仕組みで売れる体制づくり「営業の成約達人」の仕組みの作り方-第158話 営業計画の立て方に必要になってくる裏付け計画に営業幹部の方は取り組まれているでしょうか
当社クライアントの営業部長から、先週のコラムを読まれて、次の質問をコンサルティングの休憩時に受けました。
「乾先生は、戦略と戦術の同時推進をものすごく大事にされていますが、それは、今までの経験則からですか」
この質問をいただいて、そう言えば、その理由について明確には、語っていませんでした。
今日のコラムは、その理由と、戦略と戦術の同時推進の前に押さえておくべき項目について話をします。
まずは、戦略と戦術を同時推進する理由です。
これは、経験則になるのですが、一番大きな経験は、私が20代後半にサラリーマンコンサルタントをしていた時の経験が基盤になっています。
私が勤めていたコンサルタント会社は、中小企業のコンサルタント会社でした。
しかし、クライアントは大企業ばかりでした。
当時、国内の大企業を戦略面からコンサルティングをしていたのは、マッキンゼー等の外資系のコンサルティング会社でした。
日本のコンサルティング会社は、大企業の戦略に関わるコンサルティングではなく、企業研修等の社員教育を受注していたように思います。(あくまでも推測です)
その理由を勤務時代の社長に聞いたことがあります。
社長からの答えは、次の通りでした。
外資系のコンサル会社は、戦略論がずば抜けて素晴らしいということでした。
調査・分析・仮説構築がデータの裏付けと論理力が日本のコンサル会社では真似ができないということです。
でも、当時の日本のコンサル会社が受注できなかった大手企業の戦略コンサルを、私の勤務していた中小のコンサルタント会社が、なぜ受注できているのかが不思議でした。
その疑問も、勤務時代の社長に聞いてみました。
社長は、次のように答えられました。
「乾君、戦略構築については、外資系のコンサルティング会社には勝てないよ。我々とは地頭が違うからね。でも、そんな彼らでもひとつだけ弱点があったのだよ。なんだと思う」
その当時、私は20代後半でコンサルタントも駆け出しだったので、正直に「分かりません」と答えました。
すると、社長は引き続き、話をされました。
「戦略論はスバ抜けて素晴らしいが、戦術の落とし込みがされていなかったんだよ。戦術は、自分達で考えてくださいとう感じだよ」
「戦略論は素晴らしいが、成果が今ひとつだったみたいだよ。そこで、成果を保証することを提案したら、それが好評で受注をとることができたのだよ」
「成果を保証するためには、戦略を戦術に落とし込む必要があるからね。そこで、戦略と戦術の同時推進の考えが生まれたのだよ」
「そして、この戦略も難しいものではなく、シンプルにすることが大事なのだよ」
「シンプルにしないと、現場は動かないからね。難しい戦略を語るとコンサルタントの評価は得られるが、末端の現場は難しいと思いこみ、新しい仕事を負荷されたというイメージがついて、絶対に行動してくれいからね」
「逆にコンサルタントの提案を反発するムードが出来上がっているよ」
「恐らく、外資系のコンサルタント会社もこのことを分かっているから、戦術までは踏み込まなかったのかな・・・」
上記以外にも色々なことを語っていただきましたが、ポイントだけをまとめると上記の会話のやり取りになります。
そして、若手のコンサル経験が乏しい7名で、2年間で、大手企業傘下の販売店3,500店の売上を倍増させること等をやっていました。
まさしく、勤務時代の社長が言っていた、成果保証型のコンサルティングです。
成果保証型にするためには、戦略と戦術の同時推進が避けて通れなということです。
この経験が、戦略と戦術の同時推進が重要であると説いている根源になります。
なぜなら、コンサル経験が乏しい若手7名で、2年間で大手企業傘下の販売店3,500店の販売実績を倍増させることができたからです。
やるべきことをやれば、売りは科学できる要素があることを証明できました。
このことを、私が勤務していたコンサル会社は、大手企業で実践していました。それを若手の時に目の当たりに体験することができました。
余談ですが、戦略論は素晴らしい大手企業がこのような状態だったので、中小企業が成果の出る戦略と戦術に絞り同時推進するだけで成果が出ることを確信しています。(ポイントは成果が出るものだけに絞るということです)
少し、前置きが長くなりましたが、本題の戦略と戦術の同時推進の前に押さえておくべき項目の話です。
さて、何を押さえておかなければいけないでしょうか。
これは、あくまでも当社の経験則なので、こんな視点もあるという感じで読んでいただければ幸いです。
営業における年間の売上目標の数値化は、どの企業でも実施しています。
しかし、この売上目標の裏付けの計画をおろそかにしている会社が多いように感じています。
まずは、最低限、実施して欲しい裏付けの計画です。
1、拠点別の裏付け計画(拠点がない場合は必要ありません)
2、製品別の裏付け計画
3、担当者別の裏付け計画
4、既存顧客の増販の裏付け計画
この4つの裏付け計画の中で、一番重要なのは、4の既存顧客の増販の裏付け計画です。
もし、貴社に既存顧客の増販の裏付け計画に類似するものがなければ、その時点で、既存顧客の売上計画は絵に描いた餅で終わることが確定です。
でも、その前に押さえておくべき重要なことがあります。
上記の1〜3の裏付け計画はよく見かけますが、この計画に落とし穴があります。
それは、数字の裏付けの計画ではなく、数字を適当に振り分けているだけになっているということです。
例を挙げると製品別の裏付け計画は、去年の実績に対して、数字の加減算をしているだけです。
加減算で、目標数値が足らなければ、それらしき数値に適当に修正をしています。
「何が言いたいのか・・・」と言う声が聞こえてきそうですね。
年間売上目標の数値計画と裏付けの計画は、行ったり来たりの繰り返しの修正作業が入るからです。
数字を適当に振り分けるのではなく、その根拠を明確にしなければいけません。
根拠を明確にしようとすると、年間顧客の増販の裏付け計画と顧客情報が必須になります。
特に顧客情報は必須です。
でも、案外、顧客情報のノウハウを持っていない会社が多いので、裏付けの計画を立案することができず、適当な数値でごまかしているというのが実情のように感じています。
話が少しそれますが、1,000人以上の営業スタッフを見てきて断言できるのが、凡人営業マンが優秀なセールスマンに変わるのは、情報の使い方と時間の使い方の2つです。
コンサルティングの現場では、営業ツールや営業トーク等の支援も行いますが、究極は情報の使い方と時間の使い方を習得すると営業成績は飛躍的に伸びます。
情報の使い方をマスターすると、営業ツールや営業トークも自動的に変わってくるからです。
これも余談になりますが、営業管理システムを持っていない会社に、エクセルベースでもシステム化する項目としてあげているのが、顧客管理と行動管理の2つです。
この2つは、情報の使い方と時間の使い方をマスターして欲しいからです。
あなたの会社では、年間売上計画の裏付けの計画を適当に作成しているでしょうか。
それとも、年間売上計画と裏付けの計画を行ったり来たりの何度も見直し、深く考えるためのものになっているでしょうか。
営業幹部が裏付け計画で考えるということを放棄しているのに、部下に対して「もっと、考えて営業をしろ」とハッパをかけていれば本末転倒です。
営業幹部が考えるということを放棄しているからです。
このことから、裏付け計画の精度が上がれば、前もって売上を読むことができるようになってきています。
そして、前もって売上を読むことができるようになった会社は、顧客情報の重要性に気付かれます。
あなたの会社は気付かれているでしょうか。
それとも、気付かずに、裏付けの計画を適当に作ってお茶を濁していますか。
