものが営業として生き残るという考え方をもっていました。顧客の訪問リストは手渡すので、後は自分で工夫して営業をしなさいという感じです。
その会社の哲学なので、否定はしませんが、そのような会社では、営業スタッフの成長スピードは遅いように感じています。(当社の経験則です)
よって、会社のノウハウとして、最低でも、ひとつの商品・サービスに対して、最低10個以上の提供価値のボキャブラリーとツールは、見える化したものとしての用意が必須です。
この武器を活用して、営業の経験を踏めば、凡人の営業スタッフでも成長スピードは加速していきます。
話を戻します。
この会社は、当社のコンサルを受けていましたので、提供価値シートは作成されていました。
逆に提供価値シートができていたので、落とし穴に気がつくことができました。
それは、コロナの環境時になれば、顧客の悩み・願望が変わるということです。
今まで、生産性の向上の切り口で段取り時間の短縮、人材不足解消等をあげていましたが、コロナの環境時であれば、生産性の向上は、あまり使えません。
逆に生産量は減るので、稼働時間も減り、人員も過剰になります。
あまり詳しく書くと守秘義務違反になりますので、悩みと価値のざっくりしたものを書くと、「稼働率が30%減っても利益率を30%伸ばす方法」という感じです。
何が言いたいかと言うとうと、3拠点のオンライン営業のロールプレイングをして分かったことは、過去に作った提供価値と営業ツールをそのまま使っていた営業所と、コロナの環境時の悩み・願望を想定して提供価値と営業ツールを作り変えてオンライン営業のロールプレイングに挑まれた営業所があったということです。
3拠点のロールプレイングをやったので、このことの違いが明確に分かりました。
この会社の経営者は、私に次のように言われました。
「コロナの環境時では、訪問面談をいかにオンラインに切り替えるかを大事にしていましたが、それ以前の当たり前のことが出来ていないことを痛感しました」
「恥ずかしい話ですが、乾先生の言われていた、知っていると出来ているの違いを再認識しました」
「これは、営業リーダーの問題ではなく、私自身(経営者)の問題です」
これが、この経営者が猛省していた理由です。
この会社では、3月中旬にこのことに気付かれましたので、コロナバージョンの営業ツールも作成されていました。
そして、経営者の陣頭指揮の下、種まき営業の量の拡充を4月の施策に取り入れられていました。
これも、ダーウィンの進化論の「変化するものだけが生き残る」(最も強い者が生き残るものではなく、最も賢い者が生き延びるものでもない。唯一生き残るのは、変化できる者である。)の実践です。
この事例は、当社も出来ていなかったので、自戒を込めて書いています。
あなたの会社では、オンライン営業の前に、顧客の悩み・願望と価値の見直しは終わっているでしょうか。
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