仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第109話 拠点長(営業所長)がコーチングを営業の手法に活用する時の落とし穴
中堅企業以上になれば、部下指導にコーチングの手法を研修等で勉強されて、実践している拠点長は多いことでしょう。
ただ、このコーチングの手法を営業の手法にまで取り入れて、若手営業マンに混乱を起こさせている拠点長もおられました。
誤解のないように申し上げておきますが、当社はコーチングの手法は素晴らしいと思っています。ただ、コーチングのある『考え方』を勘違いして実践されていたりします。
どのような『考え方』なのか・・・。
それは、『答えは顧客が持っている』という考え方です。
恐らくコーチングの研修講師は、この考え方の意図をしっかりと説明しているかと思われますが、この考え方の解釈を拠点長が違う意味で解釈していました。
「えっ、どういうことですか」という声が聞こえてきそうですね。
答えを顧客ニーズと解釈して、『顧客ニーズの答えは顧客が持っている』ということを部下に指導をしていました。
よって、質問技術をしっかりマスターして傾聴をマスターしようと部下指導していました。
実は、ここに重大な落とし穴があります。
顧客ニーズを聞くために、「何か困っていることはありませんか」という言葉を九官鳥のように喋るように指導されている会社がまだあるということです。
あなたの会社では、大丈夫でしょうか。
当社のコラムの23話で、「何か困っていることはありませんか」を安易に使わない理由を説明していますので、詳しくはそちらでご確認ください。
では、本題に戻ります、
まず、営業活動においては、『顧客ニーズの答えは顧客が持っている』という考え方は誤解を招くということです。
営業活動においては、『顕在の顧客ニーズの答えは顧客が持っている、潜在の顧客ニーズの答えは顧客が持っていない』ということです。
ここ、大丈夫でしょうか。
『潜在の顧客ニーズの答えは顧客が持っていない』ということです。
そう、潜在の顧客ニーズは、顧客に気づいてもらわないといけません。
当たり前のことを言っています。
そうすると、気づいてもらうには、こちらが仮説を持った意図した質問をしなければいけません。
こちらが仮説の答えを持って、その仮説を質問によって、気づいていただくということです。
「えっ、それって、コーチングと似ていますよね」との声も聞こえてきそうですが、コーチングの手法のことを言っているのではありません。
当社が今回のコラムで一番気づいて欲しいのは、営業の事前準備にどれだけの時間を割いているかということです。
『顧客ニーズの答えは顧客が持っている』という考え方を持っている会社の特徴として、若手営業担当者の事前準備に割いている時間が少なく、営業活動での出たとこ勝負をしているように見えるからです。
そう、出たとこ勝負です。
なぜなら、『顧客ニーズの答えは顧客が持っている』という考え方を持っているので、営業の事前準備より営業現場で聞き出すことを重視しているからです。
営業経験年数が10年を超えて中堅になれば、準備よりも営業現場での空気感を重要視しても良いかと思いますが、凡人の若手営業マンは違います。
凡人の若手営業マンには、事前準備で考える場作りの体験が必須です。そして、考える場作りでできた仮説を実践することで、考えて行動する習慣が身についてきます。
でも、この仮説を考える場も実施できているようで実施できていない企業も多いかもしれません。
その判断基準は、考える場で何を見ながら行なっているかということです。
仮説を考える場が実施できていない会社は、顧客名と現在の営業状況を口頭で語っています。
そう、口頭です。
口頭の危険な所は、主観がかなり入って客観性の判断にかけるということです。(このことを語るとコラム文章が長くなるので、また、別の機会で話します)
では、口頭以外で考える場で活用するものはどのようなものがあるでしょうか。これに正解・不正解はありません。その会社によって様々です。
ちなみに、当社では、最低限、次の3つを用意して、考える場に臨んでいただきます。(個別の内容は、当社のWEBのコンサルティングのページを参照ください)
1、年間顧客の増販シート
2、情報見込みシート
3、提供価値シート
これらを活用して、顧客の潜在ニーズに気づいてもらうために、どのような質問をして、ギャップ認識をしていただくためにどのような営業ツールを活用するのかを議論していただきます。この議論は超仮説になってもOKにしています。
なぜなら、仮説を実行した後の、検証の振り返りを重要視しているからです。
振り返りによって、自己成長が生まれます。
自己成長した後に、考える場があれば更に成長していくのは言うまでもありません。
結論としては、考える場で活用する見える化したツールを明確にして、顧客に潜在ニーズに気づいてもらうための質問を検討し、ギャップ認識するためのツールは何を用意して実践するのか場を作って準備をするということです。
ある会社では、顧客の潜在ニーズに気づいてもらうために、今までは・・・、これからは・・・、という質問とツールを活用することで、100万円の設備が1ヶ月で100台売れたそうです。
顧客の顕在ニーズに対応していれば、安価な設備しか売れなかったのが、潜在ニーズに気づかせるだけで大幅な売上アップになっています。
このような成功事例が生まれれば、後は、横展開するだけです。
あなたの会社では、若手営業マンを育成するために、どのような準備を行っているでしょうか。そして、その場は、考える場作りになっているでしょうか。
このコラムが考える場作りについて再考する機会になれば幸いです。
