仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第91話 新入社員の営業マンに最速で成果を出させる方法とは
先日、あるメーカーの社長から次の相談を受けました。
「乾先生のコラムを読んでいると、経営幹部には考え方の軸を持つことの重要性が説かれていますよね。新入社員にも考え方の重要性を説けば、新入社員にも良い影響はあるでしょうか」という相談でした。
私は即答で、「無いですよ」と答えると、その経営者は、想定していた答えと違っていたので、目を白黒させていました。
誤解を恐れずに言えば、多少の成果はあるのは、事実です。でも、この成果が出る方は、限られています。
ちなみに、どのような方の成果が出るでしょうか。
答えは、もとから営業センスがある方です。スポーツで例を挙げるのなら、生まれ持って運動神経が抜群な方です。
でも、新入社員の採用を積極的に取り組んでいる経営幹部の方は理解できるかと思いますが、入社時から営業センスの良い方は、10人に1人くらいです。残りの方は、凡人です。ちなみに、私も超がつくくらい凡人でした。
そうすると、凡人の新入社員の方が、すぐに育つ仕組みが必要になってきます。
当たり前ですよね。
このようなお話をすると、多くの経営幹部が次のように答えられます。
「乾先生、新入社員が半年そこらで成果を生み出すのは、難しいよ。営業として、ある程度、出来るようになるまで、最低3年はかかるよ。だから、石の上にも3年じゃないけどしばらくは、辛抱だね・・・」
あなたの会社にも、上記のように答えられる方は、いないでしょうか。
もし、おられるのであれば、新入社員の指導を既に諦めている方になります。新入社員の問題ではなく、上司の問題です。
このようなことを、ある会社の経営幹部にお伝えしたところ、その経営幹部は、顔を真っ赤にしながら、当社への苛立ちを必死に抑えておられました。
喉元から、「当社の、指導方法の何がダメなんだ。分かったつもりで、偉そうなことを言うな!」という声が今にも漏れそうでした。
では、当社の新入社員の営業マン教育では何を大事にしていると思われますか。
ちなみに、あなたの会社での新入社員の営業マン教育で大事にしていることは何ですか。
この時点で答えがなければ、管理職として新入社員の教育に対して、考え方がないので、管理職は失格になります。
なぜなら、考え方の軸のない管理職は、ブレブレになるからです。流行りの新入社員教育に振り回されるだけになるからです。(最新、◯◯コミュニケーション等です)
また、話がそれそうなので、本題に戻ります。
では、当社の考え方を述べます。
当然、考え方なので、正解・不正解を問うていません。このような着眼点があるのだなという感じで聞いていただければ幸いです。
当社の考え方は、新入社員には、具体的な行動レベルまで落とし込んで、行動レベルの教育を行うということです。
言わんとすることは、理解できるでしょうか。
もの凄く、当たり前のことを言っています。
営業に対する考え方や、精神論の話は一切しません。具体的な行動レベルまでの指示を行い、その行動が出来たのか出来なかったのかを振り返りで確認を行います。
例えば、営業活動の訪問目的が顧客情報収集であれば、訪問前に収集する情報はインターネット等を通じて、◯◯と◯◯の情報を収集する。そして、対面の時には、◯◯と◯◯の情報を収集する。◯◯の回答があれば、◯◯についてもヒアリングを行う。その時の聞き方の話法は、「・・・・・・・」。
一度、ローブレイングの演習を通じて練習をしてみよう。というような感じで行動レベルまでに落とし込み具体的な教育指導を行います。
このような話をすると、多くの管理職は、「乾先生、そこまで細かく具体的にしなくても良いでしょう。小学生じゃないのだから・・・。そんなに細かく具体的にしていれば、考えない人間が育ってしまいますよ。乾先生の目指す、自立型人材になりませんよ」との言葉をいただきます。
これは、当社との考え方の相違からこのような言葉をいただいたりします。なぜ、行動レベルまで具体的に落とし込んで、その都度、振り返りをする必要があるのか。
答えは、“新入社員の営業マンに成功体験を早く身に付けさせる”があるからです。
ここ大事なので、もう一度、言います。
“新入社員の営業マンに成功体験を早く身に付けさせる”です。
成功体験とは結果ではありません。行動を振り返った時に、その取り組んだ行動に対してどうだったのかを検証した時に成功体験を習得することができます。
ここ、大丈夫でしょうか。
例えば、新入社員のA君が「いつも、アポイントが1日1件だったのに、今日は1日3件取れた。よって、自分は成長している・・・。」と言ったらどうでしょうか。
恐らく、「何が・・・」と答えられるでしょう。
どのような行動に変えて成果が出ているのか不明なためです。そして、本人も行動の自覚が無いため、日によって成果のバラツキが激しかったりします。単純にその時の気分だけで成果が違っていたりします。
当社の言わんとすることは、理解できるでしょうか。
では、新入社員に対して、行動レベルまで具体的に指導は出来ているでしょうか。
案外、分かっていても出来ていないことに気付かれるかもしれません。
なぜ、出来ていないのでしょうか。管理職の言い訳としては、「そこまで言わなくても分かるだろう。失敗しながら気づけばいい。先は長いのだから・・・」というのが多々あります。
ただ、当社から見れば、そのようには思えません。管理職の方が、行動レベルまで具体的にすることを面倒くさがっているだけか、成果につながる行動を理解していないかのどちらかです。
そう、「面倒くさがっている」か「成果につながる行動を理解していない」です。
きつい言葉で表現するの出あれば、上司としての職務放棄です。
行動レベルまで具体的にするのが面倒くさい、あるいは理解していないので、程度の良い言葉でお茶を濁していたりします。
「お客様の顔をしっかり見ながら、聞くべきことを聞いて、伝えることはしっかり伝えよう。そのためには、まず、この提案書をスラスラと喋れるようになっておこう」等です。
抽象度が高い内容でも成果が出せるのは、センスの良い方だけです。
でも、多くの会社では、新入社員の指導方法がセンスの良い方向けの指導になっています。
ある程度、成功体験が身についている方であれば、問題はないのですが、そうでなければ、指導方法を見直す時期かもしれません。
この単純なことに気づかずに、最近の新入社員には、コミュニケーション能力が必要であるということで、場当たり的な研修を行い、無駄金を使っていたりします。
新入社員には、行動レベルまで落とし込み成功体験をどれだけ身に付けるかが、短期育成の最大のポイントです。
あなたの会社では、新入社員に行動レベルまで落とし込んだ指導は出来ているでしょうか。そして、振り返りによって、成功体験を積ませるということは実施しているでしょうか。
若手は、成功体験なくして成長はないからです。この成功体験も、なんとなくの感覚ではなく、行動レベルでの認識が必要です。
あるいは、成功体験も無いのに、考え方という抽象度の高いことばかりを指導しているでしょうか。
凡人の新入社員の成果が出ないということは、新入社員が問題なのではなく、指導方法の見直しを迫られているのかもしれません。
あなたの会社は、大丈夫ですか。
